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『わたしを離さないで』

『わたしを離さないで』
カズオ・イシグロ著

(再読版)

物語は、主人公のキャシー・Hは、孤児院の友人たちと一緒に、生き方を模索する。孤児院の子供達は、次第に自分たちがどのような運命に置かれているのかを知る。彼らは粛々と、死ぬ運命を受け入れつつも、希望を捨てずに生きる、という話。

普通の教育を受けているのだから、自分の運命を知ると発狂するものではないのだろうか?とか、思ってしまったのだけど。
クローン人間は、生殖機能を持たない。そうすると、究極的には、「生」への執着は、小さくなってしまうものなのか?

まあ、実際の社会も究極的には、似たようなものなのかもしれないが、、、社会の不合理を粛々と受け止めて、前向きに暮らしている訳だからね。

さて、本作品は、『約束のネバーランド』と似たような設定だと言われてる。

『約束のネバーランド』では、主人公たちは「食料」として殺される運命にあるが、彼らはその運命から逃れるために立ち上がる。一方、『わたしを離さないで』には、『約束のネバーランド』のように誰かをやっつけるわけでも、不合理な状況から逃げるわけでもない。

真の敵は、何なのか?恐ろしいものは、何なのか?を考えさせるあたりがノーベル文学賞なのかなぁと思ったりした。

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