法の下に生きる人間〈第2日〉

日本国憲法は、有名な前文と、11の章から成っている。

最後の第11章は、昨日も触れたとおり、補則の章であり、第100条以下が入っている。

その直前の第10章が、最高法規であることを謳った第98条を含む「最高法規」の章である(第97〜99条)。

ところで、これら11章の中で、第2章と第9章だけが、たった1条の条文でしか構成されていないのである。

第9章は、「改正」の章であり、第96条に憲法改正の手続きが定められている。これについては、1ヶ月前の5月3日の記事「憲法改正は実現するか?」で詳しく説明しているので、本シリーズでは省略させていただきたい。

興味がある方は、ご覧いただければ幸いである。

さて、第2章は、何について書かれた条文で構成されているか、もうお分かりだろう。

「戦争の放棄」を謳った第9条である。

憲法改正に反対を唱える人は、この第9条の改悪で、日本が軍国主義に戻るのではないかと危惧している。

とりあえず、第9条を抜粋してみよう。

【第九条】日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。
② 前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。

以上である。

国権の発動たる戦争、武力による威嚇又は武力の行使は、永久に放棄すると謳われている。

だが、ちょっと引っかかるのが、「国際紛争を解決する手段としては」という条件付きになっているところである。

国際紛争を解決する手段でなければ、どうなるのか?

ここがミソなのである。

つまり、自衛のための戦争は認められるのか?ということになる。

そして、第9条第2項では、「陸海空軍その他の戦力は保持しない」と謳われているが、実は、令和9年度までに、航空自衛隊が「航空宇宙自衛隊」に改称されることが決まっている。

また、「自衛隊サイバー防衛隊」も創設されている。

これら2点の出来事は、昨年中に起きたことであるが、どれだけの国民が知っていただろうか。(一応、報道発表はされている。)

現行憲法は、宇宙防衛やサイバーテロは考えられなかった時代に作られている。

それでも現状維持でよいと考えるかどうかは、人それぞれだろう。









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