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地域振興に欠かせない3タイプ -地域コンセプトプランナー-

1、背景説明

 今回からは、下記の記事で紹介した人の役割について掘り下げていきたいと思います。

 今回のテーマは、「地域コンセプトプランナー」です。


2、主な役割

 「地域コンセプトプランナー」の主な役割は、大きく分けて2点です。

 1点目は、地域の価値を見つけ出し、その価値を高めていけるキーパーソンに寄り添う視点を持つこと

 2点目は、国や地方自治体が向かう方向性を正しく理解すること

 この2点が重要だと考えます。この2点で重要なことは、いわゆる「名ばかりコンサル」と呼ばれる、理想論や自分の考えを押し付けるタイプの人と組まないことです。きちんと現場レベルに目線を向けることができ、現場と伴走しながら、話題の方向性に導くことが重要です。

 多くの地域振興に携わる人は、「コンサルアレルギー」と仰ります。その理由は、地方創生ブームの際、高い予算を搾取することに重きを置き、地域に全く還元することを考えていないコンサルタントが多かったと言われています。この課題は、そのような考えのコンサルタントも考えを改めるべきかもしれませんが、コンサルタントを呼ぶ側にも問題があります。専門家に任せれば大丈夫という「他人任せ」が招いてしまった結果だともいえます。すなわち、地域で活動する方々がしっかりとビジョンを持ち、責任を背負いながら活動する意識を持てば、このようなミスマッチも防げたといえます。

 したがって、地域の人々をやる気にすることができ、共に伴走する視点を持った「地域コンセプトプランナー」は地域振興において、とても重要な役割を持っています。コンサルタントもうまく使えば人脈や専門知識を活用することができます。そのため、コンサルタントを活用してやろうという目線を持つところまで地域の方々の意識をあげることが重要だといえます。


3、地域住民とのコミュニケーション

 地域住民とのコミュニケーションの大切さは、下記の記事でもご紹介した「飲みニケーション」が大事だと私は考えます。

 お酒の席で出る本音はもちろんですが、地域住民と同じ目線に立って話を聞くことが大切です。10時や15時のお茶の時間に訪問し、お茶のお供をさせていただくことも有効です。相手が農家の場合は、朝の仕出し時間帯に市場や直売所を訪れ、待ち時間でお話をしたり、手伝いながらコミュニケーションをとることも有効です。

 手段は、人の個性によります。重要なことは、地域住民の生活目線に立って、同じ目線で物事を考える視点だといえます。

4、政策の方向性の把握

 地域住民の目線で地域を考えることに合わせて重要なことは、政策の方向性をしっかり把握することです。

 現状だと、ニューノーマル・SDGs・関係人口などです。よくこのような流行りのテーマは、継続性がないから考えたくないと話す方もいらっしゃいます。しかしながら、私はこのような考えは不要なプライドだと思います。なぜなら、自分の描く目的に向かう手段として、流行りの流れに乗り、知名度や予算を確保することは大切な戦略だと考えるからです。

 本当に社会を見据えている人は、現状の流行りをうまく活用し、その先を見据えた立ち振る舞いを行っています。そのため、私は、その流行りの先を予測しながら、流行りになることを肯定します。さらに踏み込むと、その流行りの先の社会を自らが作り出すくらいの器量が重要だと思います。


5、ポイント整理

 あらためてポイントを整理します。

①地域の価値を見つけ出し、その価値を高めていけるキーパーソンに寄り添う視点を持つこと

②国や地方自治体が向かう方向性を正しく理解すること

 「地域コンセプトプランナー」の役割は、上記の2点だといえます。


6、次回について

 次回は「地域アクターズプロデューサー」について紹介します。次回に紹介することは、ファンマーケティングなど地域内と地域外を繋ぐ人の役割の紹介を行います。

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