ロクデナシ 〜ネットストーカー地獄編~ 5.キスしてほしい(トゥー・トゥー・トゥー)

 おじさんがブルースのURLを貼り付ける。名無しが邦楽ロックを貼り付ける。まるで昨日のできごとがなかったかのように平和にスレッドは進行する。僕も固定ハンドルネームで騒いだり名無しで反応したりして楽しむ。美樹本のブログを開く。
「普通に生活していたら絶対に遭遇しない非常に危ないのが、どこにも行き場がなくて匿名掲示板で一人でハンドルネームを使い分けて騒いでる。今、誰からも相手にされなくなって、それでもまだしがみついている。いいことである。俺がそこを見なければいいだけだ。それで、俺が、不愉快になることもない。あまり俺への誹謗中傷が過ぎれば刑事告訴するのもやむなしだが、それはそれで面白い。人格障害のネットゾンビを引きずり出す」
 相変わらず僕へのメッセージ。
「文芸同好会「柱の会」はメンバーを募集しています。小説を書いたことがない人でも、文章のプロの入り口に立つ私がマンツーマンで指導します」
 文章の異プロの入り口というのが謙虚さを出している。書いてネット上に晒しているだけで誰からも評価されていない事実をわかっているのだろう。なんの結果も残していない人間がなにを指導できるのか不思議だ。
 そのあとに同人誌のメンバー募集。相変わらずで微笑ましい。僕は名無しでURLを貼り付け、「美樹本、文章のプロになったってよ」と書き込んだ。文章のプロというワードの強さに僕以外の名無しも反応する。が、基本平和で進行する。
 夕方になって陽子がやってきた。
「今日は仕事が立て込んでました。ではここで一曲」
 陽子が貼り付けたのは80年代にヒットを飛ばしたパンクバンドで、僕はバンドのファンなので嬉しくなってしまい名無しで反応した。おじさんもやってきて和気あいあいとした雰囲気が続く。こののんびりとした空気は陽子とおじさんのキャラクターのおかげなのかもしれない。この流れがずっと続けばいいのにと思っていたら、美樹本がやってきた。
「こんばんわ。同僚に「同人誌を作ってるんだけど」と言うと「完成したら買うよ」と言われました。ミンナで力を合わせて成功させましょう。陽子さん、仕事をしなくても文芸だけで食っていけるまで私が責任を持ってサポートさせていただきます」
 文芸だけで食っていけていない美樹本がどう責任を持ってサポートするのか不思議だ。
「匿名掲示板引退しますって言ったのに」
「引退するではなく卒業します、です。匿名掲示板でのサポートも終了します。で、今、俺がなぜここに書いているかというと、「それはやっぱり陽子さんが心配だから」というだけです。女性がピンチの中頑張っているなら、もちろんそれを手助けするのが男の俺の役割なのです。女性を守るのが男の役割なのです」
「心配って、なにが心配なわけ?」
「れつだんとか多数の名無しとか、女性を食い物にする女衒が蔓延るスレッドでか弱き若い女性がいじめられているのは、見ていて腹が立ちますしとても不快なのです」
「別にいじめられてなくね? 和気あいあいとやってんじゃん。というかお前が来たら荒れるんだけど」
「いやいや、俺が鬱陶しくて邪魔で見たくないのなら、君が別のスレに行って、「美樹本はおかしい」って言い続ければいいのでは? 俺はこのスレにコンセプトワークを残してますので俺のスレなのです。というか、名前も作品もない名無しになにを言われても別に興味なしという感じで、無関係無関心を貫くだけなのです」
「ここにいたいならせめて、れつだん攻撃と陽子口説きをやめとけよ。みっともないぞ、50前の大の大人が」
「れつだんに関しては私は被害者なので、あなたに指図される謂れはない。未だにれつだんからの謝罪は貰ってませんし。俺って陽子さんに口説いたかな? 女性としての好意ではなく、このスレッドのコンセプトワークの協力者として、バーのマスターとして、陽子さんをサポートしているだけなのですが。俺が陽子さんに惚れているってことにしたいんだね」
「れつだんの小説なんか読む気にならないし今後も読まない。読まなくても低次元なのは書き込みを見てわかる。まあ若い頃ってのは自分が特別だと思うものだ。自分には才能があると思ってたのに、俺みたいな高レベルな書き手が現れてスレッドで女性と楽しくおしゃべりをして。それを見て羨望と嫉妬と劣等感にまみれて誹謗中傷、名誉毀損。俺はそんなのに構ってられないので、小説と絵をやって同人誌も成功させて、次のステージに行くだけです」
「れつだんの相手はしない、成功させる、ずっと言い続けてるのにできないのはなぜ?」
「シャワー浴びながら考えたこと。作家志望をシュークリームにたとえるなら、匿名掲示板で信奉されているれつだんというのは購入してから10年も経った古い冷蔵庫に、古いシュークリームが入っているだけだという。子どもは冷蔵庫を開けて、それを美味しそうだと思う。大人は古いシュークリームに見えるから、駅前のコージーコーナーに行けば新鮮なのが買えると知ってる。だから俺は古いシュークリームは拒否して、コージーコーナーでたくさん並んでる美味しそうなシュークリームを選ぶ」
「言っていることがさっぱり理解できないのは俺だけか?」
「美樹本は一度、自分の書き込みや小説を声に出して読め。おかしいと気づけ」
「匿名掲示板ができて10年以上になるけど、OSのバージョンは98か2000かな。俺は10使ってるけど。だから俺の言ってることが理解できないんだと思う。古いバージョンは俺のサポート外なので。最新バージョンにアップデートしないから駄目なんだよ」
 美樹本の長文を理解しようとするだけ時間の無駄なのだろう。美樹本の世界を理解できるのは美樹本だけ。それに対して真剣に反論しても明後日の返事をする。これをわざとやっているなら大したものだが。
 もう疲れてきたので「陽子はれつだんか美樹本どっちを選ぶんだ? れつだんのほうが格好よさそうだぞ。若いし」と名無しで書き込んだ。すると別の名無しが「まだれつだんのほうがまし。46歳にもなって匿名掲示板で顔も見たことない女を必死こいて口説くとかぞっとする」と反応した。
「美樹本さん、私のことは心配しなくて大丈夫です。そんな弱い女じゃないですよ(笑)音楽を貼りつけて雑談しましょう」という陽子の書き込みにおじさんが賛同しまたスレッドは平和的な流れとなった。
 陽子が貼りつけた曲におじさんがコメントし、おじさんが貼りつけた曲に陽子がコメントをする。このスレッドは美樹本がいなければ陽子とおじさん二人だけの空間となる。美樹本はそれが嫌だから荒らすのだろうか。メールやチャットルームに執拗に誘い続けるのは、二人だけで会話がしたいだけではなく、おじさんやたまに現れる名無しを締め出したいからなのか。そう考えると、美樹本が常駐する理由もわかる気がする。惚れた女が別の男に独り占めされるのは男であれば誰だって嫌だろう。
「うーん、やっぱり音楽は歌謡曲だと思う。ここで見かける洋楽とかポップスとかに魂は感じられないっていうか。音楽って魂でしょ。商業主義の音楽には魂がありません。松田聖子や河合奈保子に痺れた世代としてはちょっとね。正直、「ここに貼り付けられてる音楽ってださいよな」って思います。では一曲」
 美樹本が音楽バーという設定を崩壊させる一言を言ってしまった。それは悪手じゃないか。陽子とおじさんが自分の知らない音楽で盛り上がることに嫉妬するのはわかるが、だからといってその音楽自体を否定してしまっては元も子もない。好きな女が好きな音楽は受け入れてやらないと。自分の好きだけを一方的に押し付けるのは美樹本の悪癖だ。
 そんな僕の心配をよそに、陽子もおじさんもその発言がなかったかのように音楽談義に花を咲かせている。大人だなと思った。僕だったら反論し美樹本の音楽の趣味を批判しているだろう。美樹本の貼りつけた音楽についても無視を決め込んでいるので、少しの苛つきはあったのだろうが。
 ところが名無しがこれに噛みついた。
「まだいたのか、ストーカー」
「ストーカーはれつだん、お前だろう? いい加減俺の足を引っ張るのやめてくれないか。さっさと閉鎖病棟入院して、二度と出てくるなって」
 名無しの書き込みはすべて僕だと思いこんでいるのは、名無しにとっても都合がよいのだろう。まったく関係ないのに攻撃される僕の身にもなってほしいものだ。
 また流れが悪くなったので、固定ハンドルネームで「僕を文章のプロ美樹本先生の弟子にしてくだしゃーい!」と書き込んだが、もちろん無視。
「陽子さんからまだメールが来てない。俺がちょっと指導すればすごい書き手になるのは間違いないのに。文芸同好会に入ってもらって、そこでみんなと切磋琢磨するのが一番プロへ近い道だよ。文芸フリマも経験したほうがいい。こんな吹き溜まりでつまらない音楽談義をしてる場合じゃないでしょ。まだ匿名掲示板濃度が高いのかな。俺が濃度を薄めてやらないと。できるだけ早く、メール待ってます」
 美樹本がいつもの陽子への熱い思いを書き込むと、そのあとすぐに陽子の書き込みが表示された。
「急なご報告。私、陽子は今後公募執筆にシフトするためここへはしばらく来ません。みなさん今までありがとうございました。とくにおじさん、本当にありがとうございました。楽しかったです。みなさん、お元気で」

 陽子の突然の引退宣言にスレッドが荒れた。
 陽子は最後まで大人の対応をしていた。美樹本が鬱陶しいからやめますとは言わない。最後の最後まで大人の姿勢を崩さず、感情を顕にすることもなく去っていった。美樹本の一方的な愛から逃れるには、固定ハンドルネームを引退し匿名掲示板自体も見ないという選択肢しかなかった。なにを言っても美樹本は書き込みをやめないし、それが原因でスレッドは荒れ果てて雑談もできない。
 そんな陽子の宣言に美樹本は「やっと陽子さんも公募に向かうのですね。小説を書かない女流作家と実力のある名編集者のつもりでやっていましたが。陽子さんが戻ってくるまで私がスレッドのコンセプトワークを継承します」
 陽子が迷惑に思っていると美樹本だけが気づいていない。陽子の引退が自分のせいだとも思わないのだろう。それは陽子の引退だけではない。なにもかも自分は悪くない、周りが悪いと思い込んで自分を守っている。
 名無しも「陽子は去って正解、っていうか去るしかなかったよな」と同情的書き込みをした。もちろんそれも美樹本は理解できないのだろう。おじさんも「唯一音楽談義ができる陽子が引退したので、俺ももう来ない」と宣言した。
 その日の書き込みは、陽子への同情と美樹本への呆れがずっと続いていた。僕は固定ハンドルネームと名無しで美樹本を持ち上げたり叩いたりして遊んでいた。

 それ以降、陽子とおじさんという盛り上げ役を失ったバースレッドはほとんど書き込みもなされず放置され人から忘れられていった。
 かに見えた。陽子引退から一週間後、物語はまた加速する。

「うーん、陽子さんの小説の才能って確かめることができなかったので、召喚士である俺のブルーロベリア召喚魔法スペル詠唱すると、「陽子さん、出版社ブルーロベリアで発行予定の柱の会に執筆しませんか?」という提案です。陽子さんの小説の才能を確かめるために実際にお会いして面談する必要があるので、連絡したいのでここに降臨してくださいというわけです。一週間経ち陽子さんの匿名掲示板濃度も下がったと思うので、声かけしました」
「陽子さん降臨まで、このスレッドを守ります。では一曲」
「さて、今日も仕事終わり。もう一度召喚スペル詠唱。陽子さん、見てたら降臨してください。小説の仕事を依頼したいのです。今日は寝るまで暇なので対応できますよ。いつでも出てきてください」
「俺が思うに、「結局陽子さんは、れつだんからの長年の嫌がらせ、誹謗中傷、名誉毀損が原因で去ったんだな。そうやって才能のある書き手を壊すのがれつだんなんだよな」という結論です。やっぱりれつだんを野放しにするのは社会的によくない。通り魔殺人事件を起こす前にれつだんを閉鎖病棟送りにする「れつだん隔離プロジェクト」を立ち上げます。名無しさん、賛同よろしくです」
「俺はこんなところで時間を無駄にしたくない。れつだんが俺や俺の小説を誹謗中傷しなかったら、今頃俺は陽子さんと高度なコミュニケーションサイトで切磋琢磨してただろう。俺と陽子さんの仲を引き裂いたれつだんは一生許さない。病気だと偽り都の税金で贅沢三昧のれつだんに社会的制裁を。かかってこい、生きる価値のない蛆虫。障害者。人格破綻者。精神的童貞人間。異常者」

 美樹本なりに一週間考えたのだろうか。その結果がこれとは。
 俺は悪くない、全部れつだんが悪い。俺の小説や絵が注目されないのも、アルバイト暮らしなのも、陽子が去ったのも、同人誌ができないのも、出版社を立ち上げられないのも、なにもかも僕が悪い。
 陽子が戻ってくるまでここを守るというなら、それに応えるためにも徹底的に荒らすしかないだろう。この男にはなにを言っても無駄だ。叩かれ、煽られ、批判され続けてもこのスレにい続けるのは、陽子への強い思いがあるからだろう。それを粉々に破壊してやれば、美樹本はどうなるのだろう。考えただけで背筋がぞくぞくとしてくる。これは美樹本から受けた誹謗中傷への仕返しではない。一人の人間の精神が壊れる瞬間が見てみたいだけだ。固定ハンドルネームと名無しを使い分け、精神をいたぶってやる。何年かかっても、こんなことに時間を費やすなと批判されても関係ない。
 最初に喧嘩を売ったのは僕だが、それ以降は完全なる言いがかりじゃないか。誰がどう見たって美樹本が異常だと言うだろう。

 では、僕は異常ではないのか?
 一人の男に情熱を注ぎ、毎日毎日名無しと固定ハンドルネームを使い分けてスレッドを荒らし煽って攻撃している僕は異常じゃないのか?
 正常なわけがないだろう。嫌いなら、鬱陶しいなら、腹が立つなら、無視すればいい。NGにして見えなくすればいい。スレッドを見なきゃいい。なぜ見続けて反応して攻撃して追い詰めるのか。楽しいからだろう。それが楽しいと思っている時点で頭がどうにかしてる。

 でも、僕も美樹本ももう今さら振り上げた拳を下げることはできないだろう。美樹本は自分の人生が上手くいかないすべての理由を僕に押しつけ、僕は美樹本をいたぶって追い詰めて楽しんでいる。いまさらここで終わりにはできない。

 美樹本にあって僕にないもの、それは覚悟だ。一人の人間の精神を崩壊させる覚悟。自分の人生を費やし、自分の精神も崩壊させるほどの覚悟。安全圏からなにを言っても美樹本には通用しない。目の前に立って言い続けなければならない。美樹本が並べ立てる誇大妄想、陽子への狂った一方的な思い、小説や絵の稚拙さ、美樹本の無意味な人生。それを言い続けてやる。
 そのために今後の計画を立てなければならない。今までのようにやっていても駄目だ。地道に一歩ずつ美樹本を狂わせてやる。

 僕を閉鎖病棟送りにするって言ったよな。
 僕が異常者だと言い続けたよな。
 かかってこいって言ったよな。
 いってやるよ。最後までやろう。何年かかってもいい、どちらかがぶっ潰れるまでやろうじゃないか。決着をつけよう。

 それ以降、僕と美樹本の小学生の喧嘩がバースレで繰り広げられた。
「美樹本、お前は自分がイカれてるという自覚はあるか?」
「匿名掲示板漬けのれつだんに言われたくない」
「お前なんでまだ生きてんの? 46にもなって倉庫番アルバイトしてここで女追いかけて、虚しい人生だな。俺なら死んでるよ」
「顔真っ赤で発狂してて笑えます。誰からも相手にされないネットゾンビ」
「46歳、アルバイト、童貞、友達も恋人もいない。小説も絵も小学生の落書きレベル」
「1994年に印刷工場で仕事してて、「君はニュータイプだ」との称号を得ました。そこから、普通の人とはかなり違った人生を歩んでるんですよね」
「また妄想かよ。お前は本当に妄想が好きだな。いつまで言ってるんだ」
「れつだん見てると、本当に、「人のことより自分のことを」って思う」
「美樹本見てると、本当に「れつだんのことより自分のことを」って思う」
「匿名掲示板は匿名じゃないんだよな。俺にはすべてお見通し。IPから情報を得て、サイバーポリスがれつだんの両親に連絡する頃でしょう」
「また妄想。毎日毎日毎日毎日妄想。そろそろ勘弁してくださいよ」
「妄想だと思ってたいんだろう。不安かな。怖いかな。もうすぐで親族まとめて終了ですよ。首吊って終了」
「美樹本ってこの何年もずっと「あれします、これします」って言ってるだけ。そろそろなにかやってくれよ」

 毎日続く低レベルなやり取りに愛想が尽きたのだろう、おじさんも名無しもスレッドに寄りつかなくなった。
「れつだんの相手してるせいで小説も絵も進まない。同人誌も進んでない。いい加減もう俺を開放してくれないかな」
「ここ見なきゃいいだけだろ。進まないのはお前のせいだろ。ちなみに、陽子が消えたのもお前の病的なストーキングのせいだぞ。現実逃避に妄想の世界に逃げ込む癖、どうにかしろ」

 別の攻撃ネタを探すため、文芸同好会「柱の会」のホームページを開くと、バードが病気のため同人誌を抜け、ほかのメンバーとは連絡がつかなくなり、同人誌は振り出しに戻ったとの報告がされていた。
 これは僕の想像だが、バードの病気は別としてほかのメンバーはこのスレッドを見ていたのではないだろうか。ここでの美樹本の立ち居振る舞いを見て拒否反応を示したのではないか。美樹本洋介@ブルーロベリア名義でれつだん攻撃陽子口説き同人誌活動小説絵描きを続けた結果なのだろう。美樹本からすれば、自分は被害者でなにもかもれつだんが悪いのだから名前を使い分ける必要もなかったのだろうが、それを見た他人がどう思うかまでの想像が足りていなかった。相手がどう思うか、それが欠如した結果好きな女から逃げられ同人誌も崩壊し八方塞がりになったわけだが、もちろんそれもすべて僕のせいだと思っているのだろう。
 自分は特別な人間だ。自分はなにも悪くない。悪いのはあいつだ。46年間これでやってきたのだろう。いまさら変えることもできないのかもしれない。ただ哀れだ。自分の本当の姿に気がつけない美樹本が哀れで不憫でしかたない。そんな人間についてまわる僕も哀れで不憫だ。
 僕は狂っている。美樹本も狂っている。でもやめられない。やめたくない。このやりとりが生き甲斐になっている。楽しんでいる。朝から深夜までずっとスレッドで言い合いしている間だけ生きていることを実感できる。

 僕から毎日毎日言われ続けるのに疲弊したのだろう。美樹本は以前陽子に提案した強制的にIPが表示される掲示板へスレッドを移転することを宣言し、新たにそこに音楽バースレッドを設立した。

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