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「ミステリと言う勿れ(第8話)」それなりの役者たちを迎えてのミステリツアーは、見応えあり

第8回だから、今回の話と、もう一つの話で終了という感じだろうか?しかし、佐々木蔵之介、鈴木浩介、田口浩正など、なかなかのメンツを集めて、いや、月9らしくないオーラがある人々のミステリツアー。前半、ワインを飲むのを止める整君のところまででも結構面白かった。新聞記事などの仕込みが全てフェイクだったというオチは、結構笑えない話である。十分にこんなものは現在作れるわけであり、本当の意味で、知恵のある犯罪者がゲームとしてこういうことをすることは十分に可能なわけだ。そう、デジタルな時代だからこそ、こういうアナログの仕込みには騙されやすかったりもする。そう考えれば、遠くウクライナの戦争もプーチンの芝居だったというオチならいいのだけれども、こちらの方はそうではないように見える。

鈴木浩介が、整と風呂光をツアーに誘う。彼の妻が殺された事件の真相を求めてそうしたという設定なのだろう。鈴木浩介、最近、良い人の役が増えてきた感じですね。このドラマ自体は、彼の出世作の「ライヤーゲーム」にも似た雰囲気も醸し出しているが、あれからもう15年が経っている。それでも、こういうふうに残っているのは大したもので、その上、歳とりませんな。妙に2枚目で3枚目役もできる俳優としてはこれからも使われていくのだろう。

その鈴木の死んだ妻で、先週も整君とアリの話をしていた、水川あさみさん。ここでは、なかなかの美女役。考えれば、この人も歳を取らない。今回は、そんなちょうど15年前くらいから出てきて、今、生き残っているような俳優さんが、ビシッとドラマ全体を締めていた。誰もが、疑わしさを持っていることで、この回は成立し、来週に結果を待つ形。そう、今回はあまり菅田将暉の芝居が前に出てきていないのだ。役者の力というのは、そういうふうに作用することがよくわかる回ではあった。

ミステリにはよくあることだが、花言葉の使い方とか、花や植物の特性みたいな話は、見ていて面白い。花言葉というのに、ここまでネガティブなものが多くあることは初めて知った。そして、四葉のクローバーの話が本当なら、それを意識的に作ることができるということ?それよりも、傷つけられたシロツメクサが幸運をもたらすというのは、なんか、理にかなった話には聞こえますね。

そして、回想の中で、整がルソーが好きだという話が出てきた。この間は「蛇使いの女」の絵も出てきたし、まだ最後のキーにルソーが出てきたりするのだろうか?私自身がルソーが好きなので気になる。

まあ、今回の話は、それぞれの男たちが愛した水川あさみをめぐっての秘密の話だとは思うのだが、このメンツでもう少し熱い芝居のやりとりが見られるのはとても幸せな感じではある。来週が待ち遠しい。


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