仕方がねえな、お手を拝借。

明日は年度末最終日ということで、いろいろと私物撤去、不要書類の処分などがあり、会の時間に間に合わないだろうということで、今日が4年ぶりの送別会になった。

「ご栄転おめでとうございます」という声をいただきながら、「ああ、参加せざるを得ないか。」と今さらながら気づいた。

4年ぶりということで気分が高揚しているのか、あるいは、スケジュールが空いていたのか、思っていたより参加者は多かった。

会の中では、異動スピーチもあったわけだが、なるべく長ったらしくなく、簡潔に手短に感謝の気持ちを添えて、「皆様のおかげで、よい仕事ができました」と締めくくった。

社交儀礼もめんどくさいが、一人一人が代わる代わるビール瓶と自分のコップを持って、わたしののところへやってくる。

もう顔が赤い人、「おい、大丈夫か?」と思わず声が出そうになるフラフラ君。

笑い上戸に泣き上戸。

そういった人と最後の談笑をするたびに、いろんな人と仕事をしてきたんだなあと感慨深くなる。

時間はあっという間に過ぎ、いきなり「締めの挨拶をお願いします」との声がかかる。

「ええっ?!」

そんな私の意外な反応が可笑しいのか、どっと笑い声が起こる。

「いよっ!!」と、あちこちから声が飛ぶ。

仕方がねえなと、おもむろに立ち上がり、ネクタイを締め直す。

「長いコロナ禍でした。長いトンネルでした。いつかは我慢した甲斐があったと皆で喜び合える日が、とうとう、今日、やってきました。窓から見える夜桜も、私たちの努力を祝福してくれているようで、鮮やかに光り輝いています。」

ちょっとカッコつけ過ぎかと思いながら、言葉を続ける。

「でも、もう大丈夫。日本中が怯えた3年前の春に入ってきた新入り君が、気がつけば4年目で、立派に仕事をやってくれている。これからは、胸を張って、自信を持って、思いっきりチャレンジができるチャンスです。皆様のますますのご活躍を祈念して、最後にお手を拝借といきたいと思います。」

「では!!」

全員が、一丁締めの構えを見せる。

「イヨオーーーーッ」、パン!!!

フォロワーの皆様も、最後までお読みいただき、ありがとうございました。

新たな門出に乾杯!!(あれ?二次会になってしまった・・・)




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