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【未知と姫路】髙田賢三 夢をかける 東京オペラシティアートギャラリー

姫路が生んだトップデザイナー髙田賢三。
その軌跡を追う展覧会である。

幼少期からパリへ向かうまでのエピソードも興味深く、
今のように情報のない時代に、良く未知の世界へ飛び込んだな、とその勇気を尊く思う。
会社を休職する、という勇気も当時の判断としてすごい柔軟だな、と思う。


山口小夜子が着ていたと言う事実でテンション爆上がりである。これはリボンが凄かった…
まだ、ポップさがある
今回1番着たみたいと思ったのは、やはり黒

80年代に服飾展示をしていた姫路市

そして東京で服飾展示が満足に行われていなかった頃、姫路市立美術館が髙田賢三の展覧会をしていたことに驚いた。1989年の出来事だ。

姫路市立美術館での記録
立体の展示は難しいが、すごいぞ
専用のマネキンをつくったのか。これは七彩さんが作ったのだろうか?



日本で初めてファッションの展覧会が開催されたのが70年代中期に小池一子とワコールが企画し京都国立近代で開催された『現代衣服の源流展』(京都国立近代美術館、1975年)だとすると…東京の公立美術館で本格的な服飾展覧会の開催は99年の「身体の夢」まで間が開く訳で…。
その10年も前に姫路市では服飾の展覧会が行われていたのか。出身デザイナーがいる、ということの強みだ。
もっとも、布関連にゆかり深い兵庫、京都が服飾系展覧会の主要都市になるのは納得であるけども。西松屋も姫路だし、ワールドも神戸発のアパレルメーカーだ。

姫路市立美術館はこの春に行ったが、建物が素晴らしいのだ。
ただその時は常設展示室しか入館していないので他のスペースがどれくらいの広さだったのかが未知。
今回、当時の展示風景の写真もあってマジマジと見てしまった。うーーん、もっとアーカイブ資料が見たい!こうなると過去の図録を探し始めたりしてしまうが沼なので避けねばなるまい。
美術館図書室とかあったかな…私が行った時は立ち寄れなかったが、もしかすると過去の図録とかあるかもしれないな。

木綿の詩人、色の魔術師


とにかく花柄のアーカイブが面白い。本人も「ふとんの柄」と言っていたり。これが通じる世代なのだ、自分は。 

ふとん柄…
この配置が可能なことが奇跡


私自身は花柄は全く着用しないのだが、上手く着ている方、着こなせる方を見かけると良いものだなぁと思う。

あ、和服ならば花柄は着れる!

祖母が作ってくれた成人式用の振袖はピンク地に大柄の牡丹が素敵で結婚する前までは初詣やら友人の結婚式やらで活躍した。普段ピンクも着ない花柄も選ばないのに着物だと着れるから不思議だな。
既婚になり振袖も着れなくなり自分が産んだ子供も親戚ももれなく男子なのであの振袖の行き先がない。ちょっと残念である。
子供の入学・卒業式は母の着物を着て出席している。セレモニースーツを買わなくてよい&体型が変わっても割となんとかなる&何より流行り等に無関係でいられる、年数がひらいても着れるのでお財布に大変優しい。
デメリットは天気が気になることと、着るのが大変なところか。
花柄を前にまた話が逸れた…

色のトーンが良い
やはり黒に惹かれる
やはり黒に…以下略



父のネクタイ


今回メンズの展示が無く残念だった。
KENZOと言えばメンズもあるでしょう。

これはメンズ?と思ったがどうやら違いそう



自分が1番馴染み深いのは父がネクタイをKENZOで揃えていた事だ。(恐らくライセンスものだと思うけど)
「なんだかすごい柄だね」というと「KENZOだよ!」と自慢されたものだ。ブランドなんて概念の無かった幼少期「ふーん」程度に聞き流していたけれど、実は父の洋服へのこだわりが自分が服飾に興味をもつ潜在的なきっかけにもなっているのかもしれない。

ネクタイはKENZO、靴はREGAL、靴磨きクリームはキウイ、背広はオーダー、ポロシャツはピンクのラコステ、ワイシャツはクリーニング。
昭和のサラリーマンのこだわりだったのだ(父は存命です)

もうネクタイもする事もなく、でも処分することも出来ず実家のタンスに眠っていたネクタイ達。

先日、母が素敵な帽子をかぶって美術館にきたので「それ良いねぇ」と言ったら、

紫陽花をバックに母の手作り帽子。この帽子の材料は…


「この帽子ね、お父さんのネクタイを解いて作ったの!素敵でしょ!素材が良いからねぇ」

と言われて大変驚いたと同時に、もうここまで来るとアッパレだな、と楽しい気持ちになった。

面白い柄合わせだな。でも配色がいいからうるさくない。


母の手作り帽子の材料。そんな第二の人生を歩いているKENZOネクタイ達にも思いを馳せつつ、色の魔術師の精神は長く人を魅了するのだろう。

柄物を品よく着こなすこと、今忘れがちだが、着物など柄物の素養がある民族としてはもっとトライしても良いのかもしれない。

おまけ

東京オペラシティアートギャラリーは私設美術館だが、常設展示室もしっっかりあるので、見学お忘れ無く。

なんだか不思議な絵
かわいい
何か、いる
かわいい
あー、これは良いですねぇ

今期はこれまたおかしな絵が出ていて、多彩なコレクション群に驚かされる。

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