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【読書ノート】『二人家族』

『二人家族』(『生命式』より)
村田沙耶香著
『真夏の夜の口付け』の続編


菊枝は癌に罹っている。生命には問題ないらしい。そこへ芳子が見舞いに来る。

二人は30歳を境に同居をするようになった。精子バンクから精子を購入して、人工受精で、子供を授かる。芳子は、女の子二人、菊枝は、一人。5人家族として今までやってきた。子供たちはそれぞれ独立して、今は、元の二人家族に戻った。

キーワードを上げる。

①癌

1. 人間の苦悩と死への直面: 癌は人々に深い苦しみや困難をもたらす病気であり、個人やその家族にとって死との直面をもたらす。哲学的には、癌は人間の存在の脆さや終わりの証として捉えられる。

2. 因果関係と偶然性の哲学: 癌は遺伝や環境要因などさまざまな要素によって引き起こされる。このような偶然性や因果関係の哲学的な考察は、人生の希望や運命についての問いにつながる。

3. 生命の有限性と意味への探求: 癌を通じて、人々は自身の生命の有限性や生の意味について深く考える。癌を経験することで、人間の存在の脆さや生きるべき価値の再評価が生じる。

②藍色のノート

1. 知識と学び: ノートは学習や知識の象徴であり、藍色のノートは新しい情報や知識の探求を象徴する可能性があります。

2. 記憶と過去: ノートは記憶や過去を保存する道具であり、藍色はしばしば感情、穏やかさ、または平和を象徴します。したがって、藍色のノートは平穏な過去や重要な記憶を象徴する可能性があります。

3. 内的な真理: 藍色はしばしば精神、霊性、あるいは内的な真理と関連付けられます。したがって、藍色のノートは自己理解や内面への旅を象徴するかもしれません。

キーワードから見えてくること。
人生は、有限である。その有限の人生には、偶発的な出来事で満ちている。家族は、男女から生まれるものだったのだけど、人工受精という技術が確立されてくると、性別によるバリアは無くなってくる。

この世界観は、新鮮だなあと思った。

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