大陸の仏さまたち
東京国立博物館の東洋館にはアジアの美術品がたくさん展示されています。
何度か訪れるうちに、外国の仏さま達とも、だんだんと馴染み深くなってきたような。そのためか、昨日はお顔の様子がとても印象的に感じられて、どうしてこんなにもカッコ良いんだろうと思いました。
中国の仏さまは丸くふくよかで、そしてインド、パキスタンと西に行くほどに彫りの深い端正な面持ち。
6世紀の日本列島へ、こうした仏さまと一緒に仏教がやってきた時に、古代の日本人が「なんて、綺羅綺羅しい!」と衝撃的に思った気持ちが、分かるような気がします。
仏さまは耳たぶがとても長いのですが、インドのクシャーン朝の仏さまの耳たぶには穴が空いているので、おそらく耳飾りがあったのでしょう。
そして、この菩薩さまの両方の耳たぶからは獅子のような獣が顔を覗かせています。猛獣のごとく、やってくる「声」に対して威嚇しガブッと捕える耳。
「聞く」という行為は「主体的受け身」ではあるけれど、こういう耳の人には嘘は決して言えないと思う。
邪悪な声を寄せ付けない耳。耳飾りの源流はこういうことだったのですね。
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