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【読書ノート】『旅をあきらめた友と、その母への手紙』(『さいはての彼女』より)

『旅をあきらめた友と、その母への手紙』(『さいはての彼女』より)
原田マハ著


バリバリ働き、彼しとは、計画的に38歳までに結婚して、40歳で、部長になって、43歳までに子供も産んで、母を呼び寄せて、子どもの面倒を見てもらう。自分は、さらに、出世するのだ!という夢を目指してまっしぐらに突っ走ってきた主人公(「ハグ」)なのだけど、彼と別れてしまうと、会社でも、トラブルが起こって、会社も辞めることになって、ドン底状態の時、ナガラから、旅に誘われる。それからは、ハグは、徐々に自分を取り戻して、フリーランスとしての仕事も再開し、定期的にナガラとの二人旅を楽しむようになっていた。ハグは、一人で修善寺の高級旅館に現れるところから物語は、始まる。


本書の主題は何か?
究極的には、人生は旅なのだということなんだと理解した。

修善寺は、山の天気なのでころころ変わる。この辺は、地理的に雨が降りやすくて、ジメジメしている。晴れたかと思うと、雨がさーっと通るのだという。まるで、ハグの人生を彷彿させられた。


"人生は旅である"という言葉は、哲学的には、私たちの生命体験のすべてが一種の旅行であるという考えなのだと思う。物理的な移動だけではなく、成長すること、変化することを意味している。

このメタファーは、人生の経験を旅に喩え、それぞれの経験が人生の一部としてどのようにつながっているかを理解するための道具としてよく使われる。つまり、起点(生まれ)から終点(死)までの間、人は絶えず学び、成長し、変わり続けるという考え方。

また、旅は困難や挑戦、予期せぬ出来事、新しい出会いといった経験を伴う。これは人生の不確定性や困難を象徴し、それらを乗り越えて進むことで、私たちは自己を成長させ、理解を深めることができるという視点が、示されている。

更に、"人生は旅である"という視点は、目的地に着くことだけが重要ではなく、旅そのものの中での経験や学びが重要であるという考えを強調する。これは、「過程を大切にする」という哲学的な考え方とも繋がる。

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