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終 了

家の片づけ、退去の立ち合いも終える


父の死去が1月23日

火葬が2月5日

そして住んでいた部屋の片づけ、退去が13日に終わった。


それまで休みの度にちょこちょこ住んでた部屋に行って片付けていたんですね。

よく「無言の帰宅」っていわれるけど無言どころか帰宅すら出来ないケースがほとんどらしい。(葬儀屋さん談)


脳出血の後遺症で左半身が不自由だったけども出来る限り自分のことは自分でやる、という性格から料理やら掃除、洗濯はやっていた。さすがに体力が衰えて車いす生活になってからはヘルパーさんに頼ることも多かったようだが。


ヘルパーさんに付き添われて食材の買い物もよく行っていたようで、冷蔵庫や台所の棚にお米やら調味料やら。

ジジイの一人暮らしなんだからこんなに要らんだろ!

・・・と思うも、そのまま業者に他の家財道具と一緒に廃棄するのももったいないことなのでちょこちょこ持って帰っていたのですね。

生活の足しにはなるだろ


・・・という声が聞こえそうなそうでもないような、確かにとかマヨネーズとか洗剤とかあれば助かるものもあるけれど、それと同時にここに存在するこれを父が買う時のことを考えたら、ホイホイと気軽に使えないような気もする。

だって、食べることが好きだった父だし、あれも食べたいこれも食べたいで買ったわけで、その時はこれを消費する前に自分がこの世を去るなんてそれこそ夢にも思わなかったことだろう。

だからそんなことを考えてしまうと思わず切なくなってしまう。

こういうときに、たとえば長いこと入院とかしていて、お医者さんから「お父さんは持って半年の命です」的なことを言われていたとしたら、もっと心の準備や覚悟が出来ていて、食材や身辺の整理等々、もっともっと上手いこといったのだろうか。

どんなに考えたってよく分からないし納得できる答えなんかきっとないのだろう。


残された食品は、しかし消費期限のあるものだし、いつまでも形見として取っておくのもアレだしなあ、しっかりと感謝して有難くいただくことが供養になるのではないか、とも思うしなあ、と自分の気持ちも揺れ動く今日このごろ。皆さまいかがお過ごしでしょうか。


だいたい月一度のペースで父の家へ顔を出していたけれど、ああもう二度とここに来ることはないんだなあ、と思ったら、今までのことを思い出してやっぱり切なくなりますね。それなりに思い出もありますから。


食材や日用品以外で持って帰るものは迷った。


とりあえずよく使っていたカップ筆記用具、手帳など、あと割と新しそうなCDラジカセも持って帰った。城達也のジェットストリームのCDセットもあったのでそれも持って帰った。

父と音楽の話なんてしたこともなかったし、そもそも音楽自体に興味がないものだと思っていたから正直意外だった。


ポールモーリアのCDがずいぶんあった。



ベンチャーズのベストアルバムとか



あとはフォークのベストアルバムみたいなのも。



斎場では恐らく直近で聴いていたであろうCD、ラジカセに入りっぱなしになっていたポールモーリアのアルバムをずっと流してあげた。

当然ながら嫌いな音楽をわざわざ金出して買って聴いたりはしないだろうから、恐らく好きな曲を聴きながら、好きなコーヒーとかコーラを飲んで、吸ってたタバコを楽しんで、手元に置いてあった文庫本4冊を読んで、まあまあ満足な旅立ちになったのではないだろうか、自画自賛をするしかない。そうでもしないと気持ちの置きどころがない。

どうだった?他にして欲しいこととかあるか?って感想を聞きたかったけどこればっかりはどうしようもないしなあ。

恐山のイタコの方とか、某新興宗教の総裁ぐらいなら簡単に出来るんだろうけどさ。


車いすに乗る前に使っていた杖は残念ながら金属製だったため、棺に納められなかった。入れてあげたかったけどなあ。かけていたメガネは葬儀屋さんから「入れない方がいいですよ」と言われたため棺に入れなかった。なぜかというと

メガネは完全に燃えないことがあって燃え残ったメガネはドロドロに溶けて見ていてとても痛々しいです

という理由だった。

その代わり、頭のお骨にかけてあげるように骨壺に入れてあげた方が良いと思います

と、言われたのでなるほど、と思ってそうすることに。


それにしても斎場は多くのご遺族の方がいて、一度に何件か窯に入れて火葬する。

中には俺と大して年齢が変わらない方がご遺体として火葬されているのを見ると本当に心が痛む。病気か事故か。さぞかし無念だったろうなあ。もしものとき、俺も後悔ないようしっかりと生きねば、と改めて強く思う。(まあ、全く大した人生ではないけど)


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もし、気になるようでしたらどうぞ

葬儀屋さんから言われて清めの塩を渡される。


確かに今まで数少ない経験だけどお通夜から帰った後は家に入る前に肩のあたりにこういった塩をパッパっと振っていたような気がする。やっぱり振るべきなのかしら。


まあ、今回は実の親だから別に・・・ということでもないけど、うちにはまだお墓が無いため

本体(骨)を家に持って帰るわけで、その場合のお清めは一体どうなるんでしょう

と思ってしまった。

一応、父の骨に塩を振るべきなのかしら


そのあとの片づけで金属製の杖を家に持って帰った。それが持ち帰るものとしてのラストだった。


そして13日


市の方から紹介してもらった業者の方に回収してもらう最後の立ち合い。粗大ゴミでしかないんだけど、それでも父が使っていたタンスや家電製品、衣類、食器類などなど。ゴミとして処理される姿を見るのはどうしても忍びなく最初に確認して、書類を書いてお金を支払って失礼することに。


これでやっとひと段落というか肩の荷が下りたなあ。

ホッと一息。


とりあえず本体(骨)遺影はうちに来ているので、しばらく2人?で生活することに

まあ、色々片付いて良かっただろ。

これからは自由に好きなところに行ったらいいよ。好きな巨人の試合観にドームに行ってもいいし、ゴルフ観に行ってもいいし、競馬を観に行ったっていい。

本当の意味で自由になれたんだよ。

もう左半身が動かないのも気にせず好きなだけ出かけなさい。


まあ、夢の中でも現実でも、別に出てきてくれてもいいから何かあったら遠慮すんなよ。


じゃあな




















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