肩は下げなくていい
肩が上がっている、ということを気にする人は多いもの。特に身体を使う系習い事なんかをしていると注意されることナンバー1,2を争うのではないでしょうか。
かくいう私も長年にわたって「肩が上がっている」と注意を受けてきました。そんなに注意されているのになかなか改善されないって、本当に私にセンスがないのか何なのか。
とにかく長年悩んできたことなので、ロルフィング®︎を学んで納得できる答えに行き着いた時のスッキリ感といったらありません。
ということで、今回は、肩が上がっていることを気にしている全ての方にお送りします。
肩は下げなくていい
結論から言ってしまうと、タイトルにもつけたように、肩は下げる必要がありません。ただ、上げるのがいいわけでもありません。
ここを少し詳しく話していくと、もし、一度や二度、「肩が上がってるから下げて」と言われて、それで改善できているなら別にそれでOK。
問題は、
・何度言われて、その場で直しても、また肩が上がってしまう
・下げてるつもりなのに上がってると言われてしまう
・とにかく改善しない
そして
・肩は下げられるけど、下げたところで肩こりは改善していない
そんな方々です。(私もその1人でした)
そんな皆さんは、肩を下げようとすることで墓穴を掘ってる可能性があります。なので、まずは下げようとするのをやめてみるのをおすすめします。
①肩を下げたくない理由
上記に挙げたような方々に肩を下げようとして欲しくないのには理由があります。
肩を上がるのがかなりの癖になっている場合、肩甲骨を上に引っ張る筋肉を使っている(=収縮している、縮こまっている)ことが多いです。
その使用中の筋肉をゆるめることなく、肩を下げようとした場合、肩甲骨を上に上げる筋肉と下に下げる筋肉のせめぎ合いになり、
なんと、どちらの筋肉もガチガチまっしぐら。
見た目は肩が上がってないのに、肩こりがひどい、肩がガチガチ。そんな人はこの傾向がとても強いです。
(そのため、私がロルフィング®︎などでこういう方に出会う時、まずは肩を無理に下げる癖を手放していくことから始めていきます)
写真を撮る一瞬だけ力づくで肩を下げて見た目を良くするのはアリだけど、良いバランスへの解決にはならないので要注意です。
②まずはゆるめるところから
では、何から始めるか。というところで、まずは肩甲骨を上に上げている筋肉をゆるめるところから始めます。
マッサージなどでもいいし、よくある、肩をぎゅーっと耳に寄せてからストンと脱力する、というのでもOK。昔ながらのぶら下がり健康機的なものにぶら下がるのも良いですね♪
③残念ながらゆるめるだけでは改善しません
ゆるめることは大切なんですが、実はそれだけでは改善しません。
私もアメリカ在住時、慢性肩こりに何年も悩まされている中で、週1以上でマッサージに通ったことがありました。しっかりとしたマッサージスクール出身のそれなりの資格を持った方から受けていましたが、至福の時は受けている時のみ。マッサージの日の夜や翌日には肩こりが戻ってきていることが多々。
そう、ゆるめてもらったところで、「肩を上げがち」という癖が変わってなければ、また自ら肩を上げることで肩こりを作っていってしまうのです。
そして「肩が上がってるよ」と注意され、肩を下に力づくで下げる、という恐怖の悪循環。あぁ、恐ろしい。
④肩を上げているのは自分
基本的には肩が勝手に上がっているのではなく、自分で自ら上げている、という認識が必要です。
例えば、本を読んでいる瞬間。肩持ち上げていませんか?
パソコンに向かっている瞬間、肩持ち上げていませんか?
スマホを持っている時、その肩は上がっていませんか?
肩が上がりがちな人は、注意されている時だけでなく、日常でもやっていることが多いです。大切なのは、まずは気付くこと。そして、肩を耳にぎゅーっと上げてからのストンでもいいし、ふーっとため息をつくことで少しゆるむならそれでもOK。
「お、また上げてるな!」と自分で気づけるようになっていくと、かなりの早道です。
⑤そもそも肩は乗っかっているもの
④みたいな感じで、上がってる肩が下がるのか!?となる人もいると思いますが、ここには理由があるのでそれをお話ししていきます。
私たちが「肩が上がってる」なんていう時の肩は、いわゆる肩甲骨です。で、肩甲骨って背中にある平らな骨のようなイメージが強いんだけれど、実はかなり立体的。
この写真↑、身体を横から見た状態なんだけれど、ピンクのところが肩甲骨。青いところは肩甲骨に隠れている肋骨。
肩甲骨は肋骨の上に乗っかっているんです。横から見るとなんとなくイメージ湧きやすいんじゃないかなぁ。湧きやすいといいなぁ。
誰かが後ろから肩に手をかけているような、そんな形をしてるんですよねぇ、肩甲骨。
なので、本来、肩甲骨は肋骨に乗っかっているものであって、何もしてない時は上げる必要もないし、下げる必要もないんです。乗っかっているから。
今回「下げなくていい」と言っているのもこれが理由で、下げようとしたところで限界があります。だって、肋骨あるし。なのに、ぎゅーぎゅー肩を下げてると、そりゃぁ問題が起きても当然。
世は「肩は上がってるのはダメ、下がってるのはOK」という風潮があるけど、無理くり下げようとしてるせいで不調につながっていたり、可動域に制限がかかってる人多いんですよー。
肩が上がってしまっている時、下げる、というより、力を抜いて下ろしてあげる。肋骨に乗せておいてあげる。そこが目指したいところです。
⑥侮れない、肋骨や骨盤の位置
となってくると、そもそも肋骨のポジションが良くなかったら???
そう、肩甲骨はおちおち肋骨には乗っていられません。
なので、肩が上がる癖がある人の中には、ただただ上げちゃう癖の人もいますが(これにも理由はいろいろあるけど)、肋骨や、さらには骨盤の位置が理由で肩が上がっちゃう人も。
肋骨の位置だけを変えるのは難しいので、まずは座っている時の骨盤の位置の改善がおすすめかも。「骨盤が怪しいぞ!」という方は、こちらの記事をどうぞ。(座ってる時に腰を反りすぎる、もしくは腰が丸まりすぎる、という方は怪しいかも!)
最後に
⑥にちょろっと触れたように、ただただ、肩を上げちゃうのが癖、という人もいて、緊張しやすかったり、焦りやすかったり、力みやすかったり、という場合にも肩は持ち上げてしまいがちです。
今、自分は緊張してないかな、力みすぎてないかな、と大きく息を吐いたりするのもおすすめです。
私は自分自身もそうでしたが、肩が上がってることをたくさん注意されて、なんとか肩を下げようと力づくで下げたことで、肩こりや背中痛、腰痛などで悩まされる人にたくさん出会ってきました。
写真を撮ったりするような一瞬のことであればいいけれど、力づくで肩を下げても、根本的な改善にはつながりません。
肩を下げたい理由が、ダンスやスポーツ、音楽など、パフォーマンスを上げたいのであればなおさらです。
力づくで肩を下げることは、さらなる緊張を生み、関節の可動域は狭まるし、動きが固くなるからです。
ほんとに、声を大にして言いたい。
まずは、肩を下げるのをやめてみて、今回紹介したこと、チェックしてみてください。
肩が上がっても、それに気づいて、力を抜いて、肩甲骨を肋骨に置いておくことができれば、ちょっとくらい肩が上がる癖があっても全然大丈夫!少しずつ、けど着実に改善していきますよ!
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