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少年時代 日本の歩き方#48石川県加賀市→福井県福井市

日本縦断徒歩の旅48日目。

加賀温泉にある漫画喫茶で起床

昨晩から続く雨を思うと、屋根と壁があるだけありがたい。

幼い頃、親父がよく言っていた。「雨の音を聞きながら布団に入ると安心する。ちゃんと屋根と壁に守られてるって思えるから」

どんなホームレス生活を送っていたんだよと思ったが、今ならわかる。

当たり前の生活にどれだけ命が守られてるんだってことに。

今日のルートはこちらだ

石川県は加賀温泉から8号線をくだり、福井のど真ん中、福井市に向かう。その距離38km。

金沢から2日後にはまた都会に行ける。北海道では考えられない状況だ。

今日福井に行けば、浪人一年目にともに予備校生活を過ごした仲間に会える。同じ目標に向かって頑張った仲間が待っていると思うと、闘志が燃える。

いざ、雨ざらしの世界へ。

田んぼ続きの中でアオサギを発見。

アオサギを見ると気持ちが昂ぶる。大好きな鳥のひとつだ。

アオサギは羽を広げると170cmほどになるものもあるほど大きな鳥だ。亜種アオサギは、夏に繁殖のため北海道にやってきて、冬は越冬のため、九州以南に飛来する渡り鳥だ。

あんな大きな身体で日本を縦断するもんかと驚く。彼らも旅人なのだ。

俺も頑張るから、お前も日本縦断頑張れよ。心の中で呟く。(あとで気づいたが、本州、四国のアオサギは留鳥で渡り鳥ではない。)

道中、おばあちゃんに話しかけられる。例のごとく、旅の説明をする。

「リヤカーがブルーシートで覆われてたから死体でも積んでるのかと思ったよ。ガッハッハ」

豪快な笑い方をするばあちゃんよ、それ言われるの2日連続や...

ばあちゃんと一度別れ、道に戻ると、走って追いかけてくれて、炊きたての米とナシをごっつぁんしてくれた。

優しさの雫を大河の一滴にさせないように、心遣いを噛み締める。

やがて、雨足が強くなると、山が覇気を纏い始める。

コンビニで雨が弱まるのを待つ。

1時間ほどの停滞を経て、田園風景に戻ると、季節が変わったことを告げられる。

稲刈りの季節か。

コメの収穫が終わると、野球少年は、そこでボールを追いかけ始める。家の隣が、グラウンドに早変わりだ。加減せずにかっ飛ばせる。

変わらぬ景色と無邪気な少年期が少し恋しくなった。

雨が上がって、歩くスピードを上げると、九頭龍川が見えてきた。

九頭龍川を越えると、福井市に入る。

まだ残っている黄金色の景色に別れを告げ

目的地の福井駅に。

この恐竜モニュメント、2億円もするらしい。

財源はどこなのかといやらしく調べようとしていると、彼と再会する。

これから彼と飲みに行く。浪人期の思い出話に花を咲かせよう。暗黒の浪人期を眩しいくらい照らしてくれたのは、同じ志を持った彼がいたからこそ、積もる話もある。

いつだって「あの頃」の話は眩しいのであれば、今もいつか、「あの頃」になる。じゃあ、いつだって眩しい時間を過ごすんだね。俺らは。そう噛み締めて生き続けていけたらいいな。

石川県加賀市→福井県福井市

歩行距離 38km

総歩行距離 1516km

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