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My Favorite Book 〜『火車』篇〜

 どもです、御子柴です。

 ……何かタイトルの雰囲気がいつもと違いますね。

 過去3回の書籍紹介はいずれもライトノベル(『幼なじみが絶対に負けないラブコメ』、『あなたのことを、嫌いになるから。』、『塩対応の佐藤さんが俺にだけ甘い』)でしたが、今回はいわゆる一般文芸。しかも、社会派ミステリです。

 

 こちら。

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『火車』

 大好きな作家のひとり、宮部みゆき先生の山本周五郎賞受賞作品。

 実は私、どちらかと言えばこういうタイプの小説が好きです。
 ミステリーとか、社会派サスペンスとか。
 ……ホラーは、あんまり読まないんですけど、何冊か持ってはいます。

 ライトノベルでも、純愛だったりラブコメが多いですけど、いわゆる『日常の謎』とか『コージーミステリ』とか、そういうちょっとした謎解きめいたモノがある作品を好む傾向があります。

 何を隠そう、母親の影響なんですよねえ。
 この『火車』をはじめとして、『人質カノン』とか、『蒲生邸事件』とか、『模倣犯』とか。好きな作品多いです。

 他にも、母親の影響で言えば、赤川次郎先生もかなぁ。
 今度は赤川先生のにしてみようか。

 

 

 

 さて。

 本作のテーマは、「カード破産」。

 休職中の刑事・本間俊介《ほんま・しゅんすけ》が主人公。


 自分の婚約者の行方を調べてくれ、と遠縁の男性に頼まれて、いろいろ調べていくうちに、どうにも不可思議なことに気付かされていくわけです、この本間さん。

 たとえばですか?
 別にね、その婚約者が自分の意思で雲隠れした、とかその辺は良いんですよ(良かぁねえだろ)。

 徹底的に自分の痕跡を消して、居なくなった、ってところがなかなかに不審。
 ふらっと失踪する人間、ふつうはそこまで自分の周囲にあったものに頓着しませんよね。その人だけがふわっと、この世から消えて無くなったみたいな風になるのが自然。まるで最初からこの世に居なかったみたいな風にはしないはずなのです。

 

 この作品の醍醐味はやっぱり、見え隠れし始めるその凄惨な真相に少しずつ触れていく、おどろおどろしさを書ききっているところ、ですかね。
 見えない箱の中に手を突っ込まされて、中を探ってもなかなかそのブツに触れないもどかしさと恐ろしさ。そんな感じがしてます。

 何より好きなのは、この物語の幕の引き方。
 これはもう、ぜひ最後までお読みくださいよ、と。

 

 ということで、今回はライトノベルではない作品の紹介もしてみました
(有名どころですけどね)。

 今後はマンガとか映画とか、いろいろな芸術作品もどかどかと紹介していきたいですね。

 みなさん、家でいろいろと楽しめるチャンスですからね。
 そう。これはチャンスなんです。
 逃してはいけません。

 

 それでは。




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