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Only me...
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※注意
「付かず離れず」のスピンオフストーリーです。
未読の方は短編集から本編をご覧下さい。
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AM5:30
寝る時には暑かったから付けたクーラーも、さすがに朝方になれば冷風が肌寒く感じられて、意図せず目覚ましの代用となった。
スマートフォンの時刻を確認し、まだあと1時間程は二度寝が出来そうだと思うと同時に、昨夜は疲れて2
pitch-dark
外回りの営業を終え、漸く一休みができると自分のデスクの椅子に座った途端、PCモニターに出た煩わしい社内チャットの通知が俺を辟易とさせた。
"ちょっといい"
そのたった6文字に、滲み出る圧倒的不満感に、俺は聞こえないよう小さく舌打ちをする。
『あ、…あの…すみません…』
隣のデスクからおずおずとか細い声で、申し訳なさそうに遠藤さくらが俺に声を掛けた。
『…飛鳥さんから呼ばれましたよね…。そ
チョコとほろ酔い、あとベッド
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「…マジ。…これ、俺のために…?」
恐る恐る手を伸ばした〇〇は、私から小さな正方形の箱を受け取ると、分かりやすく頬を朱に染めた。
『…嬉しい?』
「…うん、めちゃくちゃ嬉しい。」
少し、マウントを取り気味に上から目線で嬉しい?なんて聞いたけど、内心はドキドキしていた。
そんな私の心の駆け引きには一切気が回る様子もなく、彼は素直に嬉しいと言ってくれる。
そういう所
一途な独占欲と、諦観の許容範囲
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「…気付いてるかもしれないけど、俺は好きだよ。」
ようやく絞り出した俺の言葉に箸を止めると、遥香は一口だけ麦茶に口を付け、一呼吸置いた。
『…ありがとう。…でも、私はそういう関係としては、見れてないかも…』
「…そっか。」
『…何か、ごめんね。…そうだよね。こんな中途半端な関係だから、訳わかんなくなっちゃうよね。』
「いや!全然…俺は今まで通り…」
『…もう、来
【純潔攻防戦】予防接種の折チュー案
『やだ!!』
「ヤダじゃない!!いくよ!!」
『ヤダヤダヤダ!!無理!!絶対いや!!』
ぐんっと、ソファーにうつ伏せでしがみついて一向に動こうとしない絵梨花
もう今年で3回目だが、毎度当日の絵梨花は全く言うことを聞かない。一種の冬の風物詩と言える光景だ。
鍋、雪、クリスマス、そして
予防接種を頑なに嫌がる絵梨花。
「もう予約してるんだから、出ないと間に合わなくなるって」
『私は予約
Strawberry Breakfast
「おはよう、飛鳥様」
彼女の綺麗な黒髪を撫でて呼びかけると、まだ重たい瞼を擦りながら、はにかんだ表情で悪態をつく。
『何、飛鳥"様"って。キモイんだけど。どうした。』
バカにしたように笑う声も、少し乱れた髪も、シーツに顔を隠す仕草さえ、全てに愛情を注いであげたいほどだ。
彼女がそばに居るだけで、どんな朝だって、起きる理由になれる。
「今日は飛鳥のことをお姫様みたいに扱って、日頃の感謝を伝
わ、私、遠藤さくらの大学デビュー!!…です……。
夢に見たキャンパス
憧れていた、大学生活
新品のスーツ
ここから、新しく私の大学生活が始まるんだ…!!
そんな風に意気込んで、入学式が行われる講堂に向けて石段を歩み始めたのも束の間
パキッ…という音とともに、右側に私の視線が傾いた。
『ふぇ…?』
嫌な予感しか、しない。
恐る恐る右脚を見ると、買ったばかりのはずのヒールが折れていた。
『えぇ〜……なんでよ。…どうしよ…』
キョロ
最後のTight Hug LAST
「おはよう、飛鳥」
集中しすぎるあまり、○○が起きてきたことに気がついていなくて、ビックリする。
『…おはよう。』
「どうしたの、そんなに驚いて。」
『いや。…それより、はい。…郵便届いてたよ。…カードの請求書。』
「え……見た?」
『…とりあえず、3つくらい説明してほしい請求があるから、後で教えてもらうね。』
「終わった…。」
『どーせまた、変なガラクタ買ったんでしょ。』
「…
最後のTight Hug⑯
「ほら、史緒里。バンザイして。ばんざーい。」
『…うー…やっ!!』
キャッキャッと笑って部屋を走り回る史緒里を追いかける。
母親に似て明るく元気な子に育ってるなと、微笑ましく感じながら、俺は史緒里を捕まえた。
『えへへっ』
「史緒里。バンザイして、お服着なきゃキラキラのママ見に行けないよ。」
『やっ!!ママみゆ!!』
「じゃあ、服着替えるよ。バンザーイ。」
『あいあーい。』
小さ
最後のTight Hug⑮
これまで、冬は大嫌いだった。
寒くて起きることが億劫になる朝も。暖房で乾燥する喉も。着膨れをして、動きづらくなる学ランも。
夏派、冬派論争は皆、必ず経験したはずだ。
冬派の言い分は「夏はどんなに脱いでも暑い。冬は着れば凌げる。」だろう。
それに対する夏派である俺の反論はこうだ。
「夏は、どんなにやる気がなくても頑張れば動けて、活動が出来る。冬は、寒すぎて本当に外に出る気力が無くなって、活
最後のTight Hug⑭
『つまづいたり、転んで泣いてみたり。決して上手く生きれるあたしじゃないけど。』
歌えば、歌うほど。
1小節毎に、メロディを刻む度
『あなたがほら、あたしの手を引くから』
あなたへの想いが、気持ちが増していく。
私の音楽に、誰かへの愛情という伴奏を付けてくれたあなたが。
『怖がる、心も、強くね。なれるよ。』
○○のことが、どうしても、大好きだよ。
もっと、
もっと響け、
まだ来て
最後のTight Hug⑬
「まずは、1年生代表の、遠藤さくらちゃんです!!部活は吹奏楽、特技は…」
そんな司会の声を聞きながら、舞台の裏でずっと、心を落ち着けるように私は彼のことを思い返していた。
いつだって、私を照らしてくれた、○○のことを。
高校に入るまでは、まさか私がこんな全校の注目を浴びて、ステージに上がり、ミスコンに出場するなんて、夢にも思わなかった。
"暗い"
"地味"
"つまらない"
私の中学3