D2Cコスメブランドの雄・Glossierから学ぶSNSコミュニケーション戦略

こんにちは。
今週は、日本未発売ながらSNS上でも話題に上がることの多い、
NY発のコスメブランド・Glossier(グロッシアー)について取り上げようと思います。
私自身TwitterかInstagramで見つけ、以前から気になっていたブランドで、この記事を書くにあたりBUYMAでポチりました。
それはまあ置いておいて、そんなGlossierはどの様に顧客を惹きつけているのか?調べて分析してみました。

【Glossierって?】

『VOGUE』でアシスタントを務めていたEmily Weiss氏が2014年に立ち上げたコスメブランド。
同氏はアシスタント時代に「Into the Gloss」という自身のブログを設立。
話題のモデルやセレブ等に積極的にコンタクトを取り、メイクアップへのこだわりや愛用コスメ、商品紹介をすることで人気ブロガーの仲間入りを果たす。
そんな彼女が立ち上げたブランド「Glossier」は
"less is more"を合言葉に、自分の持つ、本来の美しさを引き出すことをコンセプトとしている
設立からわずか4年で急速に成長し、驚くことに2018年には1億ドルを売り上げるまでに至っている。

それだけ多くの支持を得ている原因は何なのか・・・!?

【ターゲットは?】
前述した様に、Glossierのブランドが立ち上がる背景にはブログ「Into the Gloss」の熱心な読者によるファンコミュニティの存在が。
そもそも、コスメフリーク達を囲い込んだこのブログが本当にすごいのですが。。
幅広い年齢層に好まれている様ですが、ボリューム層は18歳~35歳の女性
ただ、Instagramでは男性ユーザーのタグ付けも散見され、ちょっと気になる。

4つのバリューから探るGlossier

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①Product
まず、商品。
こちらは前述した通り、肌本来の美しさを引き出す、パラベンやアルコールフリー、すべて自然の成分で作られている、肌へのダメージなしでメイクが楽しめるアイテムを展開。
また、動物実験をしていない、近年気になるサステナブル的な信念も。
もちろん、ナチュラル成分というだけでなく、見たままの発色が手に入る、メイクアップアイテムとしてのクオリティも評価されています。

そして、もう一つ言及しておきたいのが、顧客の意見を徹底的に取り入れていること。
積極的に口コミ投稿を促したり、Instagram上のフォロワーを集めたミーティングコアユーザーを食事会に招き、直接ヒアリングする事も。
顧客の意見をもとにつくられた製品も開発されている。

②Price
次に価格。
メイクアップコスメで$10~、スキンケアアイテムで$30くらいの超手に取りやすい価格
日本でいうとドラコスにあるコスメくらい。この位だったら気兼ねなくガンガン使えるし、色違いで沢山欲しい。
ターゲットの18~35歳の年齢にぴったりはまるプライスではないでしょうか。

③Place
ブランド設立当初はECのみの販売でしたが、現在(2020/2月時点)ではNYとLAに直営店をオープン。
ECがメインということもあり、サイト内には「自分の肌の色にぴったりなカラーはどれか」がわかるツールが充実。

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スマホやPCの画面と自分の肌の色をじっくり見てぴったりのカラーを見つけられそうです。
あと、注目してほしいのは右下にある文言!
「これでもまだ自分のカラーがわからなかったら、メールしてくれたらSTAFFがカラー選びをアシストするよ」の言葉が!
徹底的に顧客に寄り添うシステムは素晴らしい。

④Promotion
GlossierはSNS上での販促がメイン
とりわけInstagramでは269.7万人のフォロワーを持つ、ビッグアカウントとなっています。
多額の広告費なしでも多くの人にブランドをリーチする為にざっくりと下記を徹底的に意識している様に思います。

1.ユーザー(顧客)との信頼関係の創出
2.ユーザー自身によるコンテンツの生成&拡散

1.まず、信頼関係の創出から。
Glossierは口コミをかなり重視しており、積極的にユーザーの口コミをSNSでリポストorリツイートしています。
ちなみサイト内商品ページにもしっかり掲載している。
あまり良い口コミでなくても分け隔てなく掲載しており、“ちゃんと意見を受け止めてる感”があるのは間違いなし。
また、口コミ自体をリポストでInstagram上に掲載&拡散することで掲載されたユーザーも自らがただブランドの消費者というだけでなく、能動的に参加をしている、と思える様になるのではと推察。
ただただ与えられたものを購買する壁打ち式より、ブランドに意見を出して、ブランド側がちゃんと答えてくれるというキャッチボール式のコミュニケーションの方がブランドのより深いファン化につながるんじゃないかと。

2.これは1の事象を受けてですが、
GlossierはユーザーがSNSに自社商品を投稿しやすい仕組みをつくっています。
例えば、「#glossierpink」というタグをブランド側で設定し、ユーザーがこれをつけて投稿することで、「自分はこうやって使っている」「これとこれが特にお気に入り!」「良いよねそれ」といった感じの独自の使い方を紹介したり、ファン同士がメイクの仕方を参考にしたりとより深いコミュニティ形成されています。
また、商品にブランドロゴのステッカーを付属しており、ユーザーはそのステッカーと購入商品を撮影して投稿することができる。
そうすることで、「#cosme」とつけた沢山の投稿のなかでも一瞬でGlossierのブランドロゴを発見することができ、その投稿が気になった非ユーザーを上手くいけば取り込める・・・といった流れが出来ています。

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ちなみに、17年からは「アンバサダープログラム」を実施しており、Glossierから提供されたクーポンコードを使って商品を宣伝すると、売上の一部がインセンティブとしてユーザーに入ってくる仕組みに。
こうする事で、新規のファンの取り込みも抜け目なくできているのではいでしょうか。

GlossierにとってSNSの立ち位置って?

前述した内容を踏まえて、GlossierはSNS(とりわけInstagram)を単なる販促手段としてでなく、顧客とのコミュニケーションツールとしても使用している様に思います。
運用によって、新規の取り込みだけでなく、既存ファンとブランドとの信頼関係を深める様な使い方をしているのではないでしょうか。

顧客とのコミュニケーション構築のためのSNS作り

具体的に、Instagram上のどのコンテンツからコミュニケーションが生まれているのか。
個人的に「いいな~と思ったポイントを挙げていきます。

1.ポスト
ポスト(投稿)はざっくり分けて3タイプの投稿かなと。
1つは製品や製品・ブランドイメージを表現した“クオリティの高い”画像。
2つ目はそこそこフォロワーがいる(3万~10万フォロワーくらい)のインフルエンサーが製品を紹介している投稿。
3つ目は顧客の投稿のリポスト。
この組み合わせで、「クオリティの高い画像でブランドの世界観を担保しつつ」、「インフルエンサーで新規層にリーチしつつ」、「顧客の意見というリアリティある部分を紹介」がカバーできているのかなと・・・。

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2.ハイライトの使い方

ハイライトの使い方が超良い。(語彙力がない)
1週間前に来た質問をまとめて掲載しているコーナーがあるんですが、
これは新規客・顧客共にすごくありがたい機能なのでは。
しかも、「step1.ポスト(またはストーリーズ)で気になるアイテムを見つける」→「step2.ちょっと気になるけど不安要素あり。でもサイトに遷移して商品ページ探してみるのもダルい」→「step3.ハイライトのお問い合わせが集約したものを見て、自分が気になってた内容がその中にあれば解決(知恵袋的な感じ)」or「なくてもサイトのお問い合わせ欄で問い合わせるより楽だからInstagram上で問い合わせてみよう」とInstagram上で全部解決するからすごく便利。
SNSに慣れているターゲット層にぴったりの仕組みな気がします。

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まとめ

Glossier成功の要因とは?
①こだわりのある製品とSNSの利用でもともとEmily Weiss氏のブログの読者だったコスメフリーク達の囲い込みに成功
②単なる商品の提供者としてのブランド→消費者の関係性ではなく、ブランド⇔よりよいブランドを作るためのご意見番としての消費者 の関係性
③②を作り出すためのSNS戦略。#でのファン同士のコミュニティの深化やファン自身が情報発信し、新規潜在顧客に営業する「アンバサダー」の仕組み
④ターゲット層にマッチしたInstagram上で完結するスピーディな「お問い合わせ」

また長くなってしまいましたが・・・ご読了頂きありがとうございました、今週は以上です!
とりあえずひたすら書いて慣れろ精神で続けます~




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