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【本当にあった怖くない話】「コンビニ」

どうも、RUDDERです。
暑い季節になってまいりました。こんな時はぞっとしない話で冷涼感を味わうとしましょう。
※怖いのが苦手という方は、読んでも大丈夫です。

「コンビニ」

あれは、数年前の夏の夜のことです。その夜は熱帯夜で蒸し暑く、中々寝付けない僕は、冷たい飲み物でも飲もうと冷蔵庫を開いたわけですが、中はほとんどカラ。こんな時は炭酸でも飲んでスカッとしたいな、と思ってコーラでも買おうと、一人でコンビニへ向かいました。

自分の家からコンビニまで、決して近いというわけではありません。歩いて10分はかかるでしょうか。田舎なので電灯もほとんどなく、真っ暗闇と綺麗な星空の中、住宅街を抜けコンビニへと向かいます。

僕は決して霊感があるというタイプではなく、今まで何か怖い体験をした覚えもありません。しかし、その日は何か違うようでいつも通りでした。普通に一人で歩いているだけなのに、なぜか誰かの視線を感じるようで感じません。心なしか足音も聞こえません。

自分が歩くと、それに合わせて足音も鳴らないのです。
ザッ、、、ザッ、、、、。何か、スニーカーとかではない、例えるなら草履を擦るような音が聞こえてきたら怖いなと思いながら、ごまかすように口笛を吹いて歩きます。

ヒュー、、、。震える唇は、うまく音を出してくれません。
(もし、誰かが後ろにいたら、、、!)
FBIのスパイになった時のことを考え、尾行をまく練習をしようと背後の気配に集中していたその時です。

テレレレ、テテッテ、テレレレレーー!!

大きな電子音が僕の耳をつんざきました!
体が震えているのが分かります。タイトルの写真は明らかにセ○ンイレブンなのに、この音は明らかにファ○リーマートです!
しかも、熱帯夜のはずなのに、冷気を感じます。
気づかないうちにコンビニの店内に入ってしまっていたのだと、僕は直感しました。

クーラーが効きすぎているのでしょう。僕の体は寒さを訴えてきます。

(早くここから出ないと!)

震える手で店内の冷蔵庫からコーラを取り出し、そのまま真っ直ぐレジへ。

「148円になります。」店員がいいます。

(148円、148円っと、、、)
僕はぴったり払えると思い100円玉を1枚、10円玉を4枚、トレーに乗せます。
(あと8円、、、)
震える手でゆっくりと、財布の小銭入れから一枚ずつ1円玉を取り出していきます。
1枚、2枚、3枚、、、、、

そして7枚まで出し終え、最後の8枚目を出そうとしたその時、気づいてしまったんです。

(1円玉が足りない、、、、、!)

「あはは、た、足りなかったな〜、いやあ、ぴったりあると思ったのにな〜、ははは」
店員に言い訳しながら、せっかく出した1円玉をそそくさと戻す僕。
すごい恥ずかしいというわけではないけれど、なんとなく気まずい空気が流れ、僕は一抹の羞恥心を覚えます。
支払いにてこずる僕を見る店員の目は、心なしか冷たく見えました、、、。


そのあとのことを僕はよく覚えていません。
急いで帰った僕は、ちょっとした恥ずかしさでコーラも飲まずに、すぐに寝てしまったように思います。

あれから、何かが変わったというわけではありません。しかし、今でもコンビニに行くときに、あの日のことを思い出してしまうのです。


あの、暑い夜のことを。


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