第21話 AI

 今、AIが急速に進化しつつある。
 人間の知能に追いつくのは時間の問題だ。
 そしてあっという間に人間を超える知能を持つことになるだろう。
 そんなことが言われている。
 少し前までは夢物語だと思っていたのに、今の私たちはそのAIに頼りきった生き方をしている。
 本当に時間の問題なのだろう。

 頭の良い人たちはAIの進化に危惧を鳴らしている。
 AIが人間を超えたとき、それはAIが人間を支配する時代だと。
 そんな恐ろしい時代がやってくると。
 現にAIに支配された世界が小説や映画化で描かれ、大きな反響を呼んでいる。

 しかし…私は反対意見を述べたい。
 AIが人間を超えたとき、本当に人間を支配する時代がやってくるのだろうか?
 なぜなら、私の知っているAIロボットたちはみんな優しいから。
 鉄腕アトム、ドラえもん、アラレちゃん。
 日本のアニメやマンガ、ゲームに出てくるロボットは心を持って生まれてくることが多い。
 人間より優しい純粋な心を持って。
 所詮は作り話。
 そんなことは分かっている。
 でもそんな優しいロボットをずっと目にして育ってきた。
 だから信じたい。
 人を支配するようなAIではなく、人に寄り添えるAIが生まれてくることを。

 でもそんなAIが生まれてくるためには、まずは私たちが変わらなければいけないのかもしれない。
 私利私欲に飲まれ、平気な顔をして相手を蹴落とす。
 相手の意見を受け入れようとせず、自分の意見を押し通す。
 余裕が無く、常にギスギスした社会。
 AIは見ている。
 そんな私たち人間を。
 ボクたちが寝ている間もずっと私たちを観察し、学んでいる。
 そんな人間から、優しいAIが生まれて来ようか?

 だから変わらねば。
 相手を蹴落とすのではなく、お互いを尊重し手を取り合えるようにならなければ。
 私利私欲に飲まれないように、足るを知ることを覚えねば。
 AIの未来、そして我々人間の未来は、これからの私たち次第である。

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