〈災後〉の社会を生きていく〜『日の沈む国から 政治・社会論集』
◆加藤典洋著『日の沈む国から 政治・社会論集』
出版社:岩波書店
発売時期:2016年8月
日本の戦後を考えるとき、国内的文脈と国際的文脈とのあいだにはズレがあります。さらに東日本大震災とそれに伴う原発事故の後、「災後」の問題が浮上してきました。加藤典洋の認識に従えば、災後の社会はそれ以前の社会とは異なった思考が求められているのです。それは端的にいえば「有限性」をめぐる問題です。戦後は終焉したが、災後の社会をいかに生きていくのか。本書はその問題を構想した一連の文章を中心に収