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はるるん、海を渡る

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重症心身障害児として生まれ、盲目で車椅子が必須のハルが、家族とともにどこへでも出かけ、登山にも海にも行き、そうしてついに、家族と一緒に海を越えてインドにやってきた。インドでの彼女…
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#特別支援教育

当たり前の、ウラガワで

当たり前の、ウラガワで

朝起きると、ブリキ缶のようにベコベコと音がした。
ような気がした。
疲れているのかもしれない。

あわててここ数日を振り返る。
少し前に、普段海外に住んでいる夫と次女が急に帰国して、10日ほど滞在した。滞在中、夫は私に代わってせっせと料理をし、家事も分担してくれた。分担というか、リモートワークをしながらほとんどの家事を夫が担って私はぐーたら。

それなのに疲れてるとかそんなわけあるかい、と思うでし

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「特別支援教育」は特別なままなのか

「特別支援教育」は特別なままなのか

さて、前回の記事で、障害や特性に関係なく、地域の学校に多様な子どもたちが通えることの意義に触れて書いた。

はい。わかってます、あくまで理想です。
現状においては、校舎の問題、教育カリキュラムの問題、教員配置の問題など、ありとあらゆる点において、多様な子どもたちを地域の学校に受け入れる準備は到底十分とは言えない。だからこそ、現時点では副学籍制度に期待する部分が大きいのだけれど、副学籍制度においても

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母、揺れる 〜重症心身障害児のリハビリと教育のあり方 in インド〜

母、揺れる 〜重症心身障害児のリハビリと教育のあり方 in インド〜

前回の記事で、ハルのリハビリを巡っての方向性で今通っている学校と目標が共有できない悩みを書いた。

そこで、リハビリの強引なやり方や歩くことを最善とする目標設定の仕方が本当にインド特有のものなのか、他のインドの小児リハビリを見てみたい、と思って母は行動に出た。

レインボー・チルドレンズ・ホスピタルのリハビリまず頭に浮かんだのは、かかりつけの病院のリハビリである。この病院の整形外科医は私達と近い考

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