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【読書ノート】『不幸の種』(『さがしもの』より)

『不幸の種』(『さがしもの』より)
角田光代著



付き合っていた「彼」は、よりによって、私の親友のみなみに乗り換えた。そして、私は失恋の淵に立たされることになる。それ以降、私は不運が続く。占い師の教示によると、不幸の源は私の部屋に存在しているとのこと。私は、不幸をもたらしている元凶はそのある一冊の本だと確信した。その本はかつて「彼」が読み耽ったものだった...。

「私」は不幸の種本を「彼」に渡すように申し送って、みなみに渡した。ところが、みなみは、その本を「彼」に渡すことなく、自身で愛読して、様々な不幸に見舞われる。でも、みなみは、不幸と思うことはなかった。そして、人生の経験によって本の内容は、変わるということを語る。本は読み手の心の成長とともに解釈が変わる鏡であり、再読の楽しみとなる。みなみも自らの経験を不幸ではなく成長の機会と捉えており、その心の成長が本を理解するための鍵となっている。「私」は再び本を受け取り、本と向き合いながら成長を続けることを決意する。

物語の主題は?

人生って、常に変化の過程にあるということなのだと思った。良いことも、悪いこともすべて、人生の一部であって、不幸に焦点を当てることに大きな意味はない。

人間万事塞翁が馬みたいな理解をした。

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