秋草瑠衣子

演出家・脚本家・俳優の秋草瑠衣子です。 文化庁の海外研修でフランスに滞在していた頃の文…

秋草瑠衣子

演出家・脚本家・俳優の秋草瑠衣子です。 文化庁の海外研修でフランスに滞在していた頃の文章や David Bowieについての文章を載せています。 たまに多摩美術大学映像演劇学科時代のレポートも載せます。 (長期舞台出演の時などは特別レポートを書くことで単位取得してました)

マガジン

  • フランス滞在中の認め

    文化庁新進芸術家海外研修制度でパリに演劇留学中に書いていた文章です。

  • 大学レポート

    多摩美大学時代のレポートの内容をまとめています。

  • David Bowieに会いに行く

    大学院時代、修士論文の代わりに書いたエッセイ。David Bowieの身体性について論文を書き始めた矢先に彼が亡くなってしまい、呆然と立ち尽くした私は居ても立っても居られなかった。

最近の記事

お点前デビュー日511

両親が大好きだった【お茶】のことが知りたくて、昨年から少しずつ習い始めたお茶でしたが、本腰を入れて稽古を始めたのは先月から…。 本日の稽古で、やっと風炉点前デビューしました。といいますか、お恥ずかしながら私はこれまで客点前ばかりで、お点前自体のデビューでした。とても感動したので、ここに記しておきます。とても些細な私事ですし、文書も数年後の自分が読み返すための素文ですので、もし読んで下さっている奇特な方がいらっしゃいましたら、ご容赦くださいませ。 2022年5月11日 今日

    • パリ生活vol.3 「パリに来て1ヶ月が経った。フランスと日本の演劇について」

      2017年当時の文章をそのまま載せています。 今よりもさらに未熟でお恥ずかしいですが、留学の記録として。 ――――――――― 2017年10月21日 パリに来て1ヶ月が経った。超長文です。 強くならなきゃと思っていた。 面白くならなきゃと思っていた。 思ってなるものではないことに今さら気付いた。 素直に、正直に、心が動くものを選んでいけば後悔はしない。 「強い」も「面白い」もよく分からない。各人の価値観による不明確なものは追いかけても仕方ない。 私が好きだと思える私を選択

      • アウシュビッツ強制収容所に行った話

        パリがまたバカンス期間に入ったので学校も休み。ポーランドまでアウシュヴィッツ強制収容所を見学しに行きました。 過去を自分なりに正しく知ることは、現在自分がどこにいるのか知るための大切な行為であると感じました。「恐い」とか「悲しい」とかそんな感情に浸る暇はなく、現実を受け入れ何故こうなったのか、今私はどんな流れの中にいて、日々感じる違和感はどうしてで、その違和感にはどんな危険性があって、自分なりに正しく生きていくためにどうするべきなのか、ぐるんぐるん考え続けていました。今も考

        • 心友、阿部定への考察

          2015年当時の文章をそのまま載せています。 今よりもさらに未熟でお恥ずかしいですが、大学時代の記録として。 ーーーーーーー 映画「SADA」の製作を終えて                         三年間ずっとこの企画を考えて制作していた間、常に私の中には阿部定が存在しているように感じていた。 この作品を完成させてしまったら、ずっと一緒にいた阿部定が私の中からいなくなってしまうような気がした。しかし、実際に完成させた今は以前よりも近くに彼女を感じている。 まるで親

        お点前デビュー日511

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        • フランス滞在中の認め
          6本
        • 大学レポート
          2本
        • David Bowieに会いに行く
          4本

        記事

          パリ演劇留学「なんでパリなのか。パリのどこで何してたのか。」

           そもそもパリ演劇留学について  パリでの生活をまとめる前に 演劇留学では日々どんなところでどんなことをしていたのか書いておこうと思いました。今更ぁ  私は2017年度文化庁新人芸術家海外研修制度に採択されてフランスへ演劇留学しました。 制度の詳細は文化庁のHPで https://www.bunka.go.jp/seisaku/geijutsubunka/shinshin/kenshu/ 主な研修先は ジャック・ルコック国際演劇学校 http://www.ec

          パリ演劇留学「なんでパリなのか。パリのどこで何してたのか。」

          ボウイが青春を過ごしたブロムリー

          2016年10月3日 今日は朝から近所のホットヨガに行くと決めている。 昨日の夜はこのホットヨガスタジオのHPを見ながら眠ってしまった。 なんだか12時間飛行機に揺られてから体の重たさが抜けないのでヨガでなんとかしようと思う。そしてヨガが終わったら、ボウイが小学校時代から高校時代を過ごした実家があった街ブロムリーと、一人目の妻アンジーと結婚し息子ゾーイを育て、70年代後半にロンドンを離れるまで暮らしていたベッケナムへ行こう。 ホットヨガは汗を大量にかくので、化粧をして行けな

          ボウイが青春を過ごしたブロムリー

          ボウイが生まれた街、ブリクストン

          2016年10月2日 晴れた。ロンドンは東京に比べてだいぶ寒い。 マフラーを持って来ておいて良かった。 新鮮な気持ちで彼の出生地へ赴くために、前日からボウイの曲を聞くことを やめている。滞在先からブリクストンは電車で30分くらいらしい。 最寄り駅までにホットコーヒーでも買って行こう。 コーヒーは無事に買えたのだが、せっかくなので寄り道をしてから向かうことにする。パンクロックの街として有名なカムデンタウンに立ち寄る。噂には聞いていたが、日曜日だということもあり凄い人ごみだ。

          ボウイが生まれた街、ブリクストン

          パリ生活vol.2「パリの銭湯⁉“公共の風呂”に行ってみた」

          2017年当時の文章をそのまま載せています。 今よりもさらに未熟でお恥ずかしいですが、留学の記録として。 ーーーーーーー 2017年10月4日 なんと。引っ越し当日から水漏れ問題で家の風呂が使えないという事件発生。 パリに銭湯なんてあるのかしらん?と思って調べたら、直訳すると「公共の風呂」ってやつがある。なんと20分シャワーが無料だそうだ。どうやって生計立ててんだ?…と、こうすぐ生計の立て方を気にする日本人。 で、行ってみる。 ちゃんとパリ中の「公共の風呂」を調べ

          パリ生活vol.2「パリの銭湯⁉“公共の風呂”に行ってみた」

          いざイギリスへ「ア イ ラブ デベッ、バウイー」

          2016年10月1日 私は今からボウイの故郷であるイギリスはロンドンへ彼を探す旅に出る。 成田空港は異様に空いている。何も待たずに出国審査を終わらせた。 免税店で煙草のカートンを買う。海外に行く時は恒例だが、今回の銘柄は絶対に赤のマールボロなのだ。ボウイが好きだった煙草だ。どうでも良いようなことが重要なのだ。彼が私と同じぐらいの世代の頃に過ごした街、ブロムリーで赤マルを吸うことが重要なのだ。私はロックスターたるもの、フィルターが茶色の煙草を吸っていてほしい と思ってい

          いざイギリスへ「ア イ ラブ デベッ、バウイー」

          はじめに

          2016年1月10日 デヴィッド・ボウイが亡くなった。 2日前の彼の69回目の誕生日に新しいアルバム『★』が世界で発売されたばかりだった。 15年前の夏、15歳だった私はボウイの存在を知った日から彼の表現する全てに憧れた。 音楽にも容姿にもライブパフォーマンスにも俳優としての演技にも全てに惹かれ続けた。 大学に入学し、授業で“好きな表現者についてプレゼンする”という課題が出された時も迷わずボウイのことをプレゼンしたし、大学院に入ったときから論文はボウイについて書こうと

          パリ生活vol.1「野菜の買い方が分からずレジのお姉さんが怖かった」

          2017年当時の文章をそのまま載せています。 今よりもさらに未熟でお恥ずかしいですが、留学の記録として。 ーーーーー 2017年9月22日 フランスでの生活が始まった。 まずは15区にあるシェアハウスで約2週間。 初夜から洗礼受けました。スーパーのレジ打ちのお姉ちゃん怖すぎ。 分からなかったのよ。野菜の買い方。 日本だとカゴにそのまま野菜入れておけば、レジで打ってくれるじゃない。 でもこっちだと野菜コーナーで自分で測ってバーコードのシールを発行してそれを貼って持ってい

          パリ生活vol.1「野菜の買い方が分からずレジのお姉さんが怖かった」

          劇場文化論 「歌舞伎と宝塚」

          2013年当時の文章をそのまま載せています。 今よりもさらに未熟でお恥ずかしいですが、大学時代の記録として。 ーーーーー 劇場文化論レポート 「歌舞伎と宝塚」        歌舞伎と宝塚歌劇との最大の特徴、そして最大の異なる点は ・歌舞伎は男性が女性まで演じる男性だけの舞台。 ・宝塚は女性が男性まで演じる女性だけの舞台。 という点だろう。 それに加えて歌舞伎は幼少時代から既婚後、親子三代で舞台に立つという役者もいるが宝塚は20歳前後の年齢からの未婚女性しか舞台に立つ事

          劇場文化論 「歌舞伎と宝塚」