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【読書ノート】『変身』

『変身』
東野圭吾著


主人公成瀬純一が、拳銃で頭部を撃たれたところから物語は、始まる。

難手術の末、奇跡的に生き延びた成瀬は、日常生活に戻ると、様々な違和感を覚える。

付き合っていた彼女(恵)のことを愛せなくなり、職場の人間関係もギクシャクする。

成瀬は自己の正体とドナーに関する真実を追求していくと、世界初の脳移植手術を受けていたことを知る。臓器の提供者は、成瀬に発砲した犯人だった。次第に、成瀬の精神世界の中で、臓器提供者京極瞬介の領域が次第にひろがって、成瀬の領域がなくなっていく。

物語の主題は何か?
生きるということはどういうことなのか?ということなのだろう。

ひとの身体には無駄な部分はないのだろうなあと改めて思わされた。頭の先か、つま先まで、全てをひっくるめて一人の人間なのだろう。

よく、心臓移植で性格が変わったみたいな話をニュースで見たことがあったけど、すべての臓器に個別の性質があるものだろうなあ。

なかなか、衝撃的な物語だった。

物語の中では、成瀬は自分の過去の記憶が薄れていって性格も凶暴になっていく状況に気づくと生きる価値がなくなるような悩みを抱えていたのだけど、、そうかもしれないのだけど、それでも、生きたいと思うものなのでは無いか?とか、思った。

今後も、最先端医療は、IPS細胞で臓器を作るとか、豚の臓器をひとに移植するような話を聞くと、恐ろしくもなるのだけど、それでも、生きることが許される限り生きていたいとは思ってしまうのだけどね。

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