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[2023.10.13] プライムビデオのウォッチリスト消化(32) - 『ソロモンの偽証 前篇』『〃 後篇』

見たのは
『ソロモンの偽証 前篇・事件』
『ソロモンの偽証 後篇・裁判』
の2本。

ネタバレ無しの感想を書いていく。




『ソロモンの偽証 前篇・事件』

1990年12月25日、中学校で雪に埋もれた死体が発見される。
死亡したのはその中学校の2年A組の生徒・柏木卓也。遺書は残されていなかったが、警察は自殺だと判断する。
年が明け、柏木のクラスメイトである藤野涼子のもとに一通の封書が届く。
封書の中身は《告発状》で、「不良生徒たちが柏木卓也を突き落とした現場を見た」という内容だった。同じ封書が中学校の校長のもとにも届いていたが、学校側は穏便に済まそうと消極的な姿勢をとる。
やがて《告発状》の存在がマスコミにも知られ大人たちを巻き込んで様々な憶測が飛び交う中、涼子は自分たちで真実を突き止めようと『学校内裁判』を提案する⸺

いやーツライ。
『セリフっぽさ』を感じるところはあるものの子役の演技は素晴らしく、大人たちが中学生を“子供扱い”する描写にもリアリティがあるからこそ、素直に“ツライ”と感じられるということか。

けどそれだけじゃなく感動もあり、途中から盛り上がりを見せるとそこから俄然面白くなる。

生徒を押さえつける教師、過保護な親、勝手な報道をするマスコミなど、大人に対して鬱屈とした感情を募らせる様子が丁寧に描かれていて、後篇に対する期待値がかなり高まったところで前篇は終わり。
前篇の役割は十分に果たしたと言える。

Amazonの評価は★3.9。
うん。続きモノだし前篇だけで判断はできないので↓へ。



『ソロモンの偽証 後篇・裁判』

『学校内裁判』に向けて準備を進める生徒たち。様々な思いを胸に、遂に裁判が開廷する。
審理は5日間。被告人は《告発状》に記されていた不良生徒・大出俊次。
様々な証拠や証言が出るなかで、次第に真実が明らかになっていく⸺

もう裁判所冒頭から泣きそう。
でも進むにつれて感情が静まってきた。

「静粛に!」の場面が多すぎてウンザリする…
本当の裁判ならうるさい奴は退廷させるところだけど、学校だとそうもいかないのはわかる。
にしても多すぎる…
まぁそれだけ盛り上がりポイントがあるってことなんだろうけど。

また、柏木の演技が棒読みすぎるのと、裁判の最後の最後に『いかにも大人が考えたようなセリフ』が入ってきてチョイ冷めポイントだった。没入していたのに急に“作り物感”が出てきたような感覚。
あと大出はもっとボコスコに叩きのめされたほうが気持ちよかった。仲間の2人なんて放置だし。

真相にそれほど大きな驚きは無く、ミステリとしては尻すぼみ。
なんか話があっち行ったりこっち行ったりして、「結局この裁判の目的って何だったっけ?」となってしまった。どれが『ソロモンの偽証』なのかもわからなかったし。

Amazonの評価は★3.4。
個人的には★3.6ぐらい。まぁオススメしてもいいかな。
前篇が良かっただけに後篇の盛り上がりの弱さが目立ってしまった感じ。



4〜5時間ヒマで、他に見るものが無いならオススメしてもいい。

小説でもそうだけど、宮部みゆきの作品はミステリとして見るとツマラナイのだが(※個人的な意見)、『人間ドラマ』として見ればそれなりに映えるし、映像化にも向いてるのだろう。
本作もミステリ要素を期待するとガッカリするので注意。

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