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摂食障害~二股の恋Ⅳ 体験記⑦

私がバイトを辞めた後、社員Kから主婦Yがパートを辞めたと聞かされた。
(主婦Yは、私の彼の彼女。お互いそれを知ってる歪な関係。)

「ふーん、そうなんだ。
でも何で辞めさせられたの?」

「お店のモノを万引きしたんだって。」

「え?」万引き?

あの主婦Yが、万引きをしたんだ。

なんか、ショックだった。

まあ恋のライバルだったにしろ、私より前からバイト先で働いてたし
多少なり共お世話になっていた。
はじめは気さくで明るいおばさんだなぁと思ってた時もあったからだ。

もしかしたら主婦Yは、
彼が異動になりパート先で会えなくなった事で、
精神状態が不安定になり、万引きという窃盗をしてしまったのではないかと勝手に想像した。

あくまでも想像だが、
主婦Yも、私のように彼に依存していたんだと思う。

依存する相手が側に居なくなってしまった寂しさで盗みを働いてしまったのか?
ただ心配されたかったのか?
全てムチャクチャにしたかったのか?
私にも解らない。

もちろんお店は、出入り禁止。

憎らしかった主婦Yの事が、可哀想に思えた。

あの頃の私は、過食症真っ只中でこんな事考える余裕は無かったが、
主婦Yは、あれからどうやって外を出歩いて生活していたのだろう?と今となって思う。

そしてもう二度と主婦Yに会うことはなかった。

彼との仲はどうなったか知らないが、私の彼への気持ちは冷めたままだった。

愛される事に慣れてない私は、彼に追われる様になってる状況が嫌で嫌で仕方なかった。
常に追う恋が好きだったので、振り向いたと思ったら急速に冷めてしまう、酷い女性だった。

結局二股されてたけど、二股の恋だったから燃えたのかもしれない。
私は、とっても未熟で危なっかしい18歳だった。

いつしか彼からも連絡が来なくなっていた。
ちょっと心配になって電話をかけてみたが、
私からの電話には、一切出なくなっていた。

仕方ない。
あんな冷めた態度をとられたら、誰だって気づくだろうし、
過食のせいで体重が急激に増加して、自信を
無くしていく私の姿が嫌になったんだろうと思った。

彼との恋は、これで終わった。

つづく

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