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「耳をすませば」(実写版)を見てきてしまった話

タイトルからして不穏で申し訳ないのですが、松坂桃李くんにまんまと釣られて「耳をすませば」を見てきてしまいました。そう、見てきてしまったのです。
見てる最中で「うん、これでなんか書こう。いや、書かずにいられないわ」と思ったのでここに書くのです。勿論ネタバレありですが、それでもいいよという方お付き合いくださいませ。
キーワードは「なんでだ」!

【主題歌はカントリー・ロードではない】
うっそだろ?映画を見る前から頭の中で繰り返し流れていた「カントリー・ロード」。が、一度も流れない。初っ端から流れた主題歌は「翼をください」。EDで歌っていたのは特に出てきていない杏。なんでだ(これを書いてから「実は出てたらしい」と聞いたけど全然わからなかった。どこにいた?)。

【聖司…?】
現在(と言っても1998年の設定)雫は物語を書いても書いても芽が出ず、小さな出版社に就職して編集者になってる。まあこれは予想通り。聖司はイタリアでチェロ奏者になってた。え?君ヴァイオリン作っていたのではないのか。原作を読んでないからちゃんと知らないけど、これは原作準拠なの?と思ったけど原作は画家らしい。まあヴァイオリン職人は絵面的に地味だし、話も広げづらそうですもんね。というわけでそんな二人は遠恋中。
しかし聖司はチェロ奏者のプロ目指してイタリアに留学してから10年経っても、友人とカルテットを組んでインディーズのCDを出すのが精一杯の様子。それは「食べていけてる」状態なのだろうか。心配よ。

【イタリアなのに】
カルテットの仲間とは英語で喋っている聖司。なんでだ。(しかしこの理由は後に明らかになる)

【過去の実写化】
アニメの過去シーンが微妙に改変されて実写化されていた。中学生の彼らは……うーん。そうね。今から30年前の設定ですもんね。そんな今風にはならないよね。
大河ドラマの「軍師官兵衛」で松坂桃李くんの子供時代をやってた若山耀人くんどこいったのかなあ。出番ですよ?(遠回しにつぐ遠回しな表現で申し訳ない)
中学生聖司の「俺たち、似てるもんな」という台詞に「うるさいよ」と思ってしまって申し訳ない。雫が「物語を書いてみようかな」となった時に「俺が最初の読者になってやるよ」と恩着せがましいことを言ったり、中学生聖司が本当に嫌なやつでびっくりした。
そして途中で気づいたけど、そういえばわたしはジブリ版でも雫は好きじゃなかった。道理で実写も「めんどくさい女だな」と思ってしまったわけだ。ごめんね。

【バロンを粗末に扱うな】
個人的に一番ひっかかったのがここで、現在の雫が聖司のおじいさんと話しながらバロンをひょいっと気軽に持ち上げたのが許せなかった。同じことをした中学生聖司は孫だから一万歩譲って許すとしても、おじいさんにとってバロンがどんな意味を持つかを知っている他人が軽々しく触る、まして持ち上げるなんて絶対出来ないはずだ。むかぷん。

【イタリア、来ちゃった】
もう25歳で友人たちはどんどん結婚していくし仕事も行き詰まるし遠距離恋愛という煮え切らない状態に耐えきれず、イタリアに行った雫。
来るのがわかっているのに、特に空港に迎えに行ったりはしない聖司。雫は既に何回か行ったことあるのかな?その割に雫は「地球の歩き方」を見ながら歩いてたりして、相当危ない。イタリアはスリが多いと聞いたけど大丈夫なのだろうか。
結局聖司の練習が終わってあたりが暗くなってから、聖司の家の近くで待ち合わせ。治安!治安大丈夫!?

聖司「荷物は?」
雫「ホテルに置いてきた」

馬鹿野郎、社会人の彼氏彼女でしょ!?彼氏一人暮らしでしょ(しかも結構広い家)!?なにホテルなんか取らせてるんだよこの甲斐性なし!
レストランでの夕食後にやっと聖司が「このあと、俺の部屋にこない?」と言ったけど、そんなんホテル取る前に言ってやれ。ほんとにもう!でも松坂桃李くんだから許す。
あと雫は室内でも頑として赤いコートを脱がない。演出の問題(聖司のチェロで「翼をください」を歌う場面を過去とリンクさせるため、過去の赤セーターと現在の赤コートの色を合わせた)なんだけど、「脱げよ」と思っちゃった。

【突然押しかける女】
聖司のカルテット仲間の紅一点は聖司に惚れていたらしい。松坂桃李くんですもの。わかる。じゃなくて、日本から彼女がきていると判明したので夜中に急遽聖司の部屋に乗り込んで直接対決に持ち込んできた。あーこのために雫を聖司の部屋に来させたのね。そしてこの場面のために言語を英語にしたのね。英語なら雫が理解できてもおかしくないけど、イタリア語では多分ポカンですもんね。
ってとんだご都合主義だよもう。
「あなたに聖司のなにがわかるの」的なことを言われて、夜のローマの街に飛び出していく雫。だから!ここは日本じゃないの!治安は大丈夫なのほんとにー!

【手紙?】
その後何があったのかよくわからなかったけど日本に帰ってきて友人に「聖司と別れてきた」という雫。ああそうなの。うーんでもさ聖司、お前15から25歳の女の10年を棒に振らせたのはいかなイケメンと言えど万死に値するぜ?
そして筆を折る決意もして、失意にくれる雫のもとに届いた一通の手紙。差出人は天沢聖司。ですよね!しかしその内容は「夢を諦めるな」というフワッとした内容。
ばかっお前、今後の生活とか色々考えて現実方向に舵を切ろうとしている元カノに何言ってやがる。つうか別れたんならお前にそんなことを言う資格はないので黙っていなさいよほんとにもー!

【しかし】
細かいこと忘れたけど、とにかくその手紙のおかげで「耳をすませば」という小説を書き上げる雫。朝方に書き上げたところでカーテンの外を見ると、窓の外には聖司。やっぱりいたよ!さすが年季の入ったストーカーは違う。
で、あとはまあお察しの展開。10年前も今も「結婚しよう!」で押し切る聖司、お前ほんとなんなんだ。

そんな映画でした。いやー、ツッコミ疲れた。
他のお客さんが「見たかったのは『その先』だったのよねえ…」と言っていたのが印象的でした。
色々書いたけど、松坂桃李くんが白シャツでチェロを弾くところは素敵でした。
やったね。

(終)

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