知らない場所にいきなり行きたい話
不意に、「どこか遠く、知らないところにいきたい」と感じる瞬間ってあるとおもいます。
22年6月の金曜午後、私もそんな突然の欲求に突き動かされて、
勢いのままに着替えとリモートワークセットをスーツケースに詰め込み、
名古屋から博多行きの新幹線に乗りました。
4月から激務(自分比)が続いたことと、GWもなかなか旅行に出かけられなかったこととが重なり、じんわりと疲れが蓄積していました。
私は愛知県で車載半導体工場の生産技術者として働いており、製品ラインの生産性向上やトラブル対応を主な業務としています。
通常は出勤して現場につきっきりなことが多く、在宅勤務していても、状況に応じて途中から出勤することもザラです。
しかしこの時期は、世界情勢の煽りを受けたこともあって現場対応がほとんどなくなってしまい、
入社以来最初で最後かもしれない、絶対的な「お暇」が私に与えられたのでした。
そんな背景もあり、このまたとない機会に、心身をリフレッシュさせるための気まま旅に出てみようかと、無計画に自宅を飛び出しました。
私の実家は東京、親の実家は愛知にあるので、東京ー名古屋間の新幹線はよく乗っていました。
でもその外側にはほとんど行ったことがありません。
沖縄を除けば、一番西でも広島くらいまでです。(広島では、酒まつりと宮島の牡蠣を楽しみました)
東海道新幹線の電光掲示板で「博多行き」を見る度に、とても遠い場所なんだろうというのはなんとなく感じて、不思議な未知への憧れのようなものを抱いていました。
博多がどんな雰囲気の場所なのか、名所や名物にも詳しくありませんでしたが、ごはんがおいしいことはなんとなく知っていました。
だから、無計画にとは言っても、少なくとも後悔することはないはずです。おいしいごはんは大好きなので。
すぐ飽きちゃったり、万が一期待外れだなと思っちゃったり、仕事で呼び戻されたりしちゃったとしても、何かおいしいお土産でも買ってスッと帰ってくればいいし。(時間とお金をかけて行ったからといって、無理に楽しもうとしなくていいということで。)
そんな感じの、ゆるいスタンスで向かうことにしました。

車窓は雨模様ですが、それも味があっていいですね。

新幹線にいる間に宿の手配を済ませ、食べたいものリストをじっくり作りました。

酢もつ、ごまさば、お刺身を連日食べまくったのでヨシ。
初日の夜、慣れない土地でキョロキョロしてしまいましたが、
さっそくおいしいお刺身をいただき、なんとか一息つけました。

@博多豊一 長浜食堂 https://fbcj100.gorp.jp/
サッポロ赤星のお店に外れなし。
宿は安心と信頼のドーミーインにしました。

いつ帰りたくなるか分からないので、とりあえず2泊予約。
温泉サイコーです。
ちなみに普段も、仕事に疲れたとき(3か月に一度くらい)は突然ドーミーインに行くやつをして精神を回復させています。三河安城が行きつけです。
温泉で移動の疲れを癒して、2日目はもつ鍋です。

@博多もつ鍋 前田屋 博多店 https://motsunabe-maedaya.com/
ごまさば食べたかったのですが、品切れのため、ごまかんぱちをいただきました。
初めて知った料理なのですが、むちゃうまです。
あと、馬刺し・酢もつ・もつ鍋もおいしかったです。
万が一でもすぐ帰りたくなったら、なんて杞憂でした。
マジで "博多最高" の気持ちになり、即連泊予約。

@天下の焼鳥 信秀本店 https://nobuhide.gorp.jp/
博多は焼き鳥がおいしいというのも今まで知らなかったのですが、名店が多く並んでいるみたいですね。
ここも、開店直後に入店はできたのですが、人気店のようで40分ほどしか滞在できないとのこと。
焼き鳥と酢もつと馬刺しを芋焼酎で流し込み、さっと退店しました。
ビールはアサヒビールを取り扱っていたとおもいます。
少し物足りないので、屋台を探して中洲を練り歩きましたが、梅雨の時期だったためかほとんど屋台に出会えませんでした。
気づけばごはんを求めて3万歩も歩いてしまい、疲れてお店に入るのも面倒なので、駅ナカのスーパーを覗いてみることにしました。
地元スーパーの雰囲気っていいですよね。
そこでゲットしたのがこれ。

玄界灘産のお刺身たち
地酒っぽい芋焼酎「中洲」でいただきました。
酒で記憶があいまいなので、鯛となんだったか忘れましたが、合計1000円ほどで買えるスーパーのお刺身とはおもえないほどコリッコリでおいしかったのは覚えてます。
九州北西に広がる玄界灘という海域は大変豊漁で、魚の質も非常に高いのだそうです。

@博多水炊き とり田 博多本店 https://toriden.com/
正直、水炊きが一番楽しみだったので、この日は朝からずっとテンション爆上げでした。
昼間はオシャレな気持ちで天神地下街を練り歩きながら、「今晩は水炊きだからなフフフ」と無敵デブの気持ちになっていたことをおもいだします。
ここもサッポロ赤星のお店ということで選びました。念願のごまさばや、明太子にもありつけました。
あと、雲丹湯葉とかいう字面だけでもすでにおいしい小鉢が出てきて、幸せを噛みしめていました。
ここまで4日間、九州の芋焼酎をしこたまいただいてきたのですが、
大体の銘柄は飲んでしまったのと、どれも同じくらいおいしかったので、このお店ではお値打ち黒霧島をボトル(900ml)で注文することにしました。
ボトル注文は珍しいのか、厨房奥から「ボトルゥ!?」という叫び声が聞こえてきました。
お上品なお店だったのでちょっと恥ずかしかったです。
でも、おいしい水炊きをおなかいっぱい堪能させていただき、大満足の気持ちで宿に戻りました。
福岡で色々な芋焼酎をお試ししたわけですが、「やっぱり霧島シリーズはうまいな」というのが私の最終結論になります。(あとは一刻者も好きです)

@博多 魚蔵 https://uokura-hakata.com/
もつ鍋や水炊きなどのメインは制覇したので、ここで再度おいしい海鮮のお店を調べて、伺いました。
ここはなんと、サッポロのSORACHI1984を提供している貴重なお店です。
私が世界で一番好きなビールです。
都ホテル、というハイクラスホテルの1階店舗ということで、結構敷居が高いような"良いお店"だったので、客として座っているだけでちょっと背筋が伸びます。
なんだかお上品な気持ちで、一口ずつていねいにおいしくいただきました。
いかの活き造りはコリコリでなめらかで無限焼酎でしたし、ゲソを天ぷらにしていただいたのも無限ビールでおいしかったです。
6日目は昼間の観光(お散歩)メインで歩き疲れていたのと、博多めし欲もある程度満たされてきていたのと、相変わらず屋台があまり出てないのとで、博多駅ナカのお惣菜をいただきました。

阪急のお惣菜
駅ナカの高級お惣菜が大好きです。
左下のじゃがいもとホタテとエビのグリル(量り売り)、目の前で注文していたおばさまが「ちょっとお!! じゃがいもいれすぎじゃない!?!?」とマジギレしていてバイタリティを感じました。

ドーミーインの夜鳴きそば
飲みすぎてて記憶がないのですが、ドーミーインで21時以降に無料提供してもらえる夜鳴きそばをいただいてたみたいです。
おなかすいちゃったんですかね。
まったく記憶ないのですが、わざわざレストランに赴いて写真をバッチリ撮れるくらいの正気は保ってたみたいです。

@博多一双 http://www.hakata-issou.com/
これが最終日となりました。
この日は木曜でしたが、金土日と愛知で予定が入ったので、ここで〆ることにしました。
万が一にも帰りたいなんておもうどころか、博多に住みたくなっちゃったんですけどね。もっと長くいたかったです。
ということで、豚骨カプチーノという二つ名のあるらしい、博多一双さんの博多ラーメンを最後にいただきました。
これ書きながらおなかすいてきちゃいました。また食べたいです。

玄界灘産の鯛と、鶏刺し
帰りの新幹線は、地元スーパーに再び赴き、鯛刺しと鶏刺しを購入。
この鶏刺しと刺身醤油がものすごくおいしくて、これ普段使いで買える博多はほんとうに最強なのではないかとおもいました。
今後、新幹線で鶏刺しをいただけることなんてあるんだろうか。
結局6泊7日ガッツリ楽しんできちゃいました。
おいしいごはんをたらふく食べましたが、無限に太るのを防ぐため、昼間は仕事を早々に終わらせて、ずっとウォーキングをしていました。(博多〜ヤフオクドームあたり、6kmくらいの半径範囲を散策してました)

天神地下街でおしゃれ気分を味わいました
天神地下街おしゃれすぎて、売られている服すべて素敵に見えてしまうんですよね。
2着スカート買いましたが、今もすごくお気に入りで、いつも着ています。

気になりつつも、タイミング合わず立ち寄れませんでした

二段階右折の標識を初めて見た記念日

7日間、毎日2万歩以上歩いて観光した成果か、なんと旅行前-1kgで帰宅しました。

博多最高です。
もう"知らない場所"ではなくなってしまいましたが、これからは定期的に博多に行きたい欲がわいてきそうな気がしています。
次はさらに電車を乗り継いで、九州の奥まで行ってみるのもいいかもしれない。
人生の楽しみがまたひとつ増えてとっても嬉しかった話でした。
※本記事はあらBさん(Twitter: @ark_B)のアドベントカレンダー2023企画の一つとしてかかせていただきました。ありがとうございました。
https://adventar.org/calendars/8066