歩数計の数値の意味

「1日1万歩、歩きましょう」というのは、健康維持のためによく言われることである。

だが、この1万歩が表す消費カロリーというのは個人差があり、ある人にとっては「よく運動した」ことになっても、別の人にとっては「たいした運動はしていない」という結果になる。

極端な話では、「たいした運動はしていない」とみなされた人は、2万歩が必要かもしれない。

また、同じ人であっても、昨日の1万歩と今日の1万歩は、消費カロリーが全然違うかもしれない。

なぜ、このようなことが言えるのだろうか。

これは、私が自分の経験から気づいたことである。

私は、スマホを買ったときから歩数計アプリが勝手に入っているので、1日の終わりには、歩数計の数値を確認するようにしている。

ある日、いつもどおり前日と同じように職場から寄り道せずに帰宅し、歩数計アプリを見たところ、前日より数値がものすごく増えていた。

「はて?昨日も今日も、行動はほとんど変わらなかったのになぜだ?」と疑問に思っていたが、帰宅するまでの自分の歩き方を思い出して、「そういうことか!」と納得した。

その日は金曜日だったのだが、残業で遅くまで残っており(念のため、仕事中はスマホを持ち歩くことはほとんどない。)、さすがに疲れていたので、終電に乗り遅れない程度に、いつもよりダラダラと歩いて帰っていたのである。

ダラダラ歩くということは、歩幅も狭いわけで、その分、いつも以上に帰宅するまでの歩数を要することになる。

ふつうに歩けば30センチの歩幅が、15センチほどしかない歩幅で歩いていたら、まさに歩数は倍近くになるのである。

この理屈にだいぶ前(若い頃)に気づいてから、私は、数字だけを見て物事を判断しなくなった。

その数字は、何らかの要因に左右されることはないか、もし考えられる要因があるとしたらそれは何かなど、多角的に分析し、コレコレの条件を満たせば信頼に足る数値なのだというふうに結論づけるようにしている。

同じことは、血圧や体重などにも当てはまる。

例えば、食べ過ぎたわけではないのに、昨日より今日のほうが体重が重いのはナゼだ?と疑問に思ったことはないだろうか。

私の経験だと、昨日はトイレでスッキリした後に測ったが、今日はまだトイレに行っていなかったというのが要因の一つだと分かった。

風呂上がりとか、いつも同じ時刻に測るのは、一見、条件を同じにしているように見えて、実はなんの意味もない。

コロナ禍では、毎日のように体温を測っていた人もいただろう。

その体温だって、たまに想定以上の高さでビビったことがあった人なら、なんでもかんでも鵜呑みにできないことは自明の理なのである。



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