人的資本は不幸の上に成り立たないらしい
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人的資本は不幸の上に成り立たないらしい

ronoe

👀 注意書き


※ この note は自分の学んだことや感じたことを書いただけの「ノート」のため、教科書を期待されている場合は「思ってたんとちゃう」となる可能性があります。


🧢 こんにちは


株式会社チームスピリットでエンジニアとして働いている ronoe です。

普段は自社開発のエンタープライズ向け勤怠管理プラットフォームである「TeamSpirit EX」の開発に従事しています。

前回は、「人的資本」のワードを ISO30414(人的資本に関する情報開示のガイドライン)を軸に学んだり考えたりしたことを書きました。

今回は「人的資本」のワードから、自分自身が社会に対して提供できる「人的資本」について考えたことを書いてみたいと思います。


🔖 おさらい


会社に所属する "ヒト" がコストではなく資本と捉え直され、数値化されたものが開示されていくようになることで、
個人でも「自分がどんな資本となり得るのか」を考えないとね、との気づきがありました。

🪙 無形資産と有形資産


突然ですが、有形資産とは物理的な資産です。
これまでの多くの企業は有形資産を生み出し、商売を行ってきました。
電気屋にある洗濯機も、いつの間にか楽天から届くスイーツも有形資産です。

良いものを作りたくさん売ることが利益に繋がる時代を経て、現在は無形資産を提供することで莫大な利益を上げる企業が増えています。

Netflix ではドラマやアニメを「視聴する権利」が、
Uber Eats では買いに行く「手間や時間を省くサービス」が提供されており、目に見えず手に取ることができない無形なものにお金を払うことが多くなりました。

ヒトで考えても同じことが言えるように思います。

  • 大規模なプロジェクトマネジメントをします!

  • オンライン会議で3ヶ国語の通訳をします!

  • 柔軟なシステムの設計・構築をします!

  • 大口の顧客に最適なサポートをします!

これらは無形ですが、現代において大きな価値を生む能力だと考えられます。

これは「有形資産 < 無形資産」という話ではなく、無形資産の価値が大きくなっており、「無形資産」単体や、「有形資産 × 無形資産」でのチャンスが広がっているということです。

PC 1台あれば仕事ができるようになってきたことを思うと、ビジネスだけでなく、ヒト個人としても「チャンスが広がっている」ということですね

coconala というプラットフォームをご存知でしょうか?

ココナラは、ビジネスからプライベート利用まで、個人のスキルを気軽に売り買いできる日本最大級のスキルマーケットです。

ココナラを知る 初心者ガイド より引用

(実は学生時代に出品者側として利用し、小銭を稼いだことがありました。)


💭 人的資本における有形資産と無形資産


では会社に所属するヒトとして、提供できる有形資産と無形資産とは何かと考えてみると
そもそも一般的な会社員は労働契約を結び、時間やスキルに応じた報酬を受け取っています。

個人が会社に有形なモノを提供する対価として金銭を得ている人も存在しているとは思いますが、
一般的には「無形資産(スキル)を売っている」わけですね

つまり会社は、ヒトという「コスト」を抱えているのではなく、人件費を対価に、「無形資産」を抱えているということになります。

おお、一周回って前回の記事と同じところに着地しました。

そして、ISO 30414 の制定によって人的資本を開示する動きが活発になると、今まで無形だったヒトに関する資産が数値化されるわけですね

ISO 30414 で定義されたいくつかの項目を見てみると

  • 年齢・性別・障害

  • リーダーシップの信頼性

  • エンゲージメント/従業員満足度/コミットメント

  • 学習および成長

かなりざっくばらんに、広範囲に項目が作られているように感じます。

会社への貢献度を上げるために自身の何を伸ばせばよいかを考えたいところですが、売上だとか契約数だとかの評価指標になりがちだった "数字" 以外にも資本として捉えられる属性は多そうです。

これはつまり、一見目立たない(派手ではない)けど、円滑に仕事をする上で実は大事な所作や行動が評価されやすくなっていくということではないかと、期待がかかります!


📢 人的資本の社内開示


人的資本の開示は ESG 投資を行う投資家に対して、人材マネジメントの透明性をアピールする上で有効でありそうですが、
ISO 30414 で定義された人的資本の項目の全ての開示が推奨されているわけではありません。

定義されている項目は社内外のどちらでも有効で、会社の規模によっては社外に開示すると良さそうだね、というものになっています。

つまり、投資家にアピールするためだけの数値ではなく、
社内の人材マネジメント上でも有効な数値ということで、
この数値を元にマネジメントがされていくと考えられるのではないでしょうか。

先のブロックで書いた、「一見目立たない(派手ではない)けど、円滑に仕事をする上で実は大事な所作や行動が評価されやすくなっていくということではないか」もあながち間違っていないかもしれませんね


🦾 スキルって常に発揮できないよな


ゲームの世界のように、スキルを発動したら効果が発動するような仕組みならよいですが、残念ながらワクチンの副反応にヒトは勝てません。

重い体調不良はわかりやすく、しっかり休息を取ることで改善されますが、
「ちょっと寝不足かも」「胃腸の調子が良くないな」のような、
別に業務は進められるけど若干の支障が出ている状態もあって
こういう場合、スキルの能力発揮が 80% くらいになっているような気がします。

長めの睡眠や胃腸薬など、早めに対処したほうがよさそうです。

体の健康面が大事なのはもちろんですが、精神面はどうでしょうか。


🤞 幸せな社員は創造性が3倍、生産性が31%高い


2017 年と数年前のカンファレンスなので、現在はアップデートされているところがあるかもしれませんが、こんな公演がありました。

慶應義塾大学大学院教授の前野隆司氏によると

すべての人は幸せになるべきです。幸せについてはたくさんの研究が行われています。「幸せな社員は不幸せな社員よりも、創造性が3倍高い」という研究があります。「幸せな社員は不幸せな社員よりも、労働生産性が1.3倍高い」という研究もあります。アメリカや日本で、たくさんの研究が行われています。

「たくさんの研究」がどんな人を、何を幸せと定義して、何と比較した研究なのかは説明されていないので全てを鵜呑みにするのは良くないですが、
このカンファレンスでは「幸せな働き方とは何か」を定義し、「働き方改革は長時間労働をやめるのではなく、幸福度を上げるべきだ!」と結論付けています。

公演内で、「心の幸せ」も「体の健康」も良好にする経営が Well-Being 経営であると説明しています。
このノートがウェルビーイング経営の話題にまで広がるとは思いませんでした。

心の幸せについても、「金や地位ではない」「安全や利他性である」と定義しており、幸せの分析結果として 4 つの因子と、それぞれの因子について事例を交えて深堀りしています。

上記のリンクは公演の書き起こしなので、是非見てみてください。
ななめ読み 5 分、じっくり読み 30 分くらいで読めるかもしれません。


😈 "幸福" って言葉、身構えてしまう問題


寄り道ですが、「幸福」って言葉、身構えてしまいませんか?

幸福の壺や石のようなグッズ、怪しい幸福を定義する団体など、
本当は「幸福」ってポジティブな言葉のはずなのに、なんだかネガティブなイメージがついてまわる気がします。

少し考えてみると、「人生の幸福が何か」は誰にもわからず、人によって大きく異なるものなので、一方的に「これが幸福だ!」と押し付けるものは大概、幸福の追求を諦めた境地への誘いであり、「避けるべきもの」という認識からネガティブなイメージがあるのかもしれませんね。
(※特定の商品や組織を批判するものではありません。)

ちなみに、先程のカンファレンスでは「仕事をする上での心の幸せとは何か」を語った上で、最終的には「不幸な働き方をやめるべき。」と締めくくっており、
「仕事をする上での幸せ」に焦点を絞った上で「排除すべきは不幸」としているので、あまり身構えずにフラットな気持ちで読んで大丈夫だと思います。

本当は気軽にお互いの幸せについて語れる世界であってほしいし、
自身の幸せの探求を諦めないでほしいと思っています。


🥁 人的資本は不幸の上に成り立たないらしい


このセンセーショナルなタイトルは誤っているかもしれません。
人的資本の項目として「年齢」や「性別」がありますが、これらは心の幸せによって奪われるものではありません。

ただ、年齢によるポテンシャルや、性別や性格による視点の違いで発揮できる何かがあって、心や体の健康によって損なわれるものだとしたら、先天性の属性についても影響があると考えて良さそうです。

いやぁ、それにしても「体調も万全にして幸福であり続け、なおかつ自身の資本を磨きましょう」だなんてとんでもなく難しいことを要求されていますね。

それだけで生きていく自信を無くしてしまいそうですが、これらは必須ではなく、より良い状態を目指すための指針や目標のようなものと捉え、
今の自分にできる最良を「できた!」と認めることが最優先な気がします。

最近リニューアルした弊社サイトのリンクが唐突に挟まりましたが、
「すべての人を、創造する人に。」を伝えたい気持ちの表れです。

「幸せな社員は創造性が3倍」なんて話もありますが、
TeamSpirit, TeamSprit EX はバックオフィス業務や勤怠・工数の時間管理を同一プラットフォーム上で行うことで社員ひとりひとりの可処分時間を増やしたり不幸な業務を減らすなど、社員の資本を最大限活かす仕組み作りをサポートします。

今後は一人ひとりの創造性を更に上げるべく、目標管理などの人的資本磨きに寄与するプラットフォームへの成長も目指しているので、注目いただけると面白いかもしれません。


⛓ 次は何を学ぼう


社名を出してはいますが、この note は割と自由に書いているので、会社のことをどれくらい話してよいか迷いつつ最後は濁しめの紹介をするなどしましたが、もしかしたら公開後に多少リライトが入るかもしれません。
(嘘はついていないので多分大丈夫だと思う)

SDGs 活動をする上で、人的資本とは何か、からウェルビーイング経営まで広がったノートを書けて、すごく勉強になりました。

次はエンパワーメントやウェルビーイング指標について学んだことを考えてみるかもしれません。
予定は未定。


ronoe
TeamSpirit EX の開発チームにいるエンジニアです 学んだり考えたりしたことを書いています