今昔バス物語(7)
いよいよ明日で、本シリーズは終わりである。
今日は、高速バスから路線バスにいったん戻って、まだ触れていなかったことについて話そう。
今は、「バスNAVITIME」というアプリがあれば、バス停の時刻表や自治体のホームページを見なくても、いつでもどこでも、全国の路線バスの時刻表を調べられる。
また、アプリの有料版では、バスの接近情報も教えてくれる。
アプリが開発される前は、都会では主要なバス停で、バスの接近を知らせる自動アナウンスが、バス待ちの客に伝えられていた。
また、バス停の時刻表の上部にある電光掲示板には、「3つ前の停留所を出ました」のように、テロップ表示が流れていた。
最近は、音声アナウンスが取りやめになって、電光掲示板の表示のみになっているバス停もある。
自治体の財政の厳しさもあるのだろう。仙台市のバスも、大赤字である。
さらに、気になるのは、コロナ禍になってから、アイドリングストップも取りやめになっているようだ。
コロナ禍の前は、バスが信号待ちなどで停車するときは、必ずといっていいほど、エンジンが止まっていた。
一瞬のうちに、エンジン音が聞こえなくなるので、誰も車内で話していなければ、めちゃくちゃ静かである。
話をしていた人が、声が急に目立って思わず声量を落とすこともあった。
アイドリングストップは、車内換気のための空調も止まるから、取りやめになったのだろうか。
座席の色も変わった。昔のバスは、シルバーシートがオレンジ色だった。今は、他の席と同じ色にするか、何かしらのデザインを入れたものになっているバスが多い。
電車もそうであるが、吊り輪も丸型ではなく、三角になったりと握りやすいものになっている。
もはや「吊り輪」ではなく、「吊り革」なのである。
窓ガラスは遮光機能があり、吊り革や手すりは、コロナ禍では抗菌仕様が当たり前になった。
こうしてみていくと、バスだけをみても、いろんなビジネスが生まれていることに気づくだろう。
ラッピングバスなんて、昔は考えもしなかった。今では、まさに動く広告なのである。
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