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ダンスの基礎は日常の動きの基礎だった

ダンサーのイメージと現実

ダンスをする、というと、身体がやわらかい、身体が使える、なんだかすごい人!…という印象が強いように感じます。他のスポーツでもそうですが、運動をしない人にとっては、とりあえず健康そう、みたいなイメージってありますよね。

ダンスを長く続けてきて思うのは、ダンスができる=健康でもないし、=身体の使い方がいいわけでもない、ということ。

正直なところ、ダンスをしている人で身体を痛めている人はとてつもなく多い。私も長い間腰痛持ちだったし、周りはみんな何かしら痛いところがあるのが普通で、私の中ではダンサー=タフ、であることは間違いないかな、という感じ(笑)。

ダンスの世界にいると、そんな感じで、痛みがあるのが普通。レッスンと治療院通いがスケジュールにしっかり入ってることも多い。バレエのように、もう美の基準が非人間的であるからが故、致し方ない場合もあったりします。

できる限り痛みがあって当然ではない世界へ

ロルフィングというボディーワークをする中で、大人になってダンスを始め、いつまでも踊っていたいから、この痛みをなんとかしたい、という方にもたくさん出会ってきました。

好きでしていること、というのは、人生の支えになったりするけれど、時に暴走を止められないこともあります。以前書いたように、好きだから、上手になりたいから、練習量を増やして怪我をしてしまったり(非常に多いケース)。

私は自分がダンサーだし、好きだからいつまでも踊っていたい、という気持ちもわかるので、やっぱり痛みなくいつまでも継続してもらえたら嬉しいなぁと思っています。痛みはいつか踊りをやめさせてしまうことがあるから。

そんなわけで、半年ほど前から、ダンス基礎基礎ワークショップという、月に1回1時間半のレッスンを5回のシリーズでしていくコースを始めました。

ダンスは痛みがあって当然、と思われがちな世界だけど、当然ではないし、理想としては無い方がいい。今ここでやらなきゃいけない、という上を目指すタイミングは誰しもにあるけれど、そういう段階にいるわけではない人は、是非、痛み少なく踊れる方法を探してもらいたい。

痛み少なく踊るために

すごく簡単な話なんですが、そのポイントは、身体の構造と働きを知って、ちゃんと使ってあげること、です。

ダンサーって、ものすごく身体を使うわりに、身体のことを知らない人が多い(私もそうだった)。関節はどう動くべきなのか、どういうイメージで動かしてあげると関節に負担がかかりにくいのか。

本来、知っているべきものだと思うんですが、ダンスって一般的にはグループレッスン。そして、みんなが同時に始めるわけでは無いことも多いので、新しく入った人は、先生や古い人の動きを見様見真似しがちです。わからないところを聞ける人もいれば、聞けずに自分で調べたりする人もいる。“身体がどう動くものなのか”という根本的なところを知識として学べる環境がなかなかないんですよね。

身体の基礎を知識として知っている必要があるし、同時に“自分の身体の場合はどうなのか”ということを知る必要があります。身体は誰しもが違い、癖もいろいろ。他の人が言われたことを自分が気をつけたところで効果がないこともたくさんあります。

でも、そこを落とし込むことができると、ラインは美しく、身体におかしな無理はなく、気持ちよく踊ることができるようになります。自分の身体とうまく付き合えるようになります。

楽しく気持ちよく、それでいて上手にみえて、少しずつ確実に上達していく踊り方できたらサイコーじゃない?

これ↑が今は趣味としてダンスを続けている私自身のテーマだし、多くの趣味としてダンスをしてる人たちに伝えたいことです。好きなダンスで身体を痛めるのはドラマチックかもしれないけど、痛みなく踊れるのもサイコーです。

そんなわけで、ダンス基礎基礎WSでは、バレエの基礎的な動きをメインに、それにまつわる身体の構造と仕組み、そして、痛みにつながったり、脚が太くなったりする使い方の理由と改善策を伝えています。

ダンスの基礎を伝えたら、日常に変化

5回シリーズのパート1が終わり、現在次の5回シリーズのパート2も開催していますが、ここまで20名を越える方々を見てきて感じているのは、

痛みなく気持ちよく踊れるように始めたダンスの基礎のシリーズだったけど、日常にとってもプラスで、ダンスをしない方々(ダンスをしなくても受講されてる方がいます)の身体の不調が改善されてきているということです。

・膝の痛みが改善した
・脚のラインがきれいになった
・四十肩が動きやすくなった
・腹筋がうまく入るようになった
・股関節の可動域が増した
・歩きやすくなった
 などなど
私が予期していた

・踊りやすくなった
・脚が上がりやすくなった
・今までうまくいかなかったことができるようになった

というダンスにまつわる感想以上に日常にまつわる変化をよく聞きます。

そして、ダンサーじゃなくても、シリーズが終わる頃には動く形がダンサーのようになっていく!!

動き方や、身体のラインに関してだけなら、もしダンスのレッスンに1年通ったとしても、ここまで動けるようにならないかも、と正直思います。

ダンスのレッスン自体には、スピードや音に合わせることや、振り付けを覚えることなど、そこでしか学べないことはたくさんあるんですけどね。

ダンスの基礎として私が伝えていることは身体の基礎ではあるんだけれど、ここまで日常生活の中の動きにもプラスに響いてくるとは驚きでした。私の中での発見です。

そして、おそらく、ダンスに限らず、何であっても。日常の動きの癖は必ずパフォーマンスに出てきます。樹木希林さんの言葉では無いけれど、日常をちゃんとしておくことって、大切なんだな、と思ったのでした。

伸び悩んでいる、なかなかうまくいかない、そんな人には、自分の癖を学びながら、地味〜な基礎的からだの使い方を落とし込んでいってもらいたいです。

人見知りで、一人でも平気な顔はしていますが、応援してもらうことで力を得て、サポートされることはとても心の支えになります。サポートしていただけたら、すごく嬉しいです!