ISO 30414 と 「人的資本」 について勉強したら就活時代を思い出した
🚧 注意書き
※ この note は自分の学んだことや感じたことを書いただけの「ノート」のため、教科書を期待されている場合は「思ってたんとちゃう」となる可能性があります。
🥷 こんにちは
株式会社チームスピリットでエンジニアとして働いている ronoe です。
普段は自社開発のエンタープライズ向け勤怠管理プラットフォームである「TeamSpirit EX」の開発に従事しています。
今回は社内横断の SDGs プロジェクトの一環として、最近学び始めている「人的資本」についてのノートと、考えたことを書きたいと思います。
🐙 「ISO 30414」 ってなんですか?
タイトルにもある「ISO 30414」をご存知でしょうか。
人的資本について情報収集しようとしている方は既に目にしているかと思いますが、この ISO 30414 を正しく説明できますか?
僕はまだ出来ません。
ISO 30414 とは
ざっくり噛み砕いてみると
「ヒトにまつわる様々な数字を可視化して、それを開示したら人的資本のマネジメント状況がクリーンになるよ」
といった感じでしょうか。
最近勉強し始めたので間違っているかもしれませんが。
自分の所属する会社でも SDGs に対するアクションが活発化して行く中で、
ESG 投資の話題から ISO 30414 のことを知りました。
「Team Spirit EX」は勤怠管理のクラウドサービスなので、開示が推奨された項目について、どの項目の開示を補助できるかな、などと考えていました。
そのあたりは今後、製品サイトなどで開示の補助が可能な項目について案内が出たりするかもしれませんね。
💵 じゃあ、「人的資本」は?
2020 年に経済産業省より「持続的な企業価値の向上と人的資本に関する研究会報告書」(通称:人材版伊藤レポート)が公表されているようです。
これの概要版に、人的資本の考え方についてわかりやすい対比の図があったので、その中から「人材マネジメント」と「雇用コミュニティ」について抜粋して作図してみました。
※ 実際には「イニシアチブ」や「個と組織」など 6 カテゴリについて細かく図説されているので概要版だけでも覗いてみてください。
概要版の書き始めにも記載がありますが、
人材は「人材」ではなく「人財」である認識の下、議論されているようで
企業が抱える「コスト」から「財産」と、見方が 180° 変わっていますね
これまでの「企業が労働者を選んで採る」関係から、
お互いに対等な立場で選び合い、高め合っていく関係性に。
これは既に企業も労働者も、意識が変わってきているように感じます。
📜 "人的資本" って、当たり前なのでは……?
この "人的資本" という概念はなぜ今まで注目されていなかったのかな と少し不思議に思ったりしました。
自分が勉強不足でただ視界に入っていなかっただけの可能性も大いにあるのですが、SDGs への注目の高まりに伴い、ESG 投資の文脈で注目され始めたのかな、と(勉強を進める中で)感じています。
自分は社会人になってから 10 年も経っていないペーペーではありますが、就職氷河期後、企業と労働者の力関係が傾いてきた頃に就職活動を行い、その頃よく耳にするようになったワードが「ブラック企業」でした。
記録に残らない残業、給与から引かれる謎の費用、採用ポジションと異なる業務、毎日終電での帰宅、強制される飲み会、鬱で休職、etc.
これから就職しようという若人の耳に入ってくるのは暗い未来の話ばかりで、誰もが「自分はブラック企業になんて絶対入らないぞ!」なんてピリピリしていた気がします。
(当時の自分はデザイン業界へ就職しましたが、デザイン業界は特に黒に近いグレーな職場が特に多く、痛い目を見ました。今はどうなのでしょうか……。)
ネガティブな話題は大きく取り上げられがちだということを差し引いても、これほど注目されるポイントが変わっているというのは、人類の進歩を感じます。
人的資本が注目され始めるよりも前、その当時はその時の課題を抱えていて、それらが解決されてきたから次のステップに来ている、ということでしょうか。
🦉 「はぇ〜、企業も大変だなぁ。」 ではない
ここまで "人的資本" とは「会社に所属する人材について、資本であると認識を改めていきましょう」という考え方であるということを ISO 30414 から関連して(脇道に逸れつつ)見てきました。
ISO とは国際規格であり、いち個人に当てはめるものではありませんが
人的資本とは人にまつわる考え方ですよね。
自分の所属する組織、取引先、これから関わるかもしれない企業から、労働者である自分たち個人を見る視点は、今までから多少なりとも変わってくるはずです。
前半でも図化したように「選び、選ばれる関係」へ、企業と労働者間で対等な関係が築かれていくことと思いますが、
これは「自分たちが選ばれ続け、選ばなければならない」ということです。
自分が提供できる "資本" が可視化され始めることで、これまでよりも正確に「自分のスキルに見合った報酬」が用意されるのではないでしょうか。
人的資本について考えなければならないのは、会社だけではないようです。
次回は、個人が自分自身の「人的資本」について考えられることをテーマに考えてみようかと思います。