歩くおしり

化学修士→半導体技術職。 サウスパーク/サガシリーズ/スピッツが大好き。お絵かきが趣味…

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化学修士→半導体技術職。 サウスパーク/サガシリーズ/スピッツが大好き。お絵かきが趣味です。

最近の記事

どこまでも変わっていけるということ⑥

中3の秋、私は相変わらず不登校のままで、毎日毎日塾の自習室で過ごしていた。 不登校なので時間だけはたっぷりある、とはいっても、今までまともに勉強してこなかった自分がそう簡単に"人並み"のレベルに追い付けるなんてことはなかった。 特に国語・数学・英語などは、今までの積み重ねの差が顕著に表れるものだと、周りの大人は口を揃えて言う。 実際、都立高校入試向けの塾内模試を何回か受けてみたけど、いつまでたっても平均30点くらいしかとれなかった。 空間図形の応用問題なんか一度も解けなか

    • 知らない場所にいきなり行きたい話

      不意に、「どこか遠く、知らないところにいきたい」と感じる瞬間ってあるとおもいます。 22年6月の金曜午後、私もそんな突然の欲求に突き動かされて、 勢いのままに着替えとリモートワークセットをスーツケースに詰め込み、 名古屋から博多行きの新幹線に乗りました。 4月から激務(自分比)が続いたことと、GWもなかなか旅行に出かけられなかったこととが重なり、じんわりと疲れが蓄積していました。 私は愛知県で車載半導体工場の生産技術者として働いており、製品ラインの生産性向上やトラブル対応を

      • どこまでも変わっていけるということ⑤

        とりあえず不登校となったはいいものの、完全に身を持て余していた私は、地元の学習塾に通ってみることにした。 この学習塾は、Aさんとまだ仲が良かった頃、一度話題に出た場所であった。 「兄貴が昔ここに通っててさ。いいところだったみたい」 「でもうちは親父がいなくて金ないから。うちは塾なんか通わないかな」 そんな言葉を聞いたような気がする。 席は一人ひとりパーテーションで仕切られ、講師:生徒が1:4で、1コマ80分。ほどほどに放っておいてもらえるような雰囲気の個別指導塾であった。

        • どこまでも変わっていけるということ④

          日本における年間の推定自殺者数は約15万人と言われているそうだ。 昔は、「死のうと思って死ねるなら、そのエネルギーで十分に生きていけるのではないか」などと軽率に思っていた。 でも実際に自殺が行われる時というのは、しようと思ってするというよりは、追い詰められた結果「気づいたら自殺していた」という感覚の方が近いのではないかと思うようになってきた。 私の人生は決して明るいとは言えないけれど、少なくとも就職するまでは、自殺しそうになったことや頭によぎるようなことは一度もなかった。

        どこまでも変わっていけるということ⑥

          冬のごちそう

          大学生になるまでずっと、「中華まん」という種類のまんがあるとおもっていました。歩くおしりと申します。 毎年寒くなってくると、この話を思い出して中華まんが食べたくなります。 クリスマスに向けて12月も折り返しとなりました本日は、心も身体も温まる冬のごちそうについて皆さまと共有させていただきたいとおもいます。 皆さまは、冬のごちそうというとどんなものをイメージされるでしょうか。 温かいスープやシチュー、グラタンやラザニアなどのオーブン料理、 すき焼きやお肉のグリルなども定番か

          冬のごちそう

          お試し断酒 余談

          9月初旬、2週間の断酒をしていた際の余談。 14日間、ただ酒を抑えこんで過ごすのではおもしろくないなとおもいまして、 せっかくなので「ノンアルコール飲料」というものをいくらか試してみました。 これはいつか、妊娠・出産の機会でもあればのお楽しみにとっておこうとおもっていたのですが。 というわけで、今回試した合計14種類のノンアル飲料がこちら。 といいたいところなのですがスマホ故障により消えてしまったので、おいしかった記憶のあるものだけもう一度買ってきました。 結論としては

          お試し断酒 余談

          お試し断酒(完)

          断酒生活2週間を無事に終えました。歩くおしり(28)です。 前回、「三日坊主にならないよう、断酒3日目も更新します」などと抜かしていた割に、連日早々に寝てしまい更新できていませんでしたが、非常に充実した(?)断酒生活を送っておりました。 今回の目標達成度としては下表の通りになります。 自分でおもったよりはきちんとできていました。(断酒以外は達成度50%くらいになるかとおもってましたが) 心配していた精神的・身体的ストレスも特に感じることなく、しっかり休肝できたとおもいま

          お試し断酒(完)

          お試し断酒

          アル中予備軍の歩くおしり(28)です。 ほぼ毎日、日本酒4合分のアルコールとおいしいごはんを嗜む生活を送っております。 そんなエリートデブの私ですが、今回はお試しで2週間の"断酒"をはじめとしたストイック生活を送ってみようと思い立ったので、 忘れないようにここに宣言したいとおもいます。 なぜ急にこんなことをしようと思ったのか、という話なのですが、主な理由としては下記が挙げられます。 ・5月からダイエット記録をつけており、ここで生活習慣を変えてみるとどの程度影響があるのか実

          お試し断酒

          どこまでも変わっていけるということ ③

          Aさんも、学校生活の中で、徐々に変わっていった。 私と同じように、靴下はハイソックスに変わり、スカートは膝下から膝上になり、可愛いヘアピンをつけるようになった。 「Aさんかわいい~!!!」とBさんが大声をあげているのを見て、少し複雑な気持ちになった。 それでも、Aさんが芋っぽかった印象から可愛らしい装いへと変わり、Bさん(="普通"の人)と楽しく過ごしているのを見て、 これがきっとAさんの望んでいたことなのだろうと、これでよかったんだろうなと、そう思っていた。 ここまでな

          どこまでも変わっていけるということ ③

          どこまでも変わっていけるということ ②

          中学2年生の夏、日本へ帰国して公立中学校へ転入した私は、小学校時代と変わらず"陰"のオーラを放ってしまっていたものの、 だいぶお絵描きスキルが上がっていたこともあり、似たような趣味の友達ができたのであった。 転校初日に話しかけてきてくれたその子、"Aさん"はとても絵が上手だった。 私と同じくスピッツのファンで、ヴィレヴァンが似合うタイプの、妖しい魅力あふれる女の子。 当然すぐに仲良くなった。 正直言って、「こんなに他人に惹かれたのは初めて」だというくらい、好きになってしま

          どこまでも変わっていけるということ ②

          どこまでも変わっていけるということ ①

          「あんた、生きてる価値ないよ」 そう言われた中3の夏から、14年経った。 人に「性格」というものがあるなら、それがいつどのように決まるものなのかわからないが、少なくとも未就学児の頃から私は非常に内気な人間であった。 同い年の女の子はみんな勝ち気で、運動神経がよくて、ローラースケートに乗って元気に走り回っていた。 一方の私は、おままごとの役割すらうまく演じられず、シロツメクサの花冠も満足に結えず、いつも訳が分からなくてぐちゃぐちゃと泣いていた。 小学校低学年の頃は、ひとりで

          どこまでも変わっていけるということ ①