見出し画像

履歴書の書き方7つのポイント

企業の採用に携わる人事部の担当者、そして採用部門の面接官は一人の採用をするためにはその何倍もの候補者と面接をします。そしてその前には更に何倍もの履歴書に目を通します。

良い履歴書すなわち面接ステップに進む有効な履歴書を書くには、採用部門の担当者、および面接官の視点に立って、改めて考えてみましょう。

GenZeeは、急成長フェーズだった2010年代のGoogle Japanで、たくさんの採用面接をしていました。当時はマネジメントの一員だったため、自分の部門の採用だけでなく、関連する別の組織のリーダークラスの採用の面接官をしていました。延べ百人近くの入社には関わったと思います。

また、Google以前の企業でも国内の人材採用、その後のカカクコムでは海外の投資先の企業のリーダーの採用にも携わりました。現在の会社、イスラエル系テックスタートアップでも、多くの人を面接してきました。そしてその何倍もの数の履歴書に目を通してきました。

そのような経験の中で、ざっと履歴書に目を通した時に内容以前にまずチェックするポイントがありました。

マイナスポイントが高い履歴書の例

整っていない

インデントが揃ってない、誤字、スペルミスが残っている。フォントが統一されていないなど。あまりにも整っていないと、内容に入る前に読む気が失せたりします。人はよく、”見た目ではない中身が大事”、というけれども、やっぱり第一印象は大事。

やたら長い

4ページも5ページもかけてダラダラと書いている書類に合うことがあります。ご本人はその濃い経歴や実績をアピールしているのだけど、多忙な面接官は短時間で目を通さなければなりません。読解するのにエネルギーを使ってしまい、結果的に印象が悪くなってしまいます。

自画自賛の定型文が多い

英文履歴書の場合、特に多いのですが、ソフトスキルに関して、"great communication skills", "strong leadership ability", という履歴書作りのテンプレートにある定型文が、具体的事例を添えない形で列挙されていると、その本当の実力をつい疑ってしまいます。減点ではないですが、そのアピール文は無視してしまいます。

数字が少ない、無い

職種にもよるけれども、概ね実績を数字で説明できていない書類は減点です。年間ターゲットを”大幅に達成”と記載がある一方で具体的数字が一才記載がないと、怪しいな、と思ってしまいます。営業系の職種なのに、数字が無い場合は、ぱっと見でスルーする(不合格)こともあります。

やたら成績がいい

営業系でかつ上記履歴書が長い人に多いのですが、極端に成績がいい人。x年度は300%達成とか8四半期連続KPI達成とか。そこまで高いと、そもそもそのゴール設定ってどうなの?とか、それなのになぜ会社の業績は低迷しているの?とかと勘繰ってしまいます。書類選考は通るかもしれないけれど、目標が低いだけだったり、最悪虚偽だったりした場合、面接でバレます。そして、それは大きな減点になります。

1社3年もってない

1、2年ごとに何社も会社を転々としている人は、よほどの事情がない限り、採用する側は腰が引けます。書類選考段階で却下の可能性が大きくなります。履歴書の書き方、ではなく、経歴そのものなのでどうしようもないのですが。

このような、面接官視点での減点対象の履歴書、その「逆の書き方」が、良い履歴書の書き方です。すなわち、

良い履歴書の書き方7つのポイント

1. まずしっかり仕事する

見栄えのいい履歴書を書けばどこでも就職できる。訳はありません。当然ながらまずは仕事の実績を重ねることが重要。多少の困難や理不尽なことがあっても簡単に辞めない、高い目標に執着して結果を出す”努力ができる人”、をどの企業も欲しています。どう人にアピールするかの前に、長期的視点で自分はどうありたいかを考えながら、一社でもいいのでじっくり取り組みしっかりと結果を出しましょう。

2. 盛らない、嘘をつかない

自分はこういう成果をあげた、ある会社にこういう貢献をした、と胸を張れることをしっかりと書く。でも、できてもいないことを盛る必要はないし、ましてや嘘はつかない。実は結構経歴詐称が含まれる履歴書はあるそうで、一説によると海外では経歴詐称がとても多いとか(米国19%、インド9.6%、香港9%、など)。ましてや社内の実績となると外部の人(面接官)にはわからないので盛れそうです。が、嘘はベテランの面接官には見透かされます。

3. 失敗や困難の経験も重要情報

優秀な成績をあげました、というアピールに終始する履歴書よりも、面接官の興味をそそります。この会社では狙ったような結果を出せなかった、買収される結果に終わった、事業精算の結果短期間で転職せざるを得なかった、というようなことも、恥ずかしがらずに堂々と書いて良いのです。面接官の中には似たような苦労を経験した人もいるので、面接でかえって話が盛り上がることもあります。

4. 数字や具体的事例を要所で示す

営業系なら、(守秘義務があり売上金額は書けないとしても)目標に対して何%達成したか。非営業系でも、従事したプロジェクトにおける役割と、会社にどのような具体的な結果(アプリのDL数、製品の出荷数等)をもたらしたのか。ビジネス開発ならばどのようなスキームのディールにより両社または業界にどのような変革をもたらしたのか、などを具体的に記す。全てにわたって細かく書く必要はなく、自分が最も自信のある成果についてに絞って具体的に記すと、面接で聞かれやすいのでアピールチャンスをもらえます。

5. 自分の言葉で書く

テンプレートからのコピペの”まま”は禁止。コピペってきてもいいけれど、自分なりの言葉に置き換えて表現する。これ、ChatGPTに書いてもらったでしょ?と質問されるようなヘマは決してしない。

6. 簡潔にまとめる

だらだら書かない。簡潔に。目安は2枚、最大3枚。簡潔に、というと日本人はすぐ箇条書きにすることが多いけれど、英文契約書では文章力も見るので、単語や数字の列挙にならないよう。適度の量の文章で成果を説明する。経歴が長い人は全部書こうとするとついつい長くなってしまうもの。でも、受けようとしている会社に関連する経験に絞ればいくらでもカットできるはず。

7. 最後に見た目を整える

堂々と自信を持って説明できる経歴、経験、成果、保有資格などを簡潔に記せたら、最後に体裁を整えましょう。冒頭の要約文はシャープに。インパクトと時にユーモアを交える。各企業での経歴はタイトルフォント、スタイル、インデントを揃える。文章の長さ、句読点(読む人にとっては呼吸)の頻度、などを自分自身でも読み直してチェックする。スペルチェックは必須。

…という慎重な最終調整作業を行なって、ようやくあなたの履歴書という作品が完成します。

以上、GenZeeの個人的視点での”面接官の目を引く良い履歴書の書き方”、でした。今でも、将来でも、いつかの転職や就職の助けになれば幸いです。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?