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<無料公開>日本の教育の現状と取り組みとは②

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今の日本は格差を是正するどころか拡大していくことを黙認する教育を進めているともいえる。もちろん資本主義の国家なので、すべての人に無条件で平等な環境を与えることは不可能であるが、能力のある人、可能性のある人、努力をする人などに対して、貧困層であっても機会の平等は与えられるべきである。

教育の機会平等であれば、日本では、義務教育費の無償化、さらに公立の高等学校授業料の無償化までは進んだ。しかし、本当の意味での高等教育に対する無償化はまだ進んでいないのが現実である。私立高校や大学、専門学校等に通う場合の教育費の負担はとても高額であり、貧困層にとっては進学機会や窓口が狭められているのも事実である。

これは、将来的な所得格差にもつながる。現在でも、所得格差が拡大すれば、ただでさえ重い教育費の負担は、ますます低所得者層にはきつくなり、進学できる層と進学できない層に二極分化していくのではないか。しかも進学か非進学かだけでなく、進学の中でも、どのような大学か、国公立か私立か、四年制大学か短期大学・専門学校か、自宅通学か自宅外通学かと考えると、教育費の負担はまったく異なり、進学格差はますます開いていくのではないかと実際に提言されている人も少なくない。

結果的に「学校選択制」は徐々に縮小の方向にいっているのが現実であるが、取り組み自体は悪いものではないので、改善してまた取り入れる地域も出てくるのではないかと思う。  

「習熟度別学習」「少人数学級・指導」に関しては、学習指導要領でも示され、多くの学校で導入が進められているが、やはりメリット、デメリットがあり、デメリットの側面の方が大きい。

「習熟度別学習」のメリットとしては、一人ひとりの達成度に合わせてクラスを分けて、指導そしてテストをするため子どもたちは与えられた課題を達成することができるため満足度を高めることができる。学力の低い子にとって授業やテストで満足度が高いことはあまり経験したことはないので、子ども達のやる気を上げる、また、保護者の評判もいいため、いくら目標設定が低くなっても導入する学校が多いのが現実である。しかし、これが本当に子ども達のためになっているのだろうか。

この「習熟度別学習」のデメリットはこの疑問点の部分にある。例えば、学力の低いクラスの子はその中ではよくできるかもしれないが、実際に学力の高いクラスの子と同じテストを受けた場合にそのレベルに追いついているだろうか。絶対とは言えないかもしれないが、差は縮まってはいないだろう。むしろ、広まっている可能性もある。

もしこの「習熟度別学習」の目的ができる子どもの学力を更に向上させるためであるのなら、導入していく価値はある。しかし、日本の現在の教育は学力の高い子どもを特別扱いすることはなく、むしろ学力の低い子を少しでも上げることを優先的に行っている。平均的な学力の子を少しでも多くすることが目的になっているのが現状である。そのような点からも「習熟度別学習」は一見すると、学力の低い子を救えるように感じるが、結局はさらに学力差を広げてしまう結果となる。

また「少人数学級・指導」については、今少しずつ進められている。一学級40人が小中学校では基本となっている。それはまず、小学校1年生では35人以下にすることが決まり、これを少しずつ他学年に拡大していく方向である。ただ、これはあくまで国全体の方針であり、「少人数学級」自体はすでに独自に取り入れている自治体も多くある。教科ごと、特に算数・数学での導入が全国的に進んでいる。

学力の低い子をサポートしやすいことや一人の教師で見ることができる生徒数が減ることで、一人ひとりの子どもに目が行きとどくなどのメリットがあるため広がりを見せている。学力的な面でも効果を上げているが、生徒指導の面でも効果をあげている。ある自治体では、不登校の生徒が減少したという事例もある。

しかし、デメリットとしては、教師同士の打ち合わせが必要なことや学校の規模によっては教室の余裕がないなど物理的な面が多い。しかし、今日本が行っている教育の中では成果があがっている政策である。なので、効果的な活用方法としては、「少人数学級・指導」の両方を同時に行うことができれば高い効果があげられるだろう。またTT指導よりも少人数指導の方が効果あるともいわれるので、この分野の特色をさらに研修し、教員同士の共通理解を図ることが大切である。

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