音楽を通して、雨を楽しむ
雨の日は、好きですか?
東京は、梅雨真っ只中。
毎日雨が降って、風も強くて、たまに雷の音も聞こえる。
主観だけど、雨の日が好きだという人はなかなかいないんじゃないか。
雨の日は嫌いだ・憂鬱だ、と考える人が多いから
「雨の日をたのしく」なんてハッシュタグができているんじゃないかな。
私はどんな天気の日にも、プラスの一面とマイナスの一面があると思っている。
晴れの日は洗濯物がよく乾き、空が綺麗で、心が躍る。反面、暑いのが苦手なので暑い日だとバテてしまって、疲れてしまう。
雨の日も同じ。
雨の日を「たのしんで」いるかどうかは分からないけど、私が雨の日に感じるプラスの一面のお話ができればいいな、と思う。
それが、これ。
-雨の日は「雨の曲が映える」-
…当たり前といえば当たり前か。
私の好きな曲は雨がテーマになってる曲が多くて、それがまた天気によく合うのだ。
ジャンルはバラバラだけど、
お気に入りの「雨の曲」を4曲紹介したい。
1. 『雨』/ザ・なつやすみバンド
https://music.apple.com/jp/album/%E9%9B%A8/1476397003?i=1476397004
にわかに降り注ぐ
雨の街角を曲がり君に会いに行く
螺旋状に伸びる想いに蓋をしたままで
こんな歌い出しから始まる曲。
ちょっぴり憂鬱な雨だけど、そんな中でも君に会いに行く楽しさを見出し
でもちょっと切なさを感じるのがいい。
待ち合わせもしないまま偶然 二人は出会った
君を作る全ての時をもっともっと抱きしめて
変わる景色 過ぎる季節には歌を添えて
時を止めた君の言葉をずっとずっと持ったまま
『雨』の歌詞で一番好きなところ。
偶然出会う、というところに運命を感じて
偶然が好き(?)な私は「素敵!!!」と思ってしまった。
梅雨も含めた季節の移ろいの側に、そっと歌が
添えられているのも美しい。
この曲を聴いたら、毎年同じようにやってくる
季節の移ろいも少し違ったものに見えてくるから不思議。
2. 『傘はいつも』/ザ・なつやすみバンド
同じくザ・なつやすみバンドの曲。
とてもポップで、かわいくてくるくる踊り出したくなる曲だ。
きつねも踊りだす おてんきあめが降り続ける
今日は もうそれだけで すばらしい日!
くるくると回りだす
あの子の傘とおなじいろに染まれ
ちいさな世界 ぼくらだけの秘密
おてんきあめが降り続けるだけで、すばらしい日なんて…!
なにも成し遂げなくても、良いことが起きなくても、おてんきあめというだけですばらしい日なんて…!
何気ない一日に色をつけてくれる曲。
周りのものがなんでも素敵に見えてしまうから不思議だ。
歌詞通り「くるくると回り出したくなる」かわいい曲。
ザ・なつやすみバンドの曲は
雨の曲以外にも素敵な曲がたくさんあるので、また紹介できたらいいな。
3.『雨のウェンズデイ』/大滝詠一
父親の影響で大滝詠一さんの曲を聴くようになり
何曲か好きな曲ができた。
そのうちの一曲がこの曲。
雨ってこんなに綺麗で哀しいものなんだな、と知った曲でもある。
5年くらい前、当時お付き合いしていた方とドライブをしていた。
その日は水曜日で、天気は雨。
私の携帯から音楽を流していたが、たまたま『雨のウェンズデイ』が流れた。
「この曲、雨のウェンズデイって言うんです。まさに今日にぴったりですね。」
と言ったのを今でも覚えている。
(年上の方だったので敬語でお話してた)
その時のことを少し思い出して懐かしくなる曲。
個人的な思い出が多くて恐縮だが、今でも聴きたくなる曲である。
4.『前奏曲Op.15 雨だれ』/ショパン
最後はクラシック音楽。
CMでも使われているので、ご存知の方も多いかと思う。
最近、アリス=紗良・オットさんの『雨だれ』を聴いて心を打たれた。いろんな方の演奏を聴いてきたが、一番「雨粒」を感じた。
演奏する方によって、しとしと連続して滴る雨水か、一粒一粒時間をかけて落ちる雨水か、
イメージが変わるのがこの曲の素敵なところだと思っている。
私はどちらかと言えば後者のイメージが好きなのだが、アリス=紗良・オットさんの演奏は私の好みどんぴしゃだった。
優しく落ちる雨粒、というのだろうか。
とっても美しかった。
雨の日に流しながら、何も考えないで雨を感じたい。
雨の日を素敵に彩る魔法が、音楽にはある。
雨の日は、じめじめ蒸し蒸しするし
靴の中は大洪水だし、洗濯物もなかなか干せないし…
と、気持ちが後ろ向きになってしまいがちだが
雨の日だからこそ、できることもある。感じられることもある。
私の場合は、それが音楽だった。
雨の日によく似合う曲を聴くのが、今までも今も、私の楽しみである。
きっと、これからも。