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★アパレル店長物語 (Epi.1)

先月のメルマガでは、私がアパレル店長をしていた頃の同僚が起業の相談に来た時のことを書きました。彼女が私の体験談を熱心にメモを取っている姿がとても印象的で、それはまるで20年前の私を見ているようでした。その言葉が時を経ても色褪せていないことに気づかされました。彼女に体験談を話す中で、この時期が私のマインドセットを変えるきっかけだったことを再認識し、それが今も自分の人生の土台になっていると確信しました。

In last month’s newsletter, I wrote about a former colleague from my days as an apparel store manager who came to me for advice on starting her own business. I was struck by how diligently she took notes as I shared my experiences with her. It was like seeing myself 20 years ago. I realized that my words, despite the passage of time, had not lost their relevance. As I recounted my experiences to her, I was reminded that this period had been pivotal in changing my mindset, and it reaffirmed that this mindset continues to be the foundation of my life.

マインドセットとは何でしょうか?マインドセットとは、人が物事をどのように捉え、理解し、反応するかを決定する基本的な考え方や信念のことです。これにより、私たちの行動、思考、感情が大きく影響されます。そして、マインドセットは意識的に変えることができます。私自身がそうであったように。

What is a mindset? A mindset is a fundamental set of beliefs and attitudes that determines how we perceive, understand, and react to situations. It profoundly influences our actions, thoughts, and emotions. And, a mindset can be consciously changed, as it was for me.

そんな私のマインドセットがアップデートした日々のエピソードを1冊の本としてまとめてみようと思いました。早速、最初のエピソードを同僚に見せたところ、「私のように、ひとみさんの話を聞きたい人がたくさんいると思います!」とメッセージが返ってきました。

Inspired by this, I decided to compile the stories of how my mindset evolved over time into a book. When I shared the first episode with my colleague, she responded with, "I think there are many people who would love to hear your stories, just like me!"

ということで、今週のメルマガでは、私の2冊目のKindle本の最初のエピソードをシェアしたいと思います。

So, in this week’s newsletter, I would like to share the first episode of my second Kindle book.

PROLOGUE

時を超える名言

ある日、私がまだアパレル店長をしていた頃の仲間で、現在は起業を目指しているYさんが、アドバイスを求めて私の部屋を訪れました。Yさんとは、私がアパレル店長を辞める日まで一緒に働いていましたが、独立後は一度しか会っていませんでした。それから約15年が経ち、再び再会することになったのです。

久しぶりに会った彼女は、別のアパレルブランドで店長を務めており、以前よりもさらに洗練された印象を受けました。私はあまり変わっていないように感じましたが、40代になると、変わらずにいること自体が努力を要するものです。私たちは笑顔で昔話に花を咲かせながら、過去を振り返りました。

私の話の多くは失敗談で構成されており、その中には人生を変える名言が数多く含まれています。Yさんは「メモさせてください!」と言いながら、熱心に記録していました。私にとっては馴染みのある話でしたが、彼女にとっては新鮮で価値のあるものでした。これらの教訓を共有することで、自分自身の成長の旅を再確認し、それが現在にどう影響しているかを見つめ直すことができました。

実は、彼女がメモした内容は、私が過去にノートに記したものばかりでした。このようにして名言は受け継がれていくのだと気づき、メンターたちへの感謝の気持ちでいっぱいになりました。また、29歳で自分の人生を歩み始めた私が、49歳になって過去を振り返るのは、まるで走馬灯のようなフラッシュバック体験であり、話しながら当時の映像が脳裏を駆け巡りました。

その夜、Yさんからお礼のメッセージが届きました。

Yさん:「今日はたくさんのアドバイスと気づきをありがとうございました。流石、ひとみさんだなと感動しました。連絡しようと思った自分を褒めたいです!そして楽しかったです。」

私:「Yさん、こちらこそ来てくれてありがとう。お互いにとって一番楽しかった職場で出会えたのは幸運でしたね。過去の経験を生かすことも大切ですが、未来に目を向け、新しいことに挑戦して、自分でも驚くような発見を楽しんでくださいね。」

彼女からの感謝の言葉は、私にとっても大きな喜びでした。そして、私たちの関係が時間を超えても変わらず続いていることに、不思議なご縁を感じました。私がメンターたちから教わった言葉は、私の人生で実践され、価値のあるものです。それは単なる「Used」ではなく、「Vintage」へ。Vintageならば、時代が変わってもその価値を生み出し続けるはずです。そんな本質的な言葉をシェアするために、この本を執筆することにしました。この本が、多くの人々にとっての「Vintage」となり、時を超えて愛され続けることを願っています。

第1章:マインドセットのアップデート

1.1 幸せな小金持ちとの出会い

2002年、私が27歳の頃、外食産業からアパレル業界に転職しました。前職のマネジメント経験が評価され、東京銀座のラグジュアリーなセレクトショップの路面店で、わずか2ヶ月で店長に昇格。初めての服の接客とアパレルショップのマネジメントを任され、まさにコンフォートゾーンを抜けたことを示すように、ずっと居心地の悪い状態が続いていました。プライベートでも、失恋をきっかけに自分の依存的な考え方に気づき、自己成長を強く意識するようになった頃です。

そんな2003年のある日、仕事の相談をしていた知人の知人から、本田健さんの「幸せな小金持ちの小冊子」を手渡されました。一瞬、小冊子という形状で、何やら怪しさを感じてしまったのですが、その人は初対面の私にこう言いました。「ひとみちゃんは、既に成功している!」と。この言葉が、私の自己成長と成功への意識を目覚めさせるきっかけとなりました。

すぐにこの小冊子を読んで、「好きなことを仕事にすることができる」という考え方に触れ、目から鱗が落ちました。仕事は、ご飯を食べるため、生きるためにするものだと思い込んでいたからです。だから、できるだけ給与の高い職場へ行くべきだと考えていました。そうした理由もあり、マネジメント経験が生かせて、アパレルにしては給与がいいという理由からでした。なので、好きなことを仕事にしている自覚が薄く、すごく居心地が悪く、苦しく感じていたのです。

しかし、この小冊子を読んでからは、居心地の悪さがぬぐえないアパレル業界を辞めることを考えるよりも、「苦手の中にも、得意で好きなことはないか?」と考えるようになりました。

そして気づいたのが、「私は販売接客をすることが好き。顧客管理をすることが得意」ということでした。

オシャレでもないし、アパレル販売員である自分なんて一生あり得ないと思っていた私でしたが、粘り強さとトークで個人売上はすぐに上位に入りました。そして、当時はようやく「写メ」が使えるようになった時代で、私は早いうちから顧客様に新商品入荷の写真をメールで送るなどしていました。マメに連絡を取ることで顧客様も増えていきました。苦手だと思っていたアパレルでしたが、こうして得意なことを見つけることができたのです。それでもすぐに居心地がよくなることはなく、悶々とした時期はしばらく続いていきました。

1.2 名言とマインドセットの変化

ある日、スタッフの全体ミーティングで社長が質問を投げかけました。「どんな商品があったら、売れると思う?」と。私たちは「今売れているカーゴパンツが、もっとあるといいです」と答えたところ、「それだから駄目なんだ。我々の仕事は、今、カーゴパンツを履いているお客様が、次に何が欲しいかを考えて、それを提供することなんだ」と言ったのです。

そして、「バイヤーのみんなは、パリへ行ったとき、パリジェンヌたちはどんな格好をしていた?」と社長は続けました。すると、「ミニスカートにスパッツを合わせるスタイルをしていました」との返答がありました。社長は「そうだ、次はそれがくるんだ」と言いました。足長に見えるパンツが流行っているころに、急にスパッツ?! 驚きました。しかし数週間後、感度の高いスタッフたちは、ぴったりとしたスパッツにミニスカートを合わせ始めたのです。

これぞ、起業家の考え方だと思いました。今流行っていることをマネするのは二番煎じ。起業家は、時代の先を読むのです。この瞬間、私のマインドセットが大きく変わりました。

1.3 ブランディング戦略

私が店長になって1年後、白いスタイリッシュなお店が、突如ブラックでクールなお店にリニューアルされました。ほとんどのスタッフが「これではお客様が入りにくい」と後ろ向きなコメントをしていましたが、社長だけが唯一「この場所から、どのお客様が入ってくるのかを見るのが好きだ」とポジティブなコメントを店内の黒いソファーに座りながら言っていました。

つまり、お店をブラックにしたのは、より高級なブランドを誘致するためだと言うのです。視点はお客様ではなく、ハイブランドの方だったのです?! これぞ、ブランディングの考え方です。そして実際に、社長が狙っていたブランドが入荷されたことに、全ては戦略通りだと驚きました。まるで風を読む徳川家康のようです。

続く…

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■編集後記

独立してから何度も話してきた話なので、サラサラと書いています。英会話の二人の先生に、続きが読みたいと言われているので、これから連載していきます!

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