ユキノ@卯月
中編をまとめました。他の方の企画に参加させていただいた時のものも含まれます。
シリーズ長編"From my past"のまとめです。
"オタメシカノジョ"の続編になります。
櫻坂のメンバーが登場するファンタジー作品。
櫻坂メンバーのシリーズ長編です。宜しければどうぞ。
特に予定のない休日。 何もすることがないと言えばそこまでだが、時間を贅沢に使っていると言えなくもないフリータイム。 ◯◯:...お腹空いたな... 時計を見るともう正午。 不思議な事にただゴロゴロしていても昼時になるとお腹は空くものだ。 今日は土曜日だが、両親は仕事で家にはいない。 "何か買って食べなさい"とお金を渡されていたことを思い出す。 ◯◯:...っし...ラーメンでも行くか! 一つ気合いを入れ、僕は空腹と期待と共にベッドから起き上がった__ ___
『...ウチ...知ってますよ。"あの子"が誰なのか。』 退屈な選考面接に突如現れた女子生徒。 彼女の言い放った言葉は、僕らを大いに困惑させた。 _________ 第10話 "嗤う愉快犯" _________ 保乃:...ホンマにそんな事言うたん? 夏鈴:...うん...確かに『あの子の事知ってる』って... ひかる:...山下...瞳月ちゃんやっけ?聞いたことない名前やね... 美空:結構珍しい名前やけん...私も聞いたことない...かも。 面接後、僕の
◯◯:...ふぅ... 18時。重い身体を引きずって会社を出る。 この瞬間、少しだけ元気になる気がするのは僕だけではないんじゃないだろうか。 しかし、生憎外は雨。 ◯◯:うわ...傘持ってないよ... 予報は確かに晴れだったはずなのだが。にわか雨と言うやつか。 『今日傘持っていかなかったでしょ?ほら!』 真横から声が聞こえた気がして目をやるが、もちろんそこには誰もいない。 僕から別れを告げた恋人が戻ってくるはずはないのだから。 ◯◯:...ふふ...滑稽だな
人間と言うのは面白い生き物で、自らの力でどうにもならないであろう願いや夢を神やそれに準ずるものに願う。 "おまじない"などはその最たるものだ。これを読んでいる貴方の周りにも様々なものがあるだろう。 __例えば僕の通っている高校ではこんなものが流行っていた。 『消しゴムのおまじない』 これはもしかしたら貴方も聞いた事があるかも知れない"恋のおまじない"のお話__ _______________ △△:おい◯◯!聞いたか!?××のやつ、消しゴムに松田の名前書いてたって
__________ 第5話 "ケッシン" __________ いつもより賑やかな学内。 食堂や庭園に並ぶ数々の出店。 いつもより活気に溢れる大勢の人々。 今日は通っている大学の文化祭。 彩:...むむ...また失敗しちゃった... 和:...何やってんの...ほら...こうやって浸したらゆっくり引き抜くの...ほらね? 彩:すごーい!流石和だね!その調子でどんどんお願いね? 和:...さてはそれが目的だなぁ? 彩:...バレたか。美空なら騙せたんだけ
◯◯:...で、君の志望動機は? 『土生さんに憧れて!!』 『由衣さんの下で仕事がしたくて!!』 『えっと...何となく。』 次々と流れていく"不純な動機の数々"に辟易とする間もない。 生徒会役員になりたいと集まった生徒は生徒会室の外まで長い列を作っているのだから。 ◯◯(...1人くらいまともな動機を聞かせてくれ...) 新入生歓迎会が終わり、次に僕が任された仕事。 そう、面接である__ ___________ 第9話 "第2の重要参考人" _____
稲津:...井上さん...まずいです。次の講義まで後5分...この調子だと間に合わないかも... 和:ごめんって!!今は走るしかない!! ◯◯:...それにしても和が居眠りするなんて珍しいね。 美空:ふふっ...もうどうせ間に合わんし4人でサボっちゃう? __________ 第4話 "サイネン" __________ 稲津くんの目測通り、あと一歩のところで間に合わなかった私たちは潔く今日最後の講義をサボり、駅前のカフェに行くことに。 和:...本当にごめん。
ただっ広い体育館にぎっちり詰まった新入生たち。 彼らは始まったばかりの新生活にさぞ心躍らせている事だろう。 それは僕も...例外ではない。  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ 第8話 新入生歓迎会 ________ ◯◯:新入生の皆さーん!こちらにクラス毎に別れて座ってくださーい! 声を張り上げ、新入生達を誘導する。 これがなかなか大変な仕事だ。 拡声器を使ってはいるが、ザワつく体育館の中に僕の声は吸い込まれ、新入生達を上手く整列させられない。 『当日春月が1番のキーマンと言
マネージャーの〇〇さんに連れられ、3人揃って入った部屋は取材に使うには少し広い部屋だった。 これまた取材には似つかわしくない長いテーブルの奥に男性が1人座っており、こちらを見て会釈する。 〇〇:お待たせ致しました!本日お世話になります、山﨑、藤吉、守屋の3名です。よろしくお願いします! 天・夏・麗:よろしくお願いします! 男:...お初にお目にかかります。私△△編集部の愚地、と申します。皆様の日頃のご活躍、拝見させて頂いておりますよ。どうぞおかけ下さい。 "オロチ"
草木も眠る丑三つ時... アパートの目の前のゴミ捨て場には、いくつかのゴミ袋。 本来なら朝になってから出すのがルールではあるのだけど、今だけはこの"迷惑なゴミ出し"に感謝しなければいけない。 周りを伺いながらその内の1つの結び目を解く。 この瞬間がたまらなく好き。宝箱を開けるような高揚感。 ??:...... 息を殺し、中を物色する。正常な人間なら吐き気すら感じるであろうこの異常な行為に今では興奮を覚えるようにまでなってしまった。 ??:.........!!!
激しい怒りと憎しみの後。 __朦朧とした意識が徐々に鮮明になる。 私は 空を飛んでいた。 ひかる:......えぇーーっ!?  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ 第9話 ~邂逅と片鱗~ ________ フワフワとした浮遊感。下を見るに2、3m程浮いているようだ。 そして、再び驚く。 ひかる(...あれは...私...?) 眼下で鳴り響く凄まじい轟音。目を凝らすと、サキに飛びかかる自分の姿が確認出来た。 人間離れした動きでサキを攻撃している"私"の身体は淡く光っており、そ
??:◯◯!何してんの!早くー! ◯◯:あぁ...今行くよ。 数メートル先からこちらに呼びかける人物。 __村井優。幼い頃からの知り合い、所謂幼馴染と言うやつだ。 まぁ"幼馴染"とは言っても、そこまで仲がいい訳じゃない。 僕が引っ越してしまってからは、1年に1度帰省するこの夏の時期にだけ会う仲。 __ただ、それだけの間柄だ。 目の前に聳え立つ無数のビル、眩しすぎるコンクリートの照り返し。目眩がしそうなほどの人混み。そしてこの暑さ。 東京は嫌いだ。 だから大学
夢を見た。妙に断片的な。 ◯◯:ほっ...本日よりお世話になります!よろしくお願いします! __そうか、これは"彼"が入社してきた時の... ◯◯:...森田先輩...ご指導ご鞭撻の程...宜しくお願いします! __ひかるでいいよ。 ◯◯:えっ...そっ...そんな馴れ馴れしく... __いいの。ある程度馴れ馴れしくなきゃ一緒に仕事出来ないけん。 そうそう...こんな感じだった。 今思えば、あんまり変わってないな。 初めて一緒に仕事した時も。 初めてミスし
薄暗い部屋の中心に置かれた円卓に腰掛けた何人かの人々__ 彼らは互いを気にすることもなく虚空を見つめている。その目は暗く濁っているが、どこか貪欲な光を灯していた。 やがて部屋に1人の人物が入ってくる。恐らくリーダー的な立ち位置の人物なのか、腰掛けていた全員が立ち上がり、深々と一礼した。 ??:やぁ、皆御機嫌よう。座ってくれたまえ。 彼の言葉に全員が再び円卓につく。人数は全部で12人。 ??:...皆に集まってもらったのは他でもない。とうとう..."あれ"を見つけた。
ウンザリするほど静かなオフィスには、キーボードを叩く音と僕の溜息だけが響き渡る。 時計に目をやると、22時を回るところだった。 __地獄の長時間残業。 この時期はどうも皆体調を崩しがちのようで、今日も2人ほど出てしまった欠勤の穴埋めをさせられているという訳である。 ◯◯:...んんーっ...あと少し... 大きく伸びをして、ディスプレイに向き直る。どうせ僕しか居ないからと気晴らしにかけていた音楽ももう何周したのか覚えていない。 ...まぁボヤいても帰れないので今は
『それでは…男女でペアを作ってみましょうか』 教授のアナウンスの後、ザワつく講義室。 いつもなら退屈で仕方ない筈の心理学の授業。 心理テストの一環と称して教授から提示された突然の提案に色めき立つ生徒たち。 講義を受けているのは30人ほどで、ちょうど男女比は半々。 何人か話したことのある男子はいるものの、やはりこの空気は苦手だ。 こんな時に限って美空や彩はいない。 ましてやアイツも。 和(...面倒くさ...なんでわざわざ男女で組ますの...) _______