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「ミステリと言う勿れ(第2話)」整君のイレギュラーな感覚が異次元に誘い込む

先週のバスジャックの続きだが、バス自体も密室だし、その後にバスの乗客が引き摺り込まれた屋敷もまた密室である。そう、そんな部屋の中で延々と会話劇を続けるわけだが、集中して見ることができるのは、脚本と演出のなせる技。2話もなかなか面白かった。

バスジャックが連続殺人と繋がっているという時点で、何かゲーム感覚のドラマになってきた。そう、暗いトーンもそれを意識している感じ。ある意味、「ライヤーゲーム」を思い出したりもした。

そう、会話の中で他人の心を変えながら支配していくような感じが、主人公、整にはある。屁理屈の積み重ねなのだが、これだけ冷静に言われると対応する相手は戸惑うし、自分の今までの考えを捨てたくなったりもする。知識そのものより、会話術の面白さで相手を飲み込んでいく感じはなかなか不思議。

今回も、「人を殺してはいけないという法律はない」から始まって、「いじめで病んでいるのはいじめる方だ」とか、それなりの正論で会話をして、相手を混乱に貶める。まあ、相手がどんな奴かということは全く読んでいないようなので、普通なら殺されても仕方ない存在ではある。でも、日本社会の矛盾みたいなものを叩きつけられる感じで、見ている方は痛快感があるのはいい。菅田将暉はこう言う役がとても似合う。

そんなドラマの中で、会話の相手が結構重要だということだろう。先週はその役が遠藤憲一だったわけで、今週も、永山瑛太、森永悠希、佐津川愛美、金田明夫など、なかなかのメンバーを相手に、この会話を行うわけで、まあ、舞台を見ているのに近い雰囲気もあったりする。個人的には舞台というものが押し付けがましく嫌いな人なのだが、映像的な舞台劇というものがあるのならば、これなら私もついていけるということだ。

来週に続くこの話は、この中に犯人がいると言うことの面白さであり、それを整の会話の中で見つけ出されるという感じなのだろうから、警察が飛び込んできても、それは捕まえる役目の人であって知的な集団として存在するわけではない。これは、刑事ドラマというよりも探偵ドラマなのですね。まあ、捜査にちゃんと参加させてもらえない伊藤沙莉がなかなか目立つ役なのだが、彼女も菅田将暉に成長させられるという流れなのだと思うので、その辺はちょっと楽しみ。しかし、伊藤沙莉は役者としてとても面白くなってきましたね。

まあ、一番、殺人犯らしいのは永山瑛太であり、犯人探しと言うよりも、やはりそこで行われているのは屁理屈のゲームに、瑛太がどのように参加していくか?というところが来週の見どころだろう。次回を見ないとフラストレーションが貯まるような流れは、連続ドラマとしてはなかなか秀逸ではある。

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