シリアルキラー ショートショート30

何十人も殺害した殺人鬼が捕まった。
殺人鬼は華奢な少女であり、看守を殺害し、脱獄を図ろうとしたが失敗。
懲罰房に入れられた。

それから月日は流れ、この殺人鬼は改心し、出所できた。
改心した犯人は世間の注目の的となり、ライブビューイングもできる講演会が開かれることになった。
殺人鬼は小さい頃に親から虐待をされ、罵詈雑言を浴びせられながら生きてきた。
壮絶な人生と犯行に至るまでの心境、狂気は誰にでも芽生えることを語る。

「ご清聴ありがとうございました。」

会場には、たった一人の拍手だけが鳴り響く。
その一人は血まみれだった。会場にいた何百人の聴衆は死体となっていた。
そして、殺人鬼は血まみれの人に凶器を向ける。凶器は言葉であり、死ぬように命じた。
生き残りの一人は自分の舌を噛み切った。
ライブビューイングの視聴者も殺人鬼に感化され、暴動が起こる。
この講演会による死者は千人に上った。

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