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RENAの軌跡

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シンガーソングライター 鳥居れなさんの連載エッセイを、まとめました✨ 幼少期や10代の頃を、感じたままに綴られています⏳ 語り口がユニークで、一篇の物語としても楽しめます📖
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2021年2月の記事一覧

06. カメレオンになるまで

06. カメレオンになるまで

鳥居れなはカメレオンです
ふだん曲を書いたり、歌を歌っています。

私の歌を聴いてくれる方々にはよく、
「曲によって人が変わるよね」と言われる。

本気で音楽の道に進みたいと決心した
高校2年生当時の鳥居れなは、コピー機だった。

その当時はよく
「本家に声似てるよね」と言われた。

コピー機からカメレオンに至るまで。
鳥居れなの歌はただのモノマネだったのだと思う

人生で初めて受けた
テレビ番組

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05.お団子きんちゃんくうちゃん

05.お団子きんちゃんくうちゃん

兄がまだ、髪をツンツンしていなくて
眉毛もぼうぼうとしていた頃
2人でよく泥だんごを作った。

幼少期に住んでいた平家の縁側からは
大家さんの畑が見えていた。

私が覚えている大家さんは
頭の毛が綺麗な真っ白で、
とても姿勢がいいお爺ちゃん。

兄と私が家の裏で遊んでいた時、
大家さんが畑仕事をしに来ていて
「畑に入るな!」と
大きな声で叱られたことがあった。

だが、お天気が良ければ
子供という

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04.最後は自分だけ

04.最後は自分だけ

今でも鮮明にあの恐ろしい情景を覚えている。

5歳当時住んでいた
ガラス戸の玄関の平家で、大人抜き
子供4人だけでお留守番をするという
わくわくな日だった。

子供4人というのも、
私、兄、ご近所に住む兄と同い年の幼なじみ2人
ふうちゃん と たつやくん、だった。

母が出て行き、いよいよ子供達だけの
どこか秘密基地のような冒険気分な空間に。
私たちは6畳の和室に布団を敷いて「かくれんぼ」や「家族

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03.よーちゃん

03.よーちゃん

鳥居れなには、ふたつ年上の兄がいる。

本当に鳥居れなの兄なのか?
と疑う程に綺麗で、山のように高い鼻が
シュッとした輪郭の顔の中央にくっついている。
しっかりと。

みんなに(よーちゃん)と呼ばれていた。

兄は小学5年生までは
ふっくらとしていた。
まゆげが濃くて、くせっ毛。

うっすらお髭なんかも生え始めていて、
芋っぽい、という印象だ。

それがある時、突然。
「おれは今日から、お母さんと

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02.泥棒

02.泥棒

子供時代に大切にしていたことといえば。

家から子供の足で歩いて15分程のところにある
いつもちょっと薄暗い駄菓子屋。
大津製菓。
お菓子が山のように陳列された夢の空間だ。

おばちゃんは話し方が雑であまり優しくない、
おまけにちょっと太っている。
おじちゃんは滅多にお店には出て来ないから
顔も覚えていない。ただ稀に顔を出す時はいつも
長いコック帽を自慢げにかぶっていたのを覚えている。

大津製菓

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01.鳥居れな

01.鳥居れな

はじめまして
このノートを開いてくださり
ありがとうございます

名前は 鳥居れな といいます。
人間の形で息を吸ったり吐いたりしています
大きく吸って吐ける時間といえば
音楽をしている時です。

https://youtu.be/uORBYPLP-jw

知ってもらうには言葉で伝えるより
音を聴いてもらうのがよい。

誕生日 1998年3月26日(木)くもり
血液型 A型

すき  ・線の細かい

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