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『稲盛和夫一日一言』 6/22(木)

 こんにちは!『稲盛和夫一日一言』 6/22(木)は、「自信を持つ」です。

ポイント:真に創造的なことを始めようとする際、最も重要なのは、自分自身に対する信頼、つまり自信を持つこと。自分の中に確固たる判断基準を持ち、それを信じて行動することで、模索中にも道を見失わなくなる。

 2015年発刊の『稲盛和夫経営講演選集 第1巻 技術開発に賭ける』(稲盛和夫著 ダイヤモンド社)の中で、創造的なことを始めるにあたり大事なこととして、稲盛名誉会長は次のように述べられています。

 京セラは創業時から今日まで、「ずっと新しいことを手がける」ということで成長してきました。そのため、新しいものを創造していくことが企業体質となり、新しいものをつくらなければ企業の発展はないということが、現在も企業姿勢のベースとなっています。

 創造するということは、いわゆる世の中にない新しいものをつくるということですが、「創造」と単なる「空想」とではまったく意味が異なります。もちろん、空想すること自体は大切なことで、ロマンティズムを感じる人でなければ、とても空想などできないでしょうし、クリエイティブな創造もできないだろうと思います。まさに、際限なく夢を描けるということが、創造の始まりだろうと思います。

 そうした夢を描いていく場合に何が大事かといえば、それは夢を描く人、およびその集団が、夢を描いて実現していこうと努力をするときに、実現する可能性があるのだと信じることです。
 自らできそうもないと思っている空想をいくら練ってみても、まったく意味がありません。夢の実現はとてつもなく難しいことのように見えるけれども、できる可能性があるのだということを信じていなければならないと思っています。

 ある多国籍企業が会社のモットーにしているのが、「信じる」という言葉でした。その企業では、あらゆるものに取り組む際に、それを全従業員が行動規範として実践しているそうです。

 創造的なことを始める際に、「成功できそうだ」ということが信じられなければ、真剣に取り組むことなどできません。「やってはみなければわからないから、とりあえずやってみるか」という程度では、できない可能性のほうが高くなります。
 物事を創造し、それに賭けていく場合には、それをやる人々が、必ずできると信じていなければならないのです。
(要約)

 新しいことにチャレンジすると、最初は勢いで何とかなっていても、次第に壁にぶち当たることが増えてきて、行き詰まりを感じて心が挫けそうになったりします。
 そのような局面では、チャレンジを始めたときの原点を見失い、当面の課題を克服することに終始してしまいがちです。何とかそこをクリアできたとしても、当初の目標からズレてしまっていることもたびたびでしょう。

 そうしたときに忘れてならないのが、自分の中に確固たる判断基準を持ち、それを信じて行動しているかどうか、ということです。
 目の前の壁をクリアできて、「よくやった」と自らを慰め、「このくらいできたのなら満足してもいいのかな」などと甘い考えを繰り返しているとと、当初の到達目標からかけ離れたところに着地してしまいかねません。

 今日の一言には、「真に創造的なことを始めようとする際、最も重要なことは、自分自身に対する信頼、つまり自信を持つこと」とあります。

 原点を見すえ、物事の本質に立脚した判断を繰り返すことこそが、「創造」という未踏の領域における成功をもたらしてくれる。そのためにも、自分自身、また集団に対する信頼、信じるということが大事になるのではないでしょうか。


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