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【二郎系コレクション】2023コレクション展III & スーラージュと森田子龍 兵庫県立美術館


安藤忠雄建築で有名な兵庫県立美術館。
海に面した抜けた空間に立っている。
20年ほど前に海側から建物を見たが、今回、横尾さんの美術館から移動してきたので山側からの入館。

山側からの外観
マークは建築イメージ


わかりやすそうでちょっとわかりにくい入口。
しかし、広い、でかい!
今回は企画展とコレクション展を見学。
他の施設も見たかったが時間の関係で見学できず。
ちなみに、横尾忠則現代美術館の半券で団体料金で入場可能。
相互割引って地味に嬉しい。

スーラージュと森田子龍


これぞ安藤建築




概要はこちら

フランスのアヴェロン県と兵庫県との20年をこえる友好提携を記念し、1950年代から直接交流のあった画家のピエール・スーラージュ(1919-2022/アヴェロン県出身)と書家の森田子龍(1912-1998/兵庫県出身)の展覧会を開催します。

国際交流は何をもたらし、文化的なアイデンティティはいかにして生まれるのでしょうか。スーラージュ美術館の全面的な協力により開催される本展では、二人の作品合わせて約50点に加え、書籍や日記などの資料を通して、芸術家の出会いを考えます。

兵庫県立美術館公式サイトより



スーラージュも森田子龍も初見だった。
しかしこの抽象絵画と日本の書の関係は、面白いなとは思っていたので見に行ってみた。

森田子龍
文字から生まれる抽象表現、なのかあくまで文字、なのか。
アジア圏以外で文字を芸術とする文化って他にどこがあるのだろうか。
フォントやレタリング、カリグラフィというデザイン領域表現はあるけれど
アルファベットの様に一文字では文字そのものにあまり意味をなさない文字には、書いて芸術性をという話になりにくいのかもしれない。

漢字のように一文字で意味を含む言語だとその「字面」から情報を読み取ろうとする。
多少なりとも書道の経験のお陰で書を見たときに感覚的に分かる部分ってあると思う。
筆を半紙に置いたときの感覚や、滲んでいく墨の速度など。
その感覚を頼りに、書を見るのも楽しい。
そして書は一筆で一気に書き上げる。
その1回性に画面の緊張感が生まれるのではないか?
昔、授業で2度書きを禁じられたけれどその感覚を覚えている。

モノクロームの作品を描く画家たちを、森田は「白黒の仲間」と呼び、そのような仲間ができることは喜びであり、励みになったと述べています。

兵庫県立美術館公式サイトより


なるほど。
ジャンルを超えて芸術家が共感をしている。

スーラージュ
かっこいい。まずその一言。
シンプルなものの力強さがある。

かなりの空間に贅沢な展示点数



抽象絵画を見るときに視線が回遊し、画面のどこに着地するか。
そんなことを考えながら見ている。
筆跡をたどるのも魅力だ。


展示室そのものと、作品の組み合わせの良さ


コレクション展


これが、ものすごい物量だった。
横尾さんの美術館も見て、企画展も見てヘロヘロなところ行くものではなかった…。
彫刻、近代、現代、さらに写真、さらに地元作家2人のトピック、建築、という。
マシマシの全部のせ、二郎系コレクションと言っていい。 

とんこt…ではない
ニューン
彫刻もしっかり見せる
羊羹的な!福岡さんの作品だー!
写真のコーナーも東近美の4倍ぐらいあるのでは?



東京国立近代のコレクション展を超えるボリュームである。
関東で国立近代で痛い目似合っている人(主に物理的に足)には伝わると思う。伝わってくれ、頼む。

そんな中、私が見れて嬉しかった作品は「やなぎみわ」のエレベーターガールの作品。
これこれ!この大きさ!

関西の百貨店がロケ地とのこと




現代美術体験のわりと初期に会った作家、作品は今見ても当時の気持ちを思い出させてくれる。
そういう作品に再会できて、やっぱりお腹いっぱいだけど見に来て良かった、と思う。

やっぱりコレクション展示はこうでなきゃ。
ここは企画展がやっていなくても来るべき場所だと思う。

ちょっと階段が多いのが気になるけど、しっかりエレベーターもある。



港付近の博物館で子どもたち再集合の時間までギリギリだったため、美術館を飛び出しタクシーを拾った。
おじいちゃんが運転するタクシーの中では今どき珍しくラジオが流れていた。
センバツ高校野球の放送だった。
関西らしいな、兵庫だしな、と思いながら大きな大きな美術館を後にした。

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