現代の子供は冷めてる?
ゆとり世代の次は、さとり世代というらしいですね。こういったラベル付けはいつの時代にも存在します。僕がこの仕事を始めた頃は、子どもたちが「冷めている」という話を度々耳にしました。
本当に冷めていたのかというと、疑わしいです。当時、すでに『ONE PIECE』がとんでもなく売れていました。『ONE PIECE』を読んだことがある人は分かると思いますが、とても熱い内容です。主人公は、仲間のためにすごい力を発揮して相手を倒します。これが子ども達に人気なのですから、心の中に熱いものを持っている表れでもあります。冷めているように見えるのは、表現方法の違いではないでしょうか。
さとり世代は、現実主義で無理をしないそうですね。一方で、『鬼滅の刃』が社会現象になるほど人気になったのは、真逆のように感じます。主人公が、他人のために損得勘定抜きに頑張る姿に共感を覚えた人が多いということです。
こういったラベル付けは、ざっくり理解するのには役立ちますが、一面的とも言えます。もちろん個々にも違いますが、1人の人間の中にも色んな面があり複雑ですから、かえって分かりにくくもしています。
企業で講演をすると、少し前までゆとり世代の取り扱いについてよく質問されました。「何を考えているのか分からない」と。ラベル付けをして、自分とは違うものと捉えてしまうと分かりづらくなりますが、「自分にもそういうことはあったんじゃないか?」と引き寄せて考えると、理解はしやすくなります。天邪鬼かもしれませんが、ラベル付けを目にしたら、そこからこぼれ落ちている部分についても考えてみるといいかもしれません。