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【お知らせ】rokuyou通信第3号をリリースしました

2022年度からスタートした「roku you通信」。紙でご覧いただいた先生方、PDFでダウンロードいただいた先生方、誠にありがとうございます! ご好評につき、noteでもその内容を一部再編し、お届けしたいと思います。お楽しみいただけますと幸いです。

こんにちは! 「rokuyou通信」編集部です。今号では、「個をいかす」「学校のウェルビーイングを育む」ために、教育の現場で日々アプローチを重ね、研究・実践しているインサイドアウトプロジェクトをご紹介します。楽しんでいただけますと幸いです!

現在、rokuyouとNPO法人青春基地は協働し、デロイトトーマツウェルビーイング財団の助成をいただきながら公立高校でのウェルビーイングな学びを中心に研究・実践しています。

NPO法人青春基地
「生まれ育った環境をこえて、一人ひとりが想定外の未来をつくる」というビジョンのもと、東京と長野で活動。「生成の教育学」という在り方をベースに、公立高校のなかで、長期的に協働をすすめる学校改革をはじめ、個をいかした学びと学校づくりを行う。

ウェルビーイングな学校教育の実現にむけた“inside-out edu project”

本プロジェクトは、学校教育を「ウェルビーイングな個を育てることで、その先にウェルビーイングな社会をつくること」だと定義し、その実現に向けた具体的な学びのあり方を「SEL(Social Emotional Learning)」と「生成(Generative Pedagogy)」とし、研究開発を進めています。私たちは、個をいかし、一人ひとりの自己決定や創造が生まれること(インサイド)が、この社会へ新たな意味・価値の創造をもたらす(アウト)基盤形成になると捉えています。

インサイドアウトな学びの実践

インサイドアウトな学びと定義している取り組みを紹介します。

■うるま市立あげな中学校

『Mission for Fun!』
「生徒たちの主体性の欠如」という課題があり、先生方も生徒の可能性を信じきれていませんでした。課題解決に向け、「生徒が自分たちの手で自分たちの環境を良くするアイデアを出し、行動することで、生徒たちの主体性と自己肯定感が養われるのではないか」という仮説を設定。「学校の中で心地の良い環境を自分たちで作ろう」というお題で、「Mission for Fun!」を実施。お題に沿ってチームで企画を作成、実行。自分の内面にフォーカスし、興味関心のあることや自身の「好き」に向き合いました。

学校の中に「映えスポット」を作るために学校に許可をもらい校舎に作品を描いたり、校長先生とジェンガをしながら話し合いをしたり、校内を歩きながら楽器を演奏したり......。生徒たちが主体的に活動した結果、たくさんの“Fun!”が生まれました。また、先生方は驚きながらも温かく見守り、応援していました。

■栃木県立足利清風高等学校

『コラージュで“わたし“を表現する』
雑誌の切り抜きを使って自由に切り貼りをする「つくる」パートと、作品を紹介し、お互いの視点を交流させる「鑑賞する」パートで構成されるコラージュのワーク。自分の新しい可能性に気づくことができるのはもちろん、思わぬ「わたし」との出会いや他者との出会いを通して、言葉では表現しきれない関係性を構築し、共感が生まれる時間となっています。

生徒からは「直感的に気ままに制作することで、普段思いつかないようなことを思いつくことができた」「それぞれが持つ自分の個性を発揮できることは、とてもすてきなこと。みんなの心のなかにある“すてきな何か”を知れたような気がしました」といった声があがりました。

■沖縄県立宮古総合実業高等学校

『音楽の時間のリフレクション』
音楽の授業で毎時間行われているリフレクションでは、「ミッションを達成するために何をしたのか」「その結果どうなったのか」「自分自身の内面的な気づき」の3つの項目について生徒が記入します。リフレクションに対し、担当の先生から個別に充実したコメントが添えられていることが印象的でした。
生徒たちは次第に深いリフレクションができるようになり、考えたことや実践したことを言語化する力がついてきたといいます。時には、生徒の悩みや素直な気持ちの吐露がなされることもあるそうです。こうしたやり取りにより、多面的な生徒理解にもつながっています。

また、先生も自身の内面の変化に気づいたといいます。「学生時代は音楽が『好き』だと思っていましたが、教員になり音楽の楽しさを伝える側になった時、音楽は自分の価値を高める『手段』になっていたことに気づきました。落胆したと同時に、音楽を楽しめていない自分が教員をやっていていいのかと不安になりました。しかし、生徒だけでなく、自分も日々の授業ごとにリフレクションしていく中で心の声に気づくことができ、今では、音楽を通して生徒とともに感性を耕していきたいと思うようになりました」というお声をいただきました。今後も生徒や自身の「気づき」を大切にしながら、インサイドアウトな学びに取り組んでいくと決意を語ってくださいました。

みなさんの学校現場でも、 インサイドアウトな学びを実践していきませんか?

先生向けラーニングコミュニティ『余白な教室 第1期』

先生向けのラーニングコミュニティ「余白な教室」を始めます! 参加者が”ともに”つくる学びの場で知見や経験から学び合い、未来の実践に繋げていけるようなコミュニティにしていきます。

日々の課題感や興味関心を共有したい先生、自分自身の日々の実践を振り返り、新しく挑戦をしようとしている先生にオススメです。 SELなどに興味をお持ちの先生も、ぜひお越しください。

<第1期開催情報>
全3回、オンライン開催。費用は無料です。

日時:
①2024年2月1日
②2024年2月15日
③2024年3月7日
※各回木曜日20:00〜21:15

詳細は公式Facebookやnoteにてお知らせいたしますので、 SNSのチェックをお願いします!

Podcast「余白な学校」のご案内

インサイドアウトな学びの研究の一環としてpodcastを制作・配信し、さまざまな実践家や研究者の皆様をゲストにお招きし、「これからの教育」を探っていきます。 これまでの配信はこちらよりお聞きいただけます。

<これまでのトピック一覧>
◾️渡辺ゆうか さん(ファブラボ鎌倉 代表)
ファブリーケーションと教育

◾️西成活裕 さん(東京大学先端科学技術研究センター教授)
教育の渋滞をどう捉える?

◾️福谷彰鴻 さん(システム思考教育家)
システム思考から考える教育のあり方

ニューストピック

  • instagramを開設しました!【アカウントID:rokuyou.co】
    より現場の様子を皆様にお届けできるよう、新たにInstagramを開設しました。ぜひ覗いてみてください!

  • トヨタ財団の研究助成プログラム2023に採択されました。

rokuyou通信は以下よりダウンロードいただけます。

これまでのrokuyou通信は以下よりご覧いただけます。

▶︎▶︎第1号

▶︎▶︎第2号


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