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クラリネットが少ないのは報われないから?!

アマチュア吹奏楽団のクラ不足

ここ数ヶ月間、社会人吹奏楽団のクラリネットパートがなかなか集まらない理由をずっと考えています。

何を隠そう、わたしが趣味で参加している湘南交響吹奏楽団グランドシップ(以下GS)もクラリネット奏者が足りません。今の3倍くらいのメンバーに増えることを目指しています。GS自慢の充実した金管チームとのバランスがとれて素晴らしい響きを作ることができるでしょう。

「GSのクラが足りないのよね」とあちこちでお話していたところ、グランドシップだけでなく市民バンドの多くがクラ不足ということを知りました。どうも全国的にその傾向があるようです。

部活動ではどの学校もたいていクラリネットが最も人数が多いパートです。経験者の数が他の楽器よりも多いと推測できるにもかかわらず、この現象が起きるのはなぜなのかとても興味があります。自分で考えたり、Twitterやリアルでいろんな方にお話を聞いて勉強しているところです。

そんななか、ご縁があり、長年にわたり吹奏楽部を指導されているクラリネット奏者の方にこの疑問についてお話をうかがうことができました。

報われないからクラリネットやりたくない

その方は一般バンドのクラ不足の原因について【報われないからではないか?】と考えていらっしゃいました。

詳しい内容についてもお話を聞かせてくださいました。

1、できて当たり前だと思われ褒められたりしない

  • クラリネットパートが大人数であることから「誰にでも難しいパッセージを簡単に吹ける」と勘違いされやすい

  • 1st、2nd、3rdごとのチームプレイであることから少しのズレでも指摘されてしまう。しかも連帯責任となり、仲間割れや吹奏楽離れの発端につながりやすい。

  • セクション単位で高度に演奏する必要があり、その完成度へのプレッシャーが強すぎる。間違いが許されない厳しい環境であるにもかかわらず、成功してもほとんど言及されない。

2、単純に演奏すべき音符が多すぎる

  • 練習に期間と時間がかかるため、フルタイムで働いたり子育てをしていたりというライフステージにおいて練習を完遂できないことが楽団への参加から気持ちを遠のかせる。

  • 部活動では圧倒的に女子が多いパートであり、この点において他パートよりも社会人として続けることに影響が大きい。

お話をうかがい「なるほどなぁ」と考えました。自分の中学と高校の部活動を振り返っても思い当たることがいくつかありました。

クラリネットを練習する努力が報われれば続けられるのでは?!

その一方、「報われない」ことがクラリネット奏者の吹奏楽離れやアマチュア活動へ足かせになっているとすれば、「報われた!」とクラリネット奏者が感じられれば、大人になってからも続ける人が増える確率が上がるということだとも言えます。

  • ダメだしではなく「できたことを承認」

  • 失敗を許しながらトライを繰り返せる環境

  • 練習に時間と期間がかかることを踏まえたリハーサルマネジメント

  • 団員同士のはげまし

  • リーダーや指揮者からの「そこいいね!」というフィードバック

どんなチームづくりにも欠かせないこういった要素が部活動や市民楽団でたゆまず続けられることが鍵になりそうです。

「クラリネットを続けたくても続けられない」というお話を私もさまざまな方面から耳にします。

それはその方の根性が足りないのではなく、音楽をやることや続けることの感情面の環境がまだまだ日本では十分に整っていないように感じます。

まるで、たがやされていないガッチガチに固い畑のように。

音楽ライフメンター(相談者)、クラリネット講師としてこのような環境の改善にも働きかけていきたいと改めて決意しました。


ちなみに!

クラリネットの最大の特徴は
・自分の指で直接トーンホールを押さえること
・楽器が口の中に入ってくる角度と持ち方(構え方)

「クラリネットが一番教えるのが難しい」と顧問の先生方がよく訴えてくださいます。その原因も上記の2点だったります。

このポイントを頭に入れておくことが吹奏楽部の指導で役に立ちます。サックスとは大きく異なる点でもあります。


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