見出し画像

【読書ノート】『ほむら』(『あとかた』より)

『ほむら』(『あとかた』より)
千早茜著


主人公の私は、5年も同棲している恋人がいる。ある日彼から、「かたちだけのことだから」と言われながら、プロポーズされる。そんな時、別の既婚者と肉体関係を持ってしまう。

タイトル「ほむら(≒炎)」
変化と再生を象徴すると考えられている。炎は物を焼き尽くし、旧いものを破壊することで新しい生命を生み出す。これは物理的な現象だけでなく、精神的、霊的な成長や変化をも示唆する。

また、炎は情熱、エネルギー、意欲を象徴し、人間の意欲や欲求のメタファーとして使われる。炎が燃え上がるように、人間の情熱や意欲も燃え上がる。

さらに、炎は光と熱を放つため、知識や啓示の象徴ともされる。闇を照らす炎は真理への道を示し、知識の探求を助ける。

しかし、炎は同時に破壊的な側面も持ち合わせている。制御不能になった炎は大きな破壊をもたらし、これは人間の欲望が制御不能になった時の警告とも考えられる。

以上のように、炎は変化、再生、情熱、知識、破壊など、多様な哲学的な意味を持つ象徴的な言葉。

物語の主題は何か?
マリッジブルーというのは、どんなことか?というテーマなのだと思った。人間はあまり意識しないのだけど、現実は常に変化の過程にある。誕生日や、新学期を迎えると何か大きな変化を意識してしまう。女性にとって、プロポーズを受けることも大きな変化を意識させられる出来事のひとつに違いない。変化を意識してしまうと、恐怖を感じるものだね。

まあ、ひとは、物理的にはひたすら、死に向かって日々変化しているわけで、変化することを恐れても仕方のないことだと理解した。

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?