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家庭は小さな国家みたいだ~ミャンマーで起こっていることを考える~

国家:住民を納める排他的な統治権を持つ政治社会。国が成り立つためには領土・国民・主権の三要素が必要となる。
(広辞苑より 一部改変)


私のおうちは4人家族。父、母、弟、私。父は公務員で母も正社員として働いているのでお金の心配はしたことがないし、父と母はいまでもデートによく行くほど仲が良い。両親は私と弟のことを本当に愛してくれているし、誕生日が来るたんびに、私はとても恵まれた環境の中で育ててもらったんだと実感する。

こんな私の家を国家に例えると

領土=私たちが住む一軒家
住民=父、母、私、弟
主権=戸根家のルールを決めるのは戸根家であるという考え方

主権がうまく書けなかった(笑)なんかいい案あれば、だれか教えて。

社会人である父と母はまるで納税のように家にお金を入れてくれている。そのお金で私たちが平穏に暮らせている。

このように、考えてみれば「国家」と「家庭」の共通点はたくさんありそうだ。


先に言ったように、私はこの家族に生まれてよかったなあと思ってる。涙もろいので誕生日が来るたびに感動して泣いてるくらい。
この意味では戸根家は安泰国家であるし、政治に成功した国家である。


ただ、人間同士の集まりである限りどこかしらで争いが生まれるのは確かで。
私が楽しみにしていたイチゴを弟や父に食べられていると私はぶちぎれるわけで。
父がこたつを占領していると、母がむすっとしながらわざとらしくドカっとソファーに腰掛けるわけだ。

こんなのはかわいい喧嘩だけど、私は最近、反抗期なようでよく父とものすごい喧嘩をする。

例えば、

前に付き合っていた彼氏と誕生日の記念に旅行に行きたいといったら、「絶対にあかん」
と言われたので


「○○ちゃんは彼氏と沖縄いってた!」「それやのになんで私は行ったあかんの!!」

父にこう主張しつづけたが、

「戸根家のルールは戸根家の主であるワシが決める!」「だからうちは娘が彼氏と旅行いくの許さん!!」

と言われしばらく口を利かなかった。


他にも、

部活がオフの間に韓国に一人旅に行きたいといったときには

「うちはそんなん許さん!」「女友達と行くならまだしも一人は絶対にあかん。」

と言われ、納得できない私はその後、父の洗濯物はたたまない、父の食器だけはもっていかないなど幼稚な反抗をした。


こんな風に娘が父に対して反抗するのを、国家バージョンで考えてみたら

公務員や労働者が国や政府に対して、ストライキ・ボイコットをすることだろうか。





先日、元インターン先のイベントでミャンマー人の学生をゲストとして招いて、今ミャンマーで起きていることやその経緯、実際にミャンマー人はどう考えているのかを聞く機会があった。

みなさんご存じのように、現在ミャンマーでは軍がクーデターを起こして政権を乗っ取り、大統領や国家顧問であるアウン・サン・スー・チー氏らが拘束されている。連日、これに反対する多くの人々がデモやストライキを行い反抗している。


話してくれたミャンマー人の彼が言うには、
・軍事政権下だと、自由が奪われる。
・軍事政権下だと、軍関係者だけにチャンスが回ってくる。つまり、一般人に留学などのチャンスはめぐってこない。
・暴力や押さえつけに恐怖を感じる日々

こんな社会が嫌だから、僕たちは、特に若者はストライキやデモを起こしている。

と言っていた。


同じにしたらダメなのはわかってるけど、ちょっと私の父に対する反抗に似てると思った。

私もいくら反対されても押さえつけられても、自分のしたいことをするために何度も父に反抗してきたから。



その一方でこうした活動に参加する人に多くは、若者であるという。
以前の軍事政権を体験した年配の世代には、こうした活動に対して以前の恐怖から行動をとれない人や、活動に対して意欲を示さずそんな活動意味がないと諦めている人が一定数いるみたいだ。


反抗期はだいたいの人に訪れるが、中には、恐怖で反抗ができない人、反抗してもらちが明かない人と諦めてしまういるんだということに気づいた。



ミャンマーは現在、ギリギリ反抗できる状態、反抗をしないとだめだ!!
と思っている人がいる状態である。


でも、これがもし誰も反抗しなくなったら。
反抗ができないように情報がすべて遮断されたら。
(実際にすでに一時的にインターネットが遮断されている)



私は自分の思いを父にぶつけることができるし、ぶつける気持ち、気力がある。

でも、もし私がもう父に何をいっても無駄だと、諦めたら。父の言うことをすべて無視して、自分の好きなように行動したら。
家族の間にはひびが入り、親子の関係性を修復するのは難しいだろう。




家庭は小さな国家みたいだ。

これが国家として起こったらどうなるのだろう。


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