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徒然諸々

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#読書感想文

徒然諸々 王谷晶『てづから』を読んで

徒然諸々 王谷晶『てづから』を読んで

 書くことがない。
 なので、『文藝 2022 冬季号』を読みました。
 普通は第59回文藝賞発表だから買って読んだとするんだろうけど、わたし文藝賞に一度も応募したことがない。だいたい『文藝』は時期が過ぎた物を貰うばかりで買ったこともない。今回初めて書店で手に取り買った訳は、王谷晶さんと北村紗衣さん加藤陽子さんの名前があったからです。相変わらず王谷晶さんが書くモノは面白い。
 ツイッターや近影など

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徒然諸々 『マグロ少女』

徒然諸々 『マグロ少女』

 石井秀幸作『マグロ少女』(バンチコミック)が全三巻にて終わってしまったぁ。残念。
 真じろう作・原田重光原案『新約カニコウセン』(ヤングアニマルコミックス)と一巻が出た時点で読み比べて、『マグロ少女』の方が面白いと感じて買っていたのに……。
 『マグロ少女』の内容に入る前に、もう一つお薦めの漫画を紹介します。
 三宅乱丈作『大漁! まちこ船』(ビームスコミック)です。クロマグロを釣る生き餌となっ

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徒然諸々 『読者に憐れみを』を読んで

徒然諸々 『読者に憐れみを』を読んで

 今日も暑かった。以前にも書いたと思うけど、今年は水出しアイスコーヒーを愛飲しています。ほぼ毎日。1ℓの水差しの半分を牛乳で割って飲んでいます。だからか、熱帯夜だからか、眠りが浅い浅いwww

 話しは変わります。やっと『読者に憐れみを~ヴォネガットが教える「書くことについて」』が読み終わりました。
 結論を先に書けば、凄く良い創作(小説家)指南書です。プロの小説家でもない私が薦めるのも変でしょう

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徒然諸々  『少女を埋める』を読んで

徒然諸々  『少女を埋める』を読んで

 前回の投稿からもう何週間経つんでしょうねぇw この間にマイケル・ロボサムの『天使の傷』、アンデシュ ルースルンドとベリエ ヘルストレムの『地下道の少女』、歌田年の『紙鑑定士の事件ファイル2』、横山秀夫の『ノースライト』などミステリーを中心に、吉村萬壱さんの『ヤイトスエッド』王谷晶さんの『ババヤガの夜』、小池真理子さんの『月夜の夜の梟』など何冊か読みました。読んだあと、その都度感想を書こうと思って

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徒然諸々 『タコピーの原罪』!?

徒然諸々 『タコピーの原罪』!?

久世しずか、何だこいつ!!

 麦わら帽子被って、浮き輪持って、虫かご首からぶら下げて
 東京に行く!?
 目指す場所は、渋谷ッ!!

しずかは悪女なの?
助けられたタコピーが、もともとバカなの?
タコピーの原罪って、最終的になに?
まりなを殺したことではなく、しずかの好き勝手に付き合って、しずかに関わった人を全員不幸にしたことなの?

徒然諸々 『サラバ。』を読んで。

徒然諸々 『サラバ。』を読んで。

 西加奈子さんの『サラバ。』を読んでの感想。

 主人公は圷歩、圷家の長男です。歩の上には姉・圷貴子がいます。父・圷憲太郞、母・圷奈緒子の四人家族です。この四人の、歩がイランで生まれて、37才に小説を書き上げるまでの物語りです。
 圷家は、初めにイラン、次に大坂、次はエジプトと父の仕事の必要性から何度も引っ越しをします。エジプトのあとは、一旦大坂に戻るのですが、歩が大学生になる頃、両親が離婚して完

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徒然諸々 『少女だった私に起きた、電車のなかでのすべてについて』を読んで

徒然諸々 『少女だった私に起きた、電車のなかでのすべてについて』を読んで

 佐々木くみさんの『少女だった私に起きた、電車のなかでのすべてについて』を読んでの感想を書きます。

 そしてこのノンフィクション(本の中では小説書かれていますが、ノンフィクションです)の本は、12才になった佐々木くみさんが、中学に通う電車の中で体験したことを、当時を思い出してフランス人の作家に語ったものです。くみさんは現在フランスに住まわれていますが、当時、香港に出張していた両親と一緒に日本に帰

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徒然諸々 『路地の教室」を読んで

徒然諸々 『路地の教室」を読んで

 上原善広さんの『路地の教室』を読んでの感想を書きます。
 まず「路地」とは、日本列島の西側、おもに関西で「被差別部落および同和地区」のことをこう表現するようです。「路地」という言葉が世間に広く知られるようになったのは、作家の中上健次さんが被差別部落のことを「路地」して書いたのが、広まったからだそうです。
 つまり部落出身者の上原さんが「路地」について優しく書き下ろしたのが、『路地の教室』です。

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徒然諸々 『自閉症の僕が飛びはねる理由』を読んで

徒然諸々 『自閉症の僕が飛びはねる理由』を読んで

 東田直樹さんの『自閉症の僕が跳びはねる理由』を読んで思ったことを書きます。

 自閉症を含めた発達障害、もしくは知的障害について子供ころから興味がありました。自分が通っていたクラスには、小学校、中学校、高校、大学と同窓生に身体的障害、発達障害、知的障害の方は一人も居ませんでしたが、学校という大きなコミュニティでは小学校時の一年先輩に二人、高校時に二年先輩(もしから三年先輩かも? 何年も留年してい

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徒然諸々 『書く習慣』を読んで

徒然諸々 『書く習慣』を読んで

 いしかわゆきさんの『書く習慣』を年始に読みました。その感想を書きたいと思います。他にもいろいろと読書したのですが、すぐに影響され、書き始める切っ掛けになったので先に書きます。

 41頁の、『自分はアホだ!』と思うこと。は首肯せずにはいられないです。アホだから、話しを聞いているだけじゃ頭に入らない。アホだから、紙に書いておかないと忘れてしまう。アホだから、自分にことを全然信じていない。いやー、ま

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徒然諸々 『蜩ノ記』を読んで

徒然諸々 『蜩ノ記』を読んで

 いしかわゆきさんの『書く習慣』を読みまして、一つひとつの文章にもタイトルをつけるのが、多くの人に読まれるコツとありました。なので今回から「徒然諸々」にその都度タイトルを一緒に付けることにしました。

 葉室麟氏の文庫を知り合いから数冊貰いました。これでも読めと。
『蜩ノ記』はその中の一冊です。葉室麟氏の作品は一度も手に取った事がありませんでした。わたしは時代小説を好んで読まないので、縁遠い訳です

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