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私が差し入れよりも友達を一人多く連れてきてほしい5つの理由

以前、キングコングの西野亮廣さんが「"僕”は差し入れが要らない」と表明していました。実は私は西野さんのこの表明に首がもげるほど頷き、同意しました。でもそれを今まで文章にしていなかったので、今日ここで書きます。(もげるって秋田弁?)

一応、西野さんがどんなことを言っていたか確認するためググってみました。見つけた。

2017年2月はユトレヒト音楽院(オランダ)の3回生でした。オランダで私は首がもげる程頷いていたのだね。そして約3年間も「そうだそうだ」と心の中だけで言い続けていたのね、私。

そう、"私“も差し入れは要りません。困ってしまうのです。これまで自主開催した小さなコンサートでは「差し入れいりません」とご案内状に逐一書いていました。今後は大きなコンサートをする立場になるだろうから、改めてここにその意思を、理由を添えて表明します。


理由1:差し入れでは生活できない

至極当たり前なことだけれど、差し入れでは生活できません。電気や水道の料金も払えない。スーパーで買い物もできない。ましてやクラリネット奏者としての必要品、リードや楽譜、書籍も差し入れでは購入できません。楽器のメンテナンス代も払えません。

入場料やレッスン料金が私の収入になる。そしてそれで生活し、音楽家としての自分に投資し、レベルや知見をあげ、社会と関わり、何かをBetterにする。これが仕事なのです。

そういえば、以前、まだ留学前に「レッスン料も交通費も払えないからボランティアで教えて欲しい」という条件にOKを出したところ、往復電車代の2倍ほどするお菓子を「気持ち」として下さった方がいました。「なんか違う」って流石に考えたな。。。

さて、ここで、「差し入れもらった分で節約できるから、その浮いたお金で支払いや購入できれば同じ意味じゃん」と思われるかもかもかもしれないですが、その実、全く違うのです。その理由を正直に書きますね。


理由2:健康上の理由

私は音楽家としてコンディショニングを常にしています。運動もさることながら、食べ物については気をつけています。差し入れにありがちな甘いものは殆ど食べません。特に小麦粉系のお菓子(オシャレにいえばタペストリー)は滅多に食べません。食べたい時は自分でその量、素材、味を選びます。

何が自分に合っているのか、合わないのかを知っています。アレルギーでないにしろ、自分の生活の質を下げてしまう食べ物が有るのです。なので食べ物は自分で選びます。

私はお酒が大好きなので、お酒の差し入れもよくあるのですが、ごめんなさい。お酒も飲みたいものが決まっています。ビールもワインも焼酎も好きな銘柄やこだわりがあります。特にワインは信頼しているお店からしか買いません。しかもどんな食べ物と合わせるかもお伝えしてワインを選んでもらっています。

テイラー・スウィフト程ストイックにはしていませんが、舞台演奏を生業とし、しかも演奏会が無くても毎日のコツコツ練習が欠かせない職業としては、食べ物は気を使います。例え暇そうに見えても(!)日々のコンディショニングは大切にしています。食べ過ぎた&飲み過ぎた、または食べ物が原因で不調になり、練習や勉強をパスする、というのは私はやりたくありません。(休みはちゃんと休んでます)


理由3:飼い猫がいるのでお花は無理

「だったら目で楽しむお花を」と気を使ってくださる方もいますが、お花もすごく困ります。なぜなら我が家には猫が5匹おり、猫に中毒性のある植物がとても多いのです。飾る場所もありません。おまけに彼らは好奇心旺盛で花に近づき、食べはしなくても花瓶を盛大に倒します。それはそれは大惨事になります。なのでお花も無理です。

「じゃぁ、植木鉢に入っている植物は?」これも猫さんにとって毒性がある植物が多いです。そして鉢に小さな虫がわくと、猫さんたちがそれを追って家中を駆け巡ってハッスルし、やはり大惨事なのです。窓を開けて自然と外から入ってくる虫さんだったら、回数も量も少ないのでハッスル回数も許容範囲なのですが、自宅内に植木鉢があるとそうはいきません。

そして、私は植物の面倒を見るのがメチャクチャ苦手です。サボテンを枯らす女です。鉢植えも、水に生けるのも全くもって才能がありません。我が家で育てられるのは、ベランダに置いてある猫草だけです(放っておけば良い。しかも夫担当)

演奏会の演出上どうしても花束贈呈セレモニーをなさりたい場合はもちろん相談に応じます。


理由4:欲しいものは自分で買う。だって大人だもん。

となると、今度は小さなハンカチや小物をプレゼントしてくれる方がいらっしゃいます。みなさんとても素敵なセンスを持ってらっしゃってオシャレな品々を差し入れてくださいます。しかし、音楽家になる前は会社員として15年働いていたので、私の生活に必要なものはだいたい揃っているのです。ハンカチ棚もいっぱいだし、ブックマークも2つあれば十分足ります。

また、4年間のオランダ生活を通して、すっかり「モノ」への執着がなくなりました。物欲が留学前の7割減です(ルミ子比)。あんなに買い物魔だった私が!お給料を渋谷109で散財していた私が!(ギャル公務員時代)。今有るものを長く使いたいし、この先の人生の長さを計算しながら新しいものを買うようにしております。


理由5:荷物が重い。とにかく重い。

荷物が重いんです。楽器、衣装、靴、楽譜、譜面台、パソコン、チラシやパンフレット、身の回りの物ナドナドを移動の際に持ち歩いています。場合によっては釣り銭、文房具類、ビデオカメラ、スピーカー、ケーブル達も。

楽器については常時2本持ちです。1本1Kg。さらにバスクラリネットという大きな楽器を持ち歩くこともあります。それは3.6Kgあり、しかも頑丈なケースはそれだけで1Kg以上。そして見た目はこんな感じです。

荷物重い

写真は2017年3月。ユトレヒト音楽院から某町に演奏会に出発する私です。左肩にクラリネット2本分のケース、右肩に衣装等が入っているカバン、緑色のポシェットはお財布など。そして、背中にはバスクラリネットを背負っています。これはお尻まで長さがあるケースです。

この装備で日本の電車やバスに乗って移動しているわけです。泊まりの場合は更にキャリーを引っ張ります。楽器は商売道具だし高価なので自分の身から離したりしません。重さのみならず、公共交通機関内でどれだけ場所をとるか見ての通りです。

これに花束やらワインやら頂いた際には帰りはもう大変です。車内がが混み合う時間に移動しなくてはならない場合はもう半べそです。。しかも演奏ってすっごいパワー使うので、帰りはただでさえもヘロヘロ(か、打ち上げがあればペロペロ(酔))なのです。想像していただけますか??


モノを介在する場合はお知らせします!

それでも、もしかしたらモノを介在した方がよりよいコンサートも有るかもしれません。例えばチケット料の代わりに

“投げリード”でお好きな分だけリードを寄贈して頂き、それを自然災害等被災した学校へお届けしたり
”投げキャットフード”で集まったキャットフードを、保護猫施設に寄付したり

このような場合はもちろん、寄付する側の要望を伺ってモノの設定をすることが前提です。

『差し入れ』というのは利害関係が合致しないと、相手を苦しめることになることもあるのです。

西野さんも上記のように仰っていました。そしてまさにこれなのです。

そして、モノを介在する場合はハッキリとお知らせしますね♪


モノよりお友達を一人多く連れてきてください

ということで、モノよりもお友達を一人多く連れてきて頂いた方が、とても助かります。一人でも多くの方がチケットを購入してくれたら、生活費にもなり、リードも買えるし、適切に楽器を修理に出せます。タクシー等を利用して楽チンに帰宅できるかもしれません。そうすれば、次の演奏会へ向けての勉強やレベルアップの足しになります。その力を社会のためにまた使います。

私の商品は音楽です。そしてそれについて料金を設定しています。入場無料のコンサートも主催者側が私に出演料を払っています。そこには演奏と出演料の交換により双方の物事が成り立つからです。なので私はそこをシンプルに運用します。なので、前述した理由の通り、"私は"差し入れは不要です。心からのお願いです。

かなりの確率で、差し入れよりもチケット代の方がやすかったりする衝撃の事実。

今後大きなコンサートをする場合はこんなフライヤーやポスターを作るんじゃないかと。

差し入れ不要チラシ

はっきり言う。うん。(↑の仮チラシはざっくりイメージとして作ったのでフォント揃ってないとか突っ込まないでほすぃ)

そしてここ大事なのですが、"私"は差し入れは不要です。あくまでも“私”は。差し入れが楽しみな演奏家の方もいらっしゃるでしょう。なので他の演奏家の方に私の表明を全く同じように適用しないでくださいね。

3年越しに文章として言語化できてスッキリ。今後何かあるときはこの記事のリンクや引用を利用して考えをお伝えできるから少し労力減るかな。。

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